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あれから幾日かが過ぎ、これまで雨は降っていない。
ドラクールは毎夜、月と語っていた。それはそれで楽しい過ごし方なものだ。
━━いやに騒がしいな。
昼寝をしていたドラクールは、風に乗って来た喧騒によって目を覚ました。
別に好きで眠っていた訳ではない。暇を持て余していただけである。
だから起こされても不機嫌になる事もなかった。
「遅くなったな。」
またしてもルーヴィンが昼食を用意して来た。
「怠惰なものだ。寝てたのか?」
これは多分ベネディクトでも同じ言葉を言っただろうから、気にはならない。
しかし何気なくルーヴィンに目を向けたドラクールは、一瞬言葉を失った。
「あんた。何だ、その格好。」
寝呆けていた頭は一気に冴え、あの群衆の大声の訳も理解した。
「公務なんでね。」
ルーヴィンは普段、法衣を着崩している。
他ではどうかドラクールには知る術はないが、少なくとも彼の前に現れる時はいつも気楽に胸元をはだけさせていたりした。
そのルーヴィンの、正装姿。
真っ直ぐな金髪は綺麗に切り揃えて整えられている。
そして見てるだけで首が締まりそうな詰襟に、直線の折り目が付いたスラックス。
何れも色は純白で染み一つなく、僅かな光にも反射して輝いていた。
それに対していつも、目が眩む様な不快感をドラクールは感じる。
「処刑か?」
その言葉にルーヴィンは静かに頷いた。




