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黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
生殺与奪
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「それが、間違いなく俺だと?」


内心、ドラクールは非常に面倒になっていた。


だがこの”化かし合い”、先に疲労した方の敗北だと彼は知っている。




「他に黒髪の男などいない。」


それは何度も何回も繰り返し執拗に聞かされていた為、分かりきっていた。


事実、街に出ても自身と同じ髪色の者には一度も遭遇した事がない。


「隣にいるじゃねェか。」


ドラクールは顎で犬を指した。




王座より離れて扉付近で頭を垂れて跪いていたルーヴィンは、不謹慎にも込み上げて来た笑いを堪える。


━━そりゃ雌だぞ。




しかし次の瞬間、鈍い音が空間に響いた。


余りの大きな音にルーヴィンは反射的に顔を上げ、何かを考える余裕などなく走り寄った。


自由にならない体を強烈に蹴り上げられた為、呻きながら床に這い蹲るドラクールの元へ。


「去ね。」


ルーヴィンの手がドラクールに触れるか触れないかの瞬間、フェンヴェルグは冷たさを象徴する色である碧を彼に向けた。


選択肢は引き下がる以外にある筈もなく、ルーヴィンは再び扉の近くへと戻って行った。







「貴様になど、何もないのだぞ。」




価値。


権利。


理由。


意味。




その全てが、彼には無い。







「生まれ持ったその能力を、除いてはな。」


何事もなかったかの様に、王座から見下すフェンヴェルグ。


苦痛に悶え耐えながらも、憎悪の念に駆られるドラクール。


「少々は我に感謝しても良かろう。それとも、あのまま野垂れ死ぬ事を望んでいたか?」


高らかに笑うフェンヴェルグに対し、これまでと違う感情がドラクールの中に芽吹いた。




その名は、殺意。

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