100年の技術差
2話です。
少しずつ進んで行きます。
「質問良い?」
「どーぞー?」
私はすかさずホロディスプレイを指差して
「これ、なに!?」
聞いてみた。そして、
「え!?……いや、ホロデバイスから出した生徒手帳だけど?」
うん。反応からして恐らく皆使っているのだろう。2019年で言うスマホみたいなものか?聞いてみるか。……あ、スマホ自体知っているのか?そんな訳でポケットからスマホだしテーブルの真ん中に置く。
「これ、知ってる?」
「え?……いや、……あ、」
実はさっきから何となく気付いていたのだが、2019年では無いような気がしている。しかも相当未来の事だと思う。というのも技術が進みすぎている。ホログラフィックを一般人が普通に扱うなどと誰が思ったか。未来に来たなどと常識とかけ離れたことを信じたくはないが……。
「スマ……スマートフォン!」
と、思ったが莉奈もスマホを知ってたのだから
2019ね……
「おじいちゃんの家で見たことある気がする。」
……では無いのか、……やはり。
それでも確証が無い以上2019年ではないと決めつけるのはよくない。……よくない……が……
さっき町のなかを歩いて思った。まず店の看板が全て実体の無いホログラフィックだった。最初見た時は凄く薄い看板だと思ったけど見ていると度々ノイズが走っていた。
2019年よりも未来だということを裏付ける要素が多すぎる。
「でも何でそんなものを?……えっと……?」
あ、自己紹介がまだだった。
「蓮田 未結那、高校1年生。」
「未結那、か。よろしく。」
「こちらこそ、でさ。」
まさかさっき何でそんなものを、と返されるとは思っていなかった。2019年よりも後の未来説がどんどん濃厚になっていくじゃないか。
「皆この、スマートフォン、使ってないの?」
「そんな古くて使いにくいものわざわざ使わないよ。」
はい、今言ったースマホ古いって言ったー未来確定ー。
とは言っても何年後なのか。さっきおじいちゃんの家にあったって言ってたから。……そうか、聞けば良い。
「ところで今って西暦何年だっけ?」
自然な会話を装って聞いてみる。過去から来ました!とか言ったら明らかに頭のネジが逝った奴だ。
横断歩道の真ん中に居たことには目をつむろう。
「今は……確か2119年だよ。」
成る程、100年後か。うん。そうか。……なんでだ!?
そんなことを思いつつも平然を装う。やはり横断歩道の真ん中にいたやつが100年前から来ましたとかいったらねぇ。絶対おかしい奴だと思われる。
「そっかー。2119年だったかー。」
この対応おかしく……ないよね?
さて、どーしよう。100年後、2119年の世界に来てしまった?らしいけど、どうするかな。これから。
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