28話 戻ってこい? 断る!
「なんで、お前がここにいるんだ……」
「はははっ、ずいぶんな口を利くようになったじゃねえかよ、カス!! 俺様のことは、「様」づけで呼ぶ。そういう約束だったろー?」
「もう、お前たちのパーティをやめたんだ。その義務はないだろ」
「やめただぁ? 違うよな、あまりに仕事ができないから追放されたんだろうが」
ガーバーはこう嘲り、さらに続ける。
「だが、今日のお前を見てると魔法を使えるようになったらしいなぁ」
「ずっと草陰に隠れてついてきてたのか……?」
「ははっ、馬鹿のくせに俺様の思考を読めるたあ上等じゃねえか。そうさ。おかげで安全にここまで来られたぜ、ありがとよ雑用係さん」
「お前に感謝されるいわれはない」
「まあそういうなよ。その働きを認めて、いい話を持ってきてやったんだ。チェーロ、お前に俺様のパーティに戻ることを認めてやろう。条件は前と同じ、お前は荷物持ち。給料は8万、なんにも変わらない。どうだ、悪い話じゃないだろぉ? お前みたいなゴミを再び引き取ってやろうってんだ。
その代わり、今回のビッグトレント討伐は俺様の手柄ということにしろよ?」
目をひん剥いて、己の持論を展開するガーバー。
どうやら、かなり気が触れてしまっているらしい。
魔物にやられたのだろうか、身体中傷だらけでまだ癒えきっていない傷も散見する。
そのうえ、目の焦点定まってないし、意地汚さが表情からまるで脂のごとく滲み出ているし…って、これは元からだったわ。
ひときわ大きなため息が、俺の横手から漏らされた。
「はあ。ゴミはどっちだよ、大バカ者なんですか、あなた。バーカー、って名前に改名したほうがいいんじゃないですかー」
レベッカのものだ。
刺々しい彼女が、おもいっきり顔をのぞかせている。
「て、てめえはなんだあ? 女ァ!」
「チェーロさんの現パーティメンバーですよ。残念ながら、チェーロさんはゴミどころか、なによりも輝く宝石だったので、私からお誘いしてパーティを結成してもらったんです。あなたこそ、どこか引き取ってもらったらどうです?
もっとも、あなたみたいな意地の汚い、弱者を虐げて笑い転げるような男、ゴミ収集所以外は拾ってくれないでしょうけど」
ドのつく、きつーい言葉がガーバーに浴びせられる、
その怒気を孕んだ雰囲気は、味方であるセレーナさえ怯えさせるほどだ。ひしっと自分の身体を抱いている。
「……もういいよ、レベッカ。そこまででいい」
「チェーロさん、でも……」
「いいんだよ、もう。セレーナが怖がってる」
ガーバーになにを言ってもしょうがないのは、よく知っている。
俺がそうしてレベッカを制止したのを、曲解されたらしい。
「はははっ!! そうだよな、チェーロ! 俺たちは仲間だもんなあ? ちょっと顔がいいだけで、調子に乗ったクソ女なんかと組むパーティより、大事だよなあ? もう三年も一緒にやってきたんだ。そうだよな?」
「なにが言いたいんだ、ガーバー。それ以上、侮辱したら許さないぞ」
「いいから戻ってこいよ、俺様のパーティに。チェーロ、てめえがいなくなってからどうも俺様たちの調子がおかしいんだ。
どうやら俺様たちの栄光の道にはお前のような脇役、雑用係も必要だったらしい」
ガーバーらの不調の原因は、間違いなく俺の自動バフによるものだろう。
バフをかけていたことには自分でも気づいていなかったが、少なくとも同じパーティもメンバーとして彼らの活躍を切に祈っていた。
それが彼らのステータスをも引き上げていたらしい。
それがなくなって、ろくに力を発揮できなくなったからっ戻ってこい?
レベッカのいうとおりだ。
こいつは、大バカ者らしい。
たとえば、超好待遇を用意されたとて、俺はもう戻るつもりなどさらさらない。
「断る。俺にはもう信頼のできる、ともに戦いたいパーティメンバーがいるんだ。金輪際、お前たちに関わりたいとも思わない」
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