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黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
盤根錯節
26/371

「しかし異様に早いな、捕捉から処刑まで。昨日の今日だろ?」


ドラクールは黒パンに手を伸ばし、噛り付く。


「有力な目撃証言でもあったのか?」


彼は直後に口内に牛乳を流し込んだ。柔らかく解されたそれは、殆ど咀嚼をしなくとも喉を通過して行った。




「言っただろう。事件解決のエキスパートがいる、と。」


ルーヴィンは、ドラクールとは決して視線を合わせずにいる。何処か居心地が悪そうだ。




━━分かり易いな。何かを隠してる。


ドラクールは再び黒パンを口に運びながら、ルーヴィンの横顔を凝視していた。










髪をきつく束ねて纏め、顔を見られぬ様に目深に帽子を被るとドラクールは外出の支度を整えた。


━━面白そうだ。


彼を衝き動かしたその理由は単純に、好奇心。


ルーヴィンが隠してるであろう何かを明かしたかった。


ただ、それだけの理由。







彼はこれから、故意に回避していた出来事の続きに遭遇する。


此れ程までに皮肉な事はないだろう。




自身の未来サキは、知る術がない。






そう。


彼は、予見者。







ウラナいなど、彼にとっては児戯も同然である。


生来の能力を疎む事も拒む事も、また好く事も誇る事もなく。


平静に受容し、認知し、共存し、あるがままを安逸に受け入れていた。


真実の彼は穏やかな思想の持ち主なのだが、それを知る者は誰一人としていない。

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