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22話 セレーナさんは後ろ向きすぎる



 あれから数日。

 カラスの商会、もといノワール商会には、大規模な立ち入り調査が入ったそうだ。


もともとグレーなところの多い団体だ。

ライバルの商会や取引を中止した団体などが、不自然につぶれる事件がこれまでにも発生しており、衛兵団も目をつけていたらしい。



またしても、意図せず挙げてしまったお手柄。

前は熱心にスカウトを受けたが、今度は……


「えっへん、いいことをして貰う表彰状は誇らしいですねっチェーロさん」

「だからって、なにもあんな壁に盛大に飾らなくてもいいんじゃないの」

「まあまあ記念ですよ記念! あれが増えていけば、目立たなくなりますよ」


朝食の席、リビングの壁に張り出された表彰状を見て、レベッカは目を輝かせる。



聞けば、そうそう発行されるものではなく、かなりの価値があるらしい。

持っているだけで、みなから敬愛の目を注がれ、仕事の依頼が転がり込んでくるようなレアものだとか。


もちろん、本来はそれだけじゃない。本当は、同時に報奨金を受け取れる話もあったのだけど、それには断りを入れた。



「あの、ほんまによかったん? あんな大きなお金……。うちなんかを罪に問わせないために使うやなんて……」

「いいんだよ。むしろ、入ってくると思ってなかったお金を手放すだけで、新メンバーを助けられる。こんないいことはないさ」



交換条件として、セレーナを解放してもらったのだ。


そもそも予想もしていなかった収入なので、実質無傷! 

体感コストゼロで、無事に新メンバーを迎え入れることができた。


そして彼女も俺同様、レベッカの屋敷に住むこととなっていた。


前の家は、ノワール商会に用意されたボロい宿舎を使わされていたとのことで、その商会から抜けたことにより、行く宛てをなくしていたらしい。


セレーナの歳は、俺と同じ18。仕事をしていたとはいえ貯金があるわけもなく、レベッカが受け入れたのだ。



「な、なんていい人なんや。チェーロさんにレベッカさん、ほんまにありがとう。これから頑張って恩返しする……! うち、頑張る!」


ややネガティブなところのある少女だが、俺たちの言葉に少しは前向きになってくれたらしい。


決意も新たに、目からぽろぽろ涙を流していた。


「頑張る、うん、うち、頑張る……!」


そう繰り返しつつも、何個も何個もゆで卵を口へと運ぶ。ほんのり塩味になっているだろう卵は次々に吸い込まれていった。



……どうやら大食らい、それもかなりの偏食家らしい。






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