Stage1:同好会設立への第一歩
自転車競技同好会を作ろうと目論む自転車好きの高校生、今川祐太とその友人、石井龍夫。ついに、高校ロード界を揺るがすことになる2人が動き出す!
「はぁぁぁぁ!?自転車同好会だってぇ?」
石井は大声を張り上げて叫んだ。
「ああ。陸上部を辞めたのは、そのためだ。」
「作る気マンマンだな…」
水明高校では、5人会員を集めれば同好会が作れる。明日は入学式。それから1週間は仮入部期間。それを利用して、新入生を3人以上集めようという魂胆だった。しかし石井も反論する。
「あのなぁ、そんなに上手く行くわけねーだろ。第一、日本におけるロードの競技人口の少なさはお前もわかってるだろ?」
「ああ。俺には秘策がある。まぁ見てなって。」
「…まぁいい。お前に任せた。」
「おう」
そして、始業式はあっという間に終わり、HRも終わった。そして今川と石井は、職員室へと足を運んだ。
「失礼しまぁす。2年A組の今川です。」
「同じく石井です。」
そして、二人はとある先生に話しかけた。
「あの、あさっての新入生オリエンテーションについてなんですけど。」
「何だね」
「部活紹介の時間がありましたよね。その時間に、僕たちが作ろうと思っている自転車競技同好会の時間、割けますか。」
「えええ!?自転車競技同好会を作るぅ?」
先生は大声を出して驚いた。流石に今川も、ここまで驚かれるとは思っても見なかった。
「今川、もしかして陸上部を辞めたのも…」
「はい。同好会を作るためです。」
「…他の部との兼ね合いもあるから、少し待っててくれないか?」
「はい。では。」
そうして、二人は職員室を出た。
一時間後
『2年A組の今川さんと石井さん、至急職員室へ来てください』
「おっ、来たか」
二人は職員室へ向かった。先生が待っていた。
「今川、他の部の顧問と話し合ったら、3分間だけ時間が取れた。その時間をやりくりしてくれ。」
「ありがとうございます。」
「なぁ今川、なんかすんなりと話が進みすぎじゃないのか?」
「いいじゃねぇか。これで部員をあと3人勧誘できればそれでよし。あさってのオリエンテーションは明日考えよう。」
「おう。じゃあな。」
こうして、二人は自転車競技同好会設立への第一歩を踏み出したのだった。
その夜
ペダルが…動かねぇ…クソッ…あと少しだ…踏ん張れ!
「お前、高校生か?」
誰かが話しかけてくる。
「ああ…お前っ…は?」
話しかけてきた相手は、このきつい坂でもだいぶ楽そうだ。
「俺の名前は…」
…ハッ。また同じ夢だ。そう思い、今川はこう呟いた。
「奈良県立翔邦高校の山口…か。」
レグルスです。
やっと本格的に始動した二人。
これから、あと3人をなんとかして勧誘しなければなりません。どんな感じにするか早く考えないと・・・