部屋の中を探索
7話です。
私は知っている、この場所を。
確かに交通手段も町の雰囲気も2019年とは全然違う。
しかし、この学校の敷地や校舎を私は知っている。
通っていたところだ。
100年前から既にあった学校が今も敷地が狭くなったりせずにそのまま残っている。
名前、変わったのかな?第参高校って。
もしかして……他の学校も変わっているのか?
あまり具体的な調べ方が分からないからマップに「高校」とだけ入力して検索してみる。
やはりだ。全て学校名が変わっていて通し番号になっている。
この流れだと地域区分とかも全て通しになっていたりするのかも。
それはそれで分りやすい?まぁ、全国共通規格なら確かに理解しやすいかな。
とりあえず高校の事に関しては後でしっかり考えることにしよう。高校は行ってみたらなんとかなるかもしれない。
そう思ってふと机の横の本棚に目を向けた。
へー、結構本を読む人なんだなー。なんて思いながら。
私も結構読む。基本的にライトノベルしか読まなかったけど。ライトノベルの中でも特に好きなのがあった。
それだけは図書館で借りて読んだのに、そのあとわざわざ本屋で買ったんだよなー。
……………………、ん!?
…………、あ!!
……。
あった。この本棚に。
私の好きなライトノベル「学園バカ」。
しかも全巻。
特装版込みで。
100年前の本が……ここにある。
状態は悪くない。
てか100年前のこの本どうやって入手したんだろ?
1巻に手を伸ばし、1番後ろのページを開く。
…………初版だ。
この時代に初版を手に入れるのは相当だと思うんだけど……?
ちなみに学園バカの話は簡単に説明すると
「学園1のバカと呼ばれる男子高校生が一般人と違った常識を持ち合わせたクラスメイトと一緒にバカをやる」
といった単純な話。
話自体は単純なんだけど一般人の常識とかけ離れた会話が凄く面白い。
よし、休憩終わり。もう少し家の探索をしよう。
結局1巻を手にとってから最後まで読んでしまった。
2時間位たったかな?そう思って時間を確認しようとして……気付いた。
この部屋に時計がない。
どうしよう。これでは時間が分からない。
せめて腕時計でもあると嬉しい。
一応今も腕時計みたいなものは着けているんだけどな………。
ホロデバイスに目を向けても見えるのは時計の文字盤では無い。
……あ!?そう言うことか!
ホロデバイスを立ち上げて時計の項目を探す。
タップすると、スケジュールの時と同じ様に壁に写し出された。
なるほど。この時代は全てにおいてホログラフィックが作り出しているのか。
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
はい。未結那はライトノベルの中でも学園バカが好きなようです。勿論、学園バカは元ネタがあります。本家の方は冗談抜きで本当に面白いです。