第134話:《登場人物と用語のおさらい》
《登場人物と用語のおさらい》
――――◇――――ウルドの村の住人――――◇――――
【ヤマト】本名:楠 山人
現代日本から異世界に転移してきた普通の青年。
黒目黒髪の独特の風貌で、不愛想な物言い。例え相手が貴族であっても口調と態度が変わらない。
人付き合いはあまり得意ではなく、特に子どもの相手は苦手。手先は器用だが人間関係に(特に恋愛感情)ついては、いろいろと鈍感で不器用。営業スマイルも苦手。
世話になった村の平和を取り戻すために行動を起こす。霊獣大戦を蔭で終結をさせて、大陸を救った立役者。
【リーシャ】
ウルドの村の村長の孫娘。
美しい顔立ちの少女で、年老いた祖父の代わりに村長代理としてヤマトと共に村の再興に奮起する。
優れた狩人であり指揮能力も向上してきた。ヤマトと親しくする女性を気に掛ける。
霊獣大戦の時は、妹である聖女マリアの代わりに囚われの身になる。実は古代の超帝国の遺跡を起動させる鍵であったが、今のその力は失われている。
【皇女シルドリア】
ヒザン帝国の皇女で正式にはシルドリア・ヒザン。皇子のロキの実妹である正当なヒザン帝国の皇族の一人。だが本人には自覚が薄く、自由気ままに天真爛漫に暮らしている。
生まれながらに天賦の才を持ち、幼いながらも剣の才能だけなら帝国軍でも屈指。自分より賢く強い男性に惹かれる性格で、ヤマトに興味を持ち、ウルド村に居候している。
【ガトン】
ウルドの村の辺境に住む山穴族の老鍛冶師。
頑固者で口が悪い職人肌な老人。鍛冶師としての腕は確かで、ヤマトの汚い図面を瞬時で理解して速攻で製作する能力を持つ。どんなに大金を積まれても気に入らない依頼は決して受けない。乗り物にめっぽう弱い。
実は大陸でも三人しかいない“鍛冶師匠”の称号をもった凄い匠。大陸各地の街に山穴族の仲間がいる。
ヤマトに毒舌をはきながらも、その奇想天外な設計図に挑戦するのを楽しみにしている。
【クラン】
ハン族の美しい少女で歴代族長の直系。
生き残ったハン族の子供で結成した弓騎兵を束ねる身分にある。特に優れた騎乗の弓の才能を持ち負けず嫌い。村ではヤマトのために偵察や運搬など、ハン馬を最大限に生かしている。ウルド荷馬車隊には常に同行している。
【その他の村の子どもたち】
元気な村の子どもたち。普通の民族よりも身体能力と戦闘能力に優れている。
【村の大人たち】
帰還した大人たち。元の身体能力は高いので、留守も安心して任せておける。
――――◇――――オルンの街の住人――――◇――――
【イシス】
大陸の中央にある貿易都市オルンの街の太守代理の少女。
親しみのある美しい顔立ちの少女で、少し天然な性格な部分もある。だが真っ直ぐで行動力がある姿に市民からの信頼も厚い。ウルド村のリーシャよりも少しだけ年上で、女性としての身体つきも豊かである。
ヤマトと共に試練を乗り越えることにより、太守代理として大きく成長している。特殊な能力はないが、優れた外交能力で各国との絆を深めていく。
【リーンハルト】
オルン街の近衛騎士の青年。
イシスの専属の護衛騎士と補佐も兼ねており、常に付添い手助けをしている。中原でも最強の騎士称号《十剣》のうちの一人で、剣の腕はかなりのもの。性格的に真っ直ぐすぎるために調略等に弱かったが、ヤマトと出会ってから図太く成長した。
イシスを慕うためにヤマトをライバル視していたが、今は仲間として認めている。
――――◇――――ロマヌス神聖王国――――◇――――
大陸の西にある大国。豊かな土地に恵まれており、その国力は大陸でも最大である。首都は聖都。
【聖女マリア】
ロマヌス教団の象徴の少女。
天神ロマヌスの声を聞くことができ、国王よりも影響力がある。普段は聖都の大聖堂の一角にある聖塔の“祈りの間”に籠っており、誰とも直接顔を合わせることはなかった。
聖塔を触媒とすることで様々な術や奇跡を使えるが、その代償として大聖堂から出られない呪縛が掛けられていた。
実はリーシャの行き別れの双子の妹であり、外見や声をそっくり。姉リーシャを救い出すためヤマトに協力する。
霊獣大戦以降は呪縛も解けて、聖都の市民とも交流を深める聖女として頑張っている。
【ラック】
オルンに住んでいた自称遊びの青年。
軽薄な口調でいつも暇そうにオルンの街をぶらぶらしている。初対面の人物に対して警戒心をもたせない特技をもち、すぐに誰とでも仲良くなれる。情報通で行動力もある。
戦闘能力は皆無であるが身体能力は高く、目利き能力や知識も豊富。なぜか憎めない存在である。
その正体は大商家マルネン家の跡継ぎの一人。
霊獣大戦以降は聖都にある、実家マルネンに戻っていた。父親マルネンの手伝いをしながら、家業を勉強中。
【マルネン=ガネシャ】
大陸最大の大商家であるガネシャ家の大当主。大陸各地に支店があり、その権力はロマヌス国王や教皇と同等に近い。自分に逆らう者を許さない厳しさをもち、裏の暗殺集団を執事として無数に抱えている。
才能あふれる実息子ラックには厳しくも当たりつつ、その身を案じていた。ヤマトの言葉に心を動かされ、彼を支援した。
霊獣大戦以降は復興特需で、大陸中の復興の支援を手伝っている。
――――◇――――用語――――◇――――
《山穴族》
“鉄と火の神”に愛された小柄で横幅のある種族。手先が器用で鍛冶師や職人、鉱山師の優れた才能を持つ。頑固でウソをつかず曲がったことが嫌いな性格。
【人種管理者】
霊獣大戦を引き起こした、霊獣を召喚して使役できる謎の少年。人を下等種として見下して、霊獣のエサとしてしか見ていない。古代超帝国時代の不思議な術をいくつも操る。
その正体は超帝国人であり、人の身に転生していた。その目的は超帝国の復活であり大陸の支配を目論む。
“黒き魔人”の力のヤマトに倒され、消滅した。
【“黒き魔人”】
千年以上前に栄えていた古代超帝国を打倒した戦士。大陸では珍しい黒目黒髪の青年で、曲刀を振るい黒い甲冑を身につけていたという。
圧倒的な戦闘力を誇り、超帝国の召喚士が使役するあらゆる霊獣を打ち倒す。また超帝国の術も一切効かず、その効果は周りの仲間へも付与されていた。
その正体はヤマトのご先祖様である楠 兵右衛門。戦国時代に生きていた兵右衛門も、ヤマトと同じように異世界に召喚されていた。
霊獣大戦の時にヤマトは兵右衛門の力を借りて、“黒き魔人”化して敵を倒した。その後、力は完璧に失われている。