表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
悲哀感染
17/371

「国師様…っ!!」


ベッドから飛び出したウィトネスは、遠慮なくルーヴィンの胸に飛び込んだ。


「遅くなり、申し訳ない。」


彼は当然の様にそれを受け入れ、優しく、けれど力強く抱き締めた。




「辛かったな。大丈夫、もう大丈夫だ。」




涙でぐしゃぐしゃに濡れたウィトネスの頬を、さも愛おしそうに撫でるルーヴィン。







「今、楽にしてやる。忘れさせてやるから。」


静かに囁く彼とは対照的に、彼女は強く言葉を紡ぐ。


「ちが、違うんです…!そうじゃ、ないの…。」


ルーヴィンは首を傾げ、訝しげな表情を作る。


「何が違うんです?抗わない方が良い。」


「止めて。今日は、止めて。」


ウィトネスは尚も泣きじゃくっている。







━━ああ。やはり、逆らえないのかもしれない。抗おうとしているのは、寧ろ…私の方だ。




ルーヴィンはウィトネスに見られまいと彼女の柔らかい亜麻色の髪に顔を埋め、悲しみに目を閉じた。







しばらくそのままでいたが、ウィトネスの涙は止まる気配がない。




「記憶を消さないで。お願い、国師様。」


「それは出来ない。違約だ。」


「国師様!お願いします、お願い…。」


語尾は嗚咽に掻き消されてしまった。




「何をそんなに、忘れたくないのです?」


そう問いかけるルーヴィンは、返答は既に予想していた。




「分かりません。分からないけれど、忘れてはならないと心が訴えているのです。」







━━天命を変える手立てがもしもあるのならば、私は何にでもなってやる。


ルーヴィンの心に密か闇が芽吹いたのは、この瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ