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初恋の君へ  作者: ななえ
大学生編
111/127

神さまの手のひら6

 人体とは不思議なもので、事故後一日二日はそのショックで骨が砕けているというのに足はさほど痛まなかった。だが、気の昂りが落ち着いてくると、我慢できないほどの痛みが哲士を襲った。患部に焼きごてを常に当てられているような熱さと痛みに加え、怪我による高熱が出て哲士は数日間朦朧としていた。

 発熱と痛みでこの頃の記憶は実のところあまりない。終日面会謝絶にしていたので誰も来なかったし、誰が来ても対応できなかっただろう。

 熟睡や、ものを食べた記憶すらない数日間が過ぎ、やっと痛みに間断が表れてきた頃、哲士はやっと体をベットの上で起こして物を考える時間を与えられた。それでも哲士の思考は宙を浮いて定まらない。

「哲士。根本くんと新野さんっていう部活のお友だちが見えてるわよ」

 花瓶の水を替えに行っていた母親が戻ってきて、声をかける。哲士は視線を上げないまま、口先だけで言葉を発する。

「ごめん、帰ってもらって」

「哲士だって、あなた……」

「具合が悪いって言って」

 取りつく島もない哲士の返答に、母親はどこか釈然としない表情ながらも、哲士の意をふたりに伝えるべく出て行った。まもなく母親がふたりと廊下で話す声が聞こえてきた。その声を聞きながら、ごめんと胸の中でふたりに謝る。今は誰にも会いたくなかった。

 母親が病室に戻ってくる。

「いいの? 帰してしまって。あなたが熱のある間、うわごとで言っていたのはあの子のことでしょう? 『マネージャ』って言っていたのよ」

 哲士は不安そうに聞いてくる母親に答えなかった。熱に浮かされて、何度かマネージャーという単語を口にしたのは覚えているが、今は香代子と会う自分の姿が想像できない。会いたいが、会えない。哲士を“陸上選手”だと見る相手に、今はどんな顔をしていいのかわからなかった。

「哲士」

 母親に改めて呼びかけられて、哲士は必要最低限の動きで母親に注意を向けた。母親は困惑と険しさをだいぶ老いの見えてきた顔に浮かべていた。

「あの子たち……あなたが庇ったあの子とお姉さんが毎日来るのよ」

 どうすればいい、と母親は聞く。哲士は答えを求める母親から視線を虚空に漂わせた。

「……どうすればいいんだろうな」

 途方に暮れるよりももっと強い茫洋としたつぶやきが自分の口から漏れた。あの姉弟には悪いことをしたと思っている。彼らに罪悪感を背負わせたままで、自分は子供を助けて足を失った悲劇のヒーローでいて、こんなのは間違っているとわかっている。自分は真実正義のヒーローではないのだから。

 哲士は目を伏せた。何がどうすればいいんだろうな、だ。どうすればいいかなどもうわかっている。あの姉弟を加害者のような位置に置いて、自分はこの清潔な病室で守られている。そんなのはおかしい。哲士は確かに過去の自分と重ねて、あの少年を助けたのだと思っていた。だが、足を損なった今、零れ落ちるのは違う思いだった。

 どうしようもない自己嫌悪に沈んでいきそうな哲士の意識を現実に戻したのは、病室の外から聞こえた誰かの怒鳴り声だった。

「あら、何かしら。病院なのに」

 母親が顔をしかめてつぶやき、様子を見に病室の外へ出ていく。哲士は母親の背を見送り、その荒っぽい声に耳を傾けた。聞き覚えがある声だったからだ。

「根本……」

 思わず自分から零れ落ちた言葉に、確信が強まる。部屋の外で声を荒げているのは根本だ。それは数日前に哲士がこの病院に運ばれた時に聞いた母親のヒステリックな声に似て、哲士に嫌な予感を抱かせるには十分だった。

 動かすのも恐ろしい足だが、何とかベット際まで持ってきて、壁にかかっている松葉杖を取る。その間にも、根本は扉を隔てたところで何かをわめいている。根本の声は大きく、よく聞こえるのだ。

 松葉杖を使い、ベットから立つと想像以上の痛みに松葉杖を放しそうになった。痛みを通り越して吐き気すらして、意識が遠のきかけたが、何とか松葉杖にすがるようにして歩を進める。

 母はあの日、哲士がかばった少年と、その姉を責めた。今聞こえる根本の声は、その嫌な感じによく似ていた。

 遅すぎる歩行で、転びそうになりながらも何とか扉までたどり着き、戸を引いた。軽い音がして、ドアが開く。

 そこには根本と香代子、そしてあの少年と姉がいた。根本は興奮のせいか目をぎらつかせ、少年と姉を睨み付けている。それを止めるように、香代子が根本と少年の間に割って入っている。

 根本にはわかったのだろう。おそらく哲士の病室を訪ねようとしていたであろう姉弟が何者かを。だから責めたのだ。

 廊下にいた四人の目は一斉に哲士に向いた。ベットからドアまでのわずかな距離を歩くのに、哲士の息は切れていて、立っていることすら痛みを伴う。その中で、いまだに怒りが冷めやまぬ表情の根本に「止めろ、根本」と言う。

「その子は悪くない」

 母親にも言ったことを繰り返す。

「俺が勝手に車に飛び込んだんだ」

 誰かにこう言う度に、息苦しくなっていく。自分自身がやったことで、どこにも逃げ場はないのだと思い知らされる。現実を突きつけられる。

 根本は肩を怒らせ、じっと廊下の床を見ていた。もうその目は姉弟をにらんでいなかった。

「……わかってるよ、俺だってそんくらい。本当はこいつが悪いんじゃないことぐらい」

 根本にはめずらしく、つぶやくような小さな声が漏れた。かすれたその声は必死で感情を押し殺しているように聞こえた。

「でも、部長がインカレに出れないと思うと、どうしても言わずにはいられねえんだよ」

 蛍光灯が音もなく根本の悄然とうつむく背中を照らしていた。その蛍光灯に照らされて、根本はふっと薄く笑った。笑って、泣いた。

「子供を庇ったなんて、部長らしいよ……でも俺はこんなことになるんなら、部長らしくなんかなくてよかったんだよ」

 ぽたぽたと根本の涙がリノリウムの床に落ちる。止めろ、止めろ、止めろ、と胸の中から声がする。もう止めてくれ、泣かないでくれ、その姉弟を責めないでくれ、俺をそんなきれいな目で見ないでくれ。俺はその視線を受けるのに相応しい人間ではない。涙に値する存在ではない。すべてをさらけ出して、この場で懺悔して、責められたかった。だが、その勇気すら出ない哲士は「もう言うな」とだけ言葉を絞り出す。

「……もう何も言うな」

 哲士が繰り返すまでもなく、誰ももう何も言わなかった。

 なあ根本、と胸の中で呼びかける。きっとお前も古賀も、今の哲士と同じようになったなら、もう一度走れるように懸命に自らを奮い立たせて努力するだろう。どんなに遠くにあろうとも、遠くの一筋の光へ向かって走っていくことができるだろう。だが、哲士にはそれができない。走っていく場所の光がもう見えない。自分でそれを消したから。

 俺はこの場から消えてしまいたいと願う。誰にも言えない。

 ――走れなくなって哲士は確かにほっとしていた。







 

 腐った果実のような、自分の足。この足がつい数日前まで動いて、走っていただなんて信じられない。

 哲士はギプスをつけ直すため、事故後初めて自分の足を処置室で直視していた。

 もとの形がわからないほどに変形した足は、内出血で黒く腫れ上がっていた。まるで炭化したような色で、触ったら少しの弾力も得られずに、ぐずぐずと崩れていきそうな醜い姿だった。

 朝の陽光が射し込む処置室では、看護師が哲士の動揺を置き去りにして無駄のない動きでギプスを装着していく。足が石膏の白に覆われても、哲士の脳裏には先ほど見た黒と赤と絶望を混ぜたような色が焼きついていた。

 哲士は今までぼんやりとした意識が急に現実感をともなって無理にこじ開けられるのを感じていた。哲士の足は死んだのだ。同時に、陸上選手としての緒方 哲士も死んだ。やっと今、その事に本当に気づいた。

 いや、心底衝撃を受けているのは選手生命が断ちきられたことでも、インカレに出場できないことでもない。その心の奥底にあった“真実”は、哲士に息もできないほどの恐怖をもたらした。こうなって俺はほっとしてるだなんて。

壊れていくのは足だけでなく、自分の心のように思える。緒方 哲士という人間を保っていられなくなりそうで、それがどうしようもなく恐ろしくて、喉まで水が上がってきて、窒息しそうな気分になる。それに耐えきれなくなり、哲士は夕食後の時間を利用して病院を抜け出す。この時間は配膳を終えた看護師たちも一息ついているから、病院内は閑散としているのだ。

 何度も転びそうになりながら、入院してから一度も出たことのない外へ踏み出す。病院内はさすがにバリアフリーが行き届いていて慣れない松葉杖でもどうにか移動できたが、外では少しの段差が越えられない。横断歩道が青信号のうちに渡りきれずに、クラクションを鳴らされたりもした。

 幸いなことに、入院しているのは哲士が通っている大学の大学病院だった。大学からも近いので、地理はわかる。あのままゆっくりと心も死んでいきそうな病院を抜け、哲士はある場所を目指していた。

 九月末の夜は、日中の温かさを通り越した暑さが嘘のように日が落ちると肌寒かった。薄いTシャツが夜風にはためく。さらに追い打ちをかけるように、星も見えない空から雨粒が一滴落ちてきた。たちまち雨足は強まり、哲士を濡らす。

 けぶるような豪雨の中、懸命に松葉杖を動かして進むが、手が滑り、松葉杖から外れる。哲士は濡れた歩道に倒れこみ、その衝撃で足に激痛が走る。しばらく脂汗をかきながら、その場でじっと耐えた。水を吸って重くなった頭の包帯が、はらりととれて、地面に落ちていく。

 まったく遠慮のないスピードでやってきた車に水をかけられたが、反応もできない。車にかけられた泥水を雨で完全に流れ落ちた頃、やっと痛みの波が治まってきた。近くの電信柱にすがりながら苦労して立ち上がる。自分の息の音がやけに大きく聞こえ、もう足が痛いのか他が痛いのかわからない。体全体が嫌な熱を持っていて、重い。

 ――何か針の上を歩いている気がするな。

 少し前まで何の苦労もなくできていた歩くことが、今はもうとてつもない苦痛と不自由さを伴う。この針の上を歩くようなビジョンは、この先の自分の道を表しているように思えた。

 妙に熱い息をついて、哲士は眼前の光景を見る。やっと着いた、と思った瞬間、限界に達していた足が震えて、膝から折れる。哲士は今日何度目かの転倒をし、土の地面に倒れこんだ。

 毎日のように走っていた大学のグラウンドの中央で、哲士はうつぶせに倒れていた。雨が惜しみもなく自分の上に降り注ぐ。立ち上がるべく、地面についた手は、濡れた土を掻いて泥をつかむだけだ。

 ……ーー俺は走らないといけない。

 哲士は泥を握りながら、右の拳を地面につきたて、体を起こそうとする。無理な体勢に指の関節が軋んで嫌な音を立てたが、構わず力を入れ続ける。だが、今の片足に重いギプスをはめている哲士では、下半身は鎖に繋がれているかのように重く、起き上がる前に無様に潰れた。

 雨を吸って、柔らかさを得たグラウンドは哲士の体を泥の中へ迎え入れる。巨大な水たまりとなったグラウンドの真ん中で、この海の中に沈んで、跡形もなく消えてしまいたいと願う。だが、いくら望んでも哲士の体は熱を失うだけで、この世界から消えてしまうことはできなかった。

 どれぐらいそこで倒れていたのだろう。雨音にまぎれて、足音がこちらに近づいてくることに気がつかなかった。緩慢な動きでまぶたを開けた哲士の視界に、黒いパンプスが映る。そのつま先は泥で汚れていた。

「マ、ネージャー……?」

 哲士のつぶやきを否定するように、すぐそばで「緒方さん」という声が響いた。その声は香代子のものでよりも低く、硬質だった。まぶたを開け、首を動かして、そこに立っている人物を見上げる。雨に濡れてシルエットは崩れているが、前下がりのシャープな形のショートカット、額に張り付いた前髪の隙間から、猫のようなアーモンド形の瞳が哲士にじっと注がれている。哲士がかばったあの少年の姉が全身ずぶ濡れでその場で仁王立ちしていた。

「……あなたは」

 哲士がなぜここに、という意図をこめて言葉を発すると、彼女は険しい顔で「あなたはっ」と声を荒げた。

「自分がどういう状態かわかってるんですかっ。そんな体でこんなとこまで……」

 近くに膝をついた彼女の目からぼろっと涙がこぼれて、哲士はぎょっとした。その哲士の表情の変化を読み取ったのか、彼女が乱暴に拳で涙をふく。

「ああもうっ! さっさと病院に帰って、手当てして」

 彼女の手を借りて、哲士は濡れた地面にの上に座り、上体を起こした。白いTシャツは泥で汚れ、今朝つけたばかりのギプスも汚れている。頭の傷が開いたのか、こめかみから血が一筋たれ、地面に落ちる。今の自分はひどい有様だった。

 すっと彼女の手が伸びてきて、ハンカチを持った手が哲士の頭の傷をふさぐ。汚れたパンプス、濡れて色の濃さを増した事務服、ぬかるんだ地面を気にせずに膝をつく彼女の姿も、哲士に負けず劣らずひどいものだった。

 その姿に哲士は急にいたたまれなさを覚えた。哲士は彼女ら姉弟に罪悪感という名の影を背負わせた。本来ならそれは彼女らに科せられるものではなかった。

「……あなたが罪悪感にかられる必要なんてないんです」

 雨がたまる地面を凝視しながら、哲士はつぶやきのような声を発した。うつむいて、下に向いている毛先から、雨が間断なく滴り落ちる。

「根本が俺のことを何て言ったかは知りませんが、俺は足を失ったことを惜しまれるような陸上選手ではありません」

 言いながら、力ない笑みが浮かんできた。根本は彼女らに哲士のことを大事な大会を控えた優秀な陸上選手とでも紹介し、彼女たちに哲士の選手生命を奪った責任をとれとでも言ったのかもしれないが、自分はそんな上等なものではない。真実はとても醜く、自分は卑怯だ。

 自分は正義感にかられて、あの少年を助けたのだと思っていた。けれど、こうなって零れ落ちた胸の中の真実に、哲士はもう逆らうことができない。疲れたような笑みの次にあふれてきたものを、哲士はどうすることもできなかった。

「俺は、こうなってほっとしているんです……足を失って安堵している。インカレに出なくて済む。もう走らなくて済む。負けなくて済む」

 轢かれそうになった子供をかばうなんていう美しい正義感にかられたふりをして、哲士は利己的な欲求を果たしたのかもしれない。その結果、彼女らに一生消えない傷をつけた自分はなんて卑怯なのだろう。自分を嘲る笑みを浮かべながら、喉から言葉がほとばしる。

「俺は勝負から逃げた。インカレに出るのが怖かった。だからこうして足をつぶして、インカレに出れないようにしたんです」

 だから、あなたたちは何も悪くない。雨に吸い込まれるように、その言葉を発した後、冷たい雨とは違う熱い雫が頬を伝った。何が古賀 由貴也にインカレで勝って、奇跡を起こすだ。そんなことは無理だとはなから知っていた。哲士がインカレに出る方法は、何も由貴也が参加標準記録Aを破り、哲士が地区インカレで優勝することだけではなかった。哲士が十秒五〇の参加標準記録Aを破れば、由貴也が同じく参加標準記録Aを保持してようと、参加資格BやCを持っていようと関係なく、哲士は日本インカレに無条件で出場できた。だが、自分は参加標準資格Bや、地区インカレ優勝の参加資格Cよりも厳しい、参加標準記録Aの突破を初めからあきらめていた。

 参加標準記録Aも破れず、インカレの出場も由貴也の全日本ジュニアの結果に頼らなければいけないような哲士が、インカレ本選で由貴也に勝てるはずがない。自分はもう最初の時点から由貴也に負けていた。それをインカレの大舞台ではっきりと思い知るのが怖くて、戦いからわざと離脱した。

 地に膝をつけて、うつむいた顔を片手で覆う。嗚咽が顔を隠した手の隙間から漏れる。自分が陸上から逃げ出したなど信じたくなかった。だからここで、かつて毎日練習したグラウンドでもう一度走って、その真実を真っ向から否定したかった。だが、もう走れない。どうしても。

 根本も香代子も由貴也も、哲士が勝負から逃げ出したと知ったら軽蔑するだろう。真実を言ったら、哲士と根本、香代子、由貴也をつなぐ陸上というくくりの中に二度と入れなくなる。自分たちは走る者だ。闘争心を失った者を心から尊敬し、信頼し、仲間だと認めることはできないだろう。

 陸上選手の緒方 哲士は死んだ。精神的にも、肉体的にも。いきなりこんなことを言われて、目の前の彼女も困っているだろう。だが顔を上げられない。自分が情けなくて、みっともなくて、ずるくて。

「俺は……ここから、消えてしまいたい……!」

 死にたいのでも、逃げてしまいたいのでもなく、消えてしまいたい。ここからいなくなってしまいたい。誰の記憶にも残らずに、緒方 哲士という人物を最初からいなかったことにしてしまいたい。敵前逃亡して、こんなところでびしょぬれで、走ることおろか、立ち上がることのできない人間を、誰かの目に留めておきたくなかった。

 地面に手をついて、滂沱の涙を流す哲士の肩にそっと彼女の手が置かれる。

 ――雨の音が弱まった。視界が暗くなる。

 哲士は今の状況に目を見開いた。自分は少年の姉の腕の中にいる。雨から守られるように膝立ちになった彼女の腕の輪の中にいる。

「緒方さんがこんなところで雨にぬれていていい人間だとはあたしは思わない」

 彼女の体と密着しているせいか、その声はまるで触れたところから伝わって、哲士の内側にしみこんでいくようだった。

 誰でも今の自分はいいのかもしれない。誰かに頼りたくてよりかかりたくてしょうがないのかもしれない。この姉弟を一刻も早く普通の生活に戻してあげなければいけないとわかっているのに、もうどうしようもなく疲れていて、哲士は彼女の胸に頭を預けた。

 目を閉じると、雨の音が耳朶を打つ。その音は先ほどまでの哲士をみじめにさせるものではなく。落ち着かせるものに変わっていた。

 

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