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黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
永久不変
28/371

~permanent invariance~

「珍しいわね?君から私を呼ぶなんて。」


燃える様な深紅の髪のその女は、無遠慮にドラクールのベッドに忍び込んで来た。


「…呼んでない。」


不機嫌そうに背を向けたままのドラクールに対し、彼女はふっと苦笑を漏らす。


布越しのその温もりに、彼は酷く安堵してしまう。




━━いつもそうなんだ、どうして。




無償に泣きたくなる。


ささくれ立っている心が静まり、落ち着いて。


彼は声を上げて、泣きたくなるのだ。







「カーミラ。」


ドラクールは体を起こし、女の名を呼ぶ。


「あんたは一体、何者なんだ?」


質問の意味が飲み込めず、カーミラは惚けた表情を見せる。




一瞬だけの、刹那。


月を連想させる金色の瞳が、悲しみに揺らいだ。




「私?私は何者でもないわ。君のものよ。」


彼女は猫の様に膝に擦り寄り、下からドラクールをじっと見上げている。


「君が必要としてる限り、私は君の許へ必ず来ます。」


そして柔らかく彼を抱き締めた。


「大丈夫よ、私はいつでも君と共にある。安心なさい。」


ぽんぽん、と、まるで幼子をあやすみたいに背中を軽く叩く。




「何も不安なんか、感じていない。」


カーミラの言葉にささやかな反抗をし、それでもドラクールは静かに目を閉じた。




━━そうか。多分、こんな感じなのだろう。




母親の胎内で眠る赤子の様な安らかな感情に包まれ、彼は意識を手放した。

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