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黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
盤根錯節
27/371

ドラクールは人の波に乗り、街の中心の広場へと到着した。


否応無しに軟禁生活を送っている彼にとって、真っ昼間に街を出歩く経験は初めての事だった。


しかし幸いにも、高鳴る鼓動は騒音に消され、まごつく視線は雑踏に紛れた。


誰一人として、彼の持つ闇色の髪や瞳に興味を示す人間は、居なかった。整った薄い唇から、微かに安堵の溜息が漏れる。




宮殿からは拍子抜けする程に簡単に抜け出せ、このまま何処へでも行けてしまいそうな気にさせられた。


尤も、今日は特別に警備が手薄な状態だった。侵入者には普段通り厳しいが、退出者にまで構う余裕などないのが現状だ。







━━陽が、強い。


晴れ渡る天に少し辟易しながら、無機質な断首台に視線を向ける。


其処をぐるりと取り囲む警備兵。


そして断首台の向こう。更に厳重に警護されている、数人。







国王 フェンヴェルグ・キャンベル。


国師 ルーヴィン・クロイツァー。




そして、


今にも倒れそうな程、血の気を失った顔色の


少女。










━━ああ、やはり。あの日、俺の元に迷い込んで来たのは…。










一人の侘しい風体の男が引っ張られて来ると同時に、民衆は喚声を上げた。


僅かに遅れて来たベネディクトが、罪状を読み上げる。




耳を劈く様な喧騒。

夥しい愚かな群衆。


人々の視線は一点集中、咎人に向けられていた。







ドラクールだけは群盲に反し、違う人物に終始その視線を注いでいた。




断首台の刄が下りる瞬間も、


生首が地面に転がろうとも、


辺りが血に染められ様とも、




彼は亜麻色の髪の儚い少女を、鋭い双眼で貫いた。

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