表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
意気昂然
76/371

ドラクールは歩きながら綿布を取り出し、鼻と口を覆い隠した。


身元が露見するのを危惧してというより、漂う悪臭に耐え難かったからだ。


地面はぐちゃぐちゃにぬかるんでおり、円滑な歩行は困難だった。注意深く進んだ先に、蹲っている少女がいた。




「水が欲しいのだが。」


彼の声に少女はゆっくりと顔を上げた。


その、痩せこけた身体と虚ろな表情。


一目で、尋常ではない彼女の生活が理解出来た。


「水…?そんなものよりアタシを買ってよ。」


「そんなものと言われても、必要なのは水なんだ。」


「アタシは金が欲しいんだよ。何でもするから。」


会話が全く成り立たない。


ドラクールはカーミラの一言を思い出す。


「ならば、水を売ってくれ。」


「いいよ。」


立ち上がった少女の瞳が、僅かに光った気がした。




「何するんだい?」


「何がだ。」


「水だよ。飲むのかい?」


「そうだ。」


飲用以外に何をするのかと、逆に聞きたくなる。


「じゃあこっちに来な。」


ドラクールは不審に感じながらも少女の後に続いた。




案内されたのは簡素な井戸。


「ほら。」


手渡した水筒に入れられた水は本当に飲めるのかと、彼は訝しげに覗き込んでいた。


目の前の少女はガブガブとそれを飲んでいるので、問題はなさそうだ。


水筒に蓋をして金を払おうとした時、


「そこのお前!何をしている!?」


何処からか大人数の男達が集まり、ドラクールと少女は瞬時に囲まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ