表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
格物究理
95/371

門衛にも敬礼をすると、ベネディクトの部下達は軍営の外へと出た。


「ふう…。」


それと同時に、最後尾の若い隊員が大きく息を吐いた。


「緊張したか?」


先頭を歩いているクラウスと言う名の白髪交じりの頭髪の将官が、隊員の方を振り返り碧玉色の瞳を向けた。


「はい、それはもう。まだ膝が震えています。」


わななく体を鎮めようと、彼はもう一度深く呼吸をした。


「それにしても何故、将軍は恩賜の品を開封もせず納めてしまったのでしょうね。」


もう一人の隊員がクラウスに話し掛ける。


「うむ…。我々の了見が及ぶ様な事情ではあるまい。」


「受け取りたくなかったのでしょうか。」


「そうかもしれんな。」


「やはり、恨んでおいでなのでしょうか。」


「…口を慎め。」


「キャンベルに滅ぼされた一族の末裔として━━…、」


「口を慎めと言っているだろう!」


クラウスは声を荒げ、怒鳴り付けた。


「も、申し訳ありません!」


隊員はあまりにも軽率な言葉だったと、自責の念に駆られた。




無言のクラウスは眉間に皺を寄せ、碧玉色の瞳でじっと彼を睨み付けている。


隊員は強張った表情で訓告を待った。


しかし、苦悶に満ちた表情のクラウスからは隊員が予想もしていなかった言葉が紡がれた。


「あの御方は復讐などお考えになられる性分ではない。とても思慮深く、慈悲深い御方なのだ。」


低く響く声でクラウスはそう語り、悲し気に目を伏せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ