迷宮都市への誘い
3話かけてもギルド登録にすらたどり着けない名和君明日はどっちだ
「神格の影響なのか凄いな」
この世界のラスボス達が「こんにちは死ね」してくる可能性を示唆されて思わず全力で矢印が向くほうに走った。
社会人生活をおくった身体は5分も持たずに走れなくなるとおもったが20分ほど走り続けてもまったく息が切れなかった。
どうやら異常に身体能力が強化されているらしい。走る速度も体感だが50km以上でているようだ。しかもまだまだ速度をあげられる余力がある。
「サラマンダーより早い~♪」
と馬鹿なことをいっている内に草原がとぎれ整備された道が目の前に現れる、そして道の先にはうっすらと城壁のようなものが見えた。
「整備した街道にでたし一応速度を落とすか・・・」
この世界で人間が時速50kmで走るのが普通ならばよいが、もし違うならば非常にまずいことになるだろう。
具体的に言うと神々の襲撃とか、それはないにしても不審人物としてこの世界の治安維持機構に通報される恐れがある。
幸いにして、いまは朝の早い時間帯であるらしく大きな道に続く街道にしては人通りが少なく、草原から飛び出してきた自分を見咎める人もいなかった。
「目的地はみえたしゆっくりいくか」
少ないながらも行きかう人はいる、この世界の風俗を知るために不自然にならない程度に観察しながら街へ進む。
交易路なのか一人として同じ人種がいない。白人や黒人のような人もいれば、ネコミミや犬耳をつけた獣人系の人間、
馬車ならぬ鳥車にのったホビット族っぽい人。その鳥車を守るように周囲を固めるように歩く剣や鎧で武装した人間の身体にトカゲの頭がのったリザードマン、
ローブを身に纏ったいかにも魔術師っぽい服装をした人。
ラノベなどで耐性はあるが実際見てみるとその迫力に気おされると同時に本当に異世界にきたんだなと実感がわき心が熱くなった。
「身分証の提示をお願いします」
異世界に実際にふれ浮かれたまま城門に入ろうとした矢先、憲兵に身分証の提示を求められてしまった。
そりゃ城壁都市なんだから当然あるよね検問。
「あー、ドコニシマッタッケカナー」
鞄を探すふりをするが当然ない、憲兵の目がどんどん険しくなっていくのが解る。
(いかんこのままではいきなり牢屋スタートに)
焦りすぎて頭が回らない、浮かれたまま情報収集を怠った自分のミスを激しく悔いるが後悔先に立たずだ。
「守衛さんごめんなさい、彼は私が招いたお客様なの」
沸騰しそうな頭に冷ますように涼しげな声が聞こえ顔をあげる。
目の前にいた憲兵が声の主を確認するとすごい勢いで直立不動の姿勢をとった。
前の世界で言う法衣のような服装をみにまとった金髪碧眼の美女が慈愛に溢れた笑顔で