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黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
感慨無量
22/371

「確かにお前さんの言う通り、多くの血が流れた。」


抗った者達、そしてそれを抑えた者達も。


「ワシは運良く生き長らえたがな。仮に戦死したとしても後悔はなかっただろう。」


穏やかに語る翁の心情は、ドラクールには理解出来ない。


「何故だ。あんたは何故、戦った?」







「後世に残す為だ。和平を。」







深く刻まれた額の皺から覗く強い眼差し。


其処には一片の偽りもないと、簡単に汲み取れる。


「第三者の為に戦ったのか?」


訝しげなドラクールと、それとは対照的な翁。


「そうだ。」







━━そんなもの糞食らえだ。


しかし些か、口には出すのは躊躇われた。


翁の左足首から先には何も無いのを目にした、今では。







「若いの。」


ドラクールは慌てて視線を翁の足元から外した。


「いつかはお前さんにも機会が訪れる。」


「第三者の為に戦う機会がか?」


彼は自嘲気味に口角を上げた。翁はそれを見て首を横に振る。


「『何か』を守りたいと思う機会に、だ。」







翁が立ち去った後に強くなった、雨足の中。


ドラクールは未だ一人、其処に佇んでいた。

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