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Stage9:存在感

ついにツインリンクもてぎでのレースがスタートした。先頭集団にしっかりとついていく高校生グループ。そんな中、このレースを見に来ている3人の男がいた。

6時間部門に参加する383人の大集団が動き出した。


「いい位置…取った!ここからなら、プロの奴等にも着いていきやすいだろ。」

石井が今川にそういう。今川は、

「どうやら、他の高校も同じ事を考えているようだな。」

自分たち3人から見える位置に、咲山の芝田らや、、江川の尾田らがいる。

「プロの奴等についていかなくちゃ、芝田や尾田とは戦えないな、おそらく。」

土谷もそう言った。

「よし!何としても集団から抜け落ちるんじゃないぞ!」

今川は喝を入れた。


6時間部門のスタートから3分後。

4時間部門がスタートしようとしていた。

「なぁ根本、ちゃんと完走できるかな。」

「できるさ。そう信じるしかないだろ。」

「ああ。」

そんな会話を2人は交わしていた。

そして、今日2回目の轟砲が鳴った。


そのころ、6時間部門の先頭集団は早くも絞り込まれ、30人程度になっていた。

「ほう…今年は高校生が結構いるじゃねぇか。」

招待選手の坂野が里内に話しかけた。

「ま、どこまでついてこれるかな。最後までついてこれたら、大したもんだ。」


〜レグルスのわかりやすいロードレース講座〜


違うチームの選手が気軽に話しているのを見て、不思議に思った人も多いんじゃないかな?

ロードレースでは、たとえ違うチーム同士でも協力して集団を引っ張ったり、逃げを決めようとしたりすることがあるんだ。

よい子のみんな、わかったかな?


〜おわり〜


「調整目的とはいえ、手を抜く気はないぜ、俺は。」

と、武田も言った。


「時速40km…平地としては結構出てるんじゃないか、今川。」

「いや、プロにとっちゃ、まだ平地としては序の口だろう。石井。」

実際、プロのロードレースでは平地で時速40、50kmはざらである。もちろん、高校生にとっては、決して楽なスピードではない。

「今川、坂が見えてきたぞ。」

土谷が今川に伝えた。土谷の顔は、意外だなといった感じだった。

F1などのサーキットは、一般の人が思っているよりもアップダウンがある。これは足に応えるコースだということを意味しているのだ。


「今川祐太…か。」

芝田が、そばを走っている同級生の高井に言った。

「知ってるのか?芝田。」

「知ってるも何も、あいつは去年のジャパンカップで強烈な存在感を見せ付けたんだよ…」

高井は去年のジャパンカップは参加していなかったので知らないようだ。

「何があったんだよ、芝田。」


こういった田舎の、しかもサーキットで行われるロードレースへ足を運ぶ観客は、あまりいないものだ。だが、そんな少ない観客の中に、学校のものと思われるジャージを着ている男が2人、そしてスーツを着た中年の男が1人いた。そして、真ん中にいる男が口を開いた。


「へぇ、また強くなってるな、今川。」

レグルスです。

ついにライバル登場!ということで、少しずつ物語の主要メンバーがそろいつつあります。

今回咲山学院の一人として登場した高井という選手、実は執筆中に思いつきました。…なんか思い入れが出来ちゃいました。

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