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10話 街で威張っている衛兵のステータスが俺よりかなり低いんだが……?



引き続きよろしくお願いします♪

最終的な大目標は、ギルドの立ち上げ。


だが、まだパーティを組んだばかり、それも二人きりではそんな夢を見る以前の状態だった。



「で。さっそく街でメンバー探しってなったのはいいけど、なかなか見つからないもんだな」

「まあ、こうなるとは思ってましたよ。優秀な冒険者は、すでに優秀なパーティに入ってますからね」


しょぼんと肩を落とすレベッカ。


そう、さっきから街一番の大通りで、メンバー募集活動をしているのだが、見向きもされていなかった。



普通、彼女の身分があれば食いついてくる者もいそうなものだが……。


金や地位に目がくらんで仲間になろうとする連中を避けるため、レベッカは自らの身分を可能な限り秘密にしているらしい。


なるほど、彼女が外ではフード姿で顔を隠していた理由がこれでうなずけた。



「どのギルドに入ろうにも、入会試験を受けるには3人以上のメンバーが必要って話です。でも、メンバーを集めるためには実績が必要で、その実績はギルドに所属してクエストを受けないことには達成できない……」

「実績を得るためには実績がなくちゃダメ、ってことか」



うーん、なんとも世知辛い。

ギルドに所属できないだけまさかでここまでの弊害があろうとは……。



「うーん。屋敷に戻って方法を考え直すしかなさそうかな」

「……そうですね」


失意の中、引き返そうとした俺たちが川を渡す橋を通りかかったときだ。



「おらおらおら、どけや愚民ども!!」


とても穏やかには聞いていられない叫び声が耳をつんざいた。


「我らマーレ衛兵団のお通りじゃ!! 道を開けろ、愚民ども。とっとと道端にひれ伏すことだな!!」


高々と笑いながら、尊大な態度で、大通りの真ん中を行くのは青い制服に身を包んだ6人組だ。


「…………げ。面倒くさいのが来たな」

「あ、チェーロさんも嫌いですか? 同感です、それ」


この街は、国でも有数の権力者であるスカッピア辺境伯の治める地。その領土の安全を任されている存在こそ、彼ら衛兵団だ。


その入団条件はかなり厳しく、冒険者として一定以上の成績を残したものしか入れないという、超エリート集団で、その実力は皆が一流。


けれど、一部の人間に関して言えば、心根は三流だ。


「われらの命令は、辺境伯様の命令に同じよ。愚民どもが俺たちの命令に従う光景ときたら何度見ても最高の光景だぜ。魔法の才に恵まれなかったことでも恨むんだな!」


厄介なのは、権力に守られていること。



彼らがどれだけ傍若無人にふるまおうが、逆らえるものはいない。

団員はみな、なにがしかの武器を所持しており、平気で一般人に向けることもあるためだ。


いわば無言の暴力である。

領民を守るという大義名分とはほど遠い存在だった。


「あん、誰だあ? こんなところにリンゴを落としたのは? 俺たちマーレ衛兵団の道を不当にふさいだ罪は重いぞ!!」


その怒りは些細なことで火が付く。


犯人捜しがはじまるが、名乗り出るものがいるわけもなく、さらにヒートアップ。


「ふざけんなよ、愚民ども? こうなったら、無理にでも聞き出すほかなさそうやなぁ」


怒声が張り上げられる。

一人の衛兵が槍を構え、通行人の女性に向けんとしたその時だ。


俺は間合いを詰めると、その槍を短剣でもって弾き飛ばした。

なかば反射的な行動だった。


早まった行動を言われれば、その通りだろう。


俺はつい先日まで魔法も使えなかった底辺で、向こうはエリート集団。


けれど、無実の弱きものを手にかけようとするその卑劣さに、ひとたびにして、怒りが沸き返ったのだ。


「ああん、てめえ? なんだあ? 雑魚そうな恰好してんなぁ、おい。俺たちが誰だか分かっての行動かあ? 横入りたあ卑怯なことしてくれるじゃねえかよ」

「まったく命知らずなクソガキだぜ」


衛兵らの怒りが一気に俺へとむく。

すぐ横にいたレベッカにも、その敵意は向けられていた。


「……ごめんな、レベッカ。巻きこんで。つい、やってしまった」

「ふふっ、謝らないでくださいな。むしろ男らしかったくらいですよ、チェーロさん。うっかり惚れそうでした。もう惚れてすらいますよ」


「……冗談言ってる場合じゃないぞ」

「そうみたいですね」



そう、敵はあの優秀で市民に畏怖すらされる強い強い衛兵団。


きっとステータスもけた違いに高いに違いない。

ためしに一人を鑑定してみると……


『魔法属性:火


体力 800/800

魔力 700/1000

 威力 520

俊敏 550

耐久 500

命中率 75/100


その他特殊スキル なし』



ん、ん……? 

これがAランクパーティ相当とされる衛兵がこのステータス?


見間違いかと思って、今度は自分のステータスを再確認。


『魔法属性:空

 

体力 2300/2300

魔力 2480/2500

 威力 3050

俊敏 1550

耐久 1150

命中率 95/100


その他特殊効スキル 全自動バフ(祈りにより発動 効果上限∞)、能力鑑定』


見間違いじゃなかった。

どうやら数字では、かなり上をいくことができているらしい。



……というか、数値がかなり伸びているが、どうしたころか。


疑問に思ってから気づいた。

この『威力』の伸びよう。明らかにレベッカのステータス値が俺に足されないか!?



バフをかけた対象の『特殊効果』をコピーできるのは知っていた。

だが、ステータスまで同様に得られるらしい。



外れどころか、ぶっ壊れスキルじゃねえか!




お読みいただき、ありがとうございます。

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