神様の日記帳
友人MとKに捧ぐ
「きょうはなにしてあそぼっか?」
4,5才ぐらいの黄色髪の幼女。上半身と同じくらいで自分の腰周りより太い尻尾が特徴の、栗鼠族の彼女は足元にそう声をかけた。
「がぅがぅ」
<あそぼあそぼ>と言わんばかりで返事をする白黒の縞模様のある四足の子虎。産まれて半年ぐらいの子虎は<はやくはやく>と幼女を急かしている。
1人と一匹は今日の予定を立てるべく相談していた。目の前には幼女の住んでいる家があり、その近くには彼女の母親が洗濯物を干していた。まだ幼さが残る顔つきを見ると20代前半だろうか。
「お昼ごはんには帰ってくるのよ」
「はーい」「がぅ」
母親からの呼びかけに元気よく返事をし、走っていく1人と一匹。
「ふふ」と穏やかな笑みをうかべ洗濯物干しの続きをしだした母親。頭の中では昼のメニューを考え始めていた。
○
彼女たちが住むのは森の中にある樹齢数百年の大木。大木の中身を取り出し、また加工し使用している。作ったのは未だに起きてこない彼女たちの主人である。見た目20代という彼だが、30歳を迎えて数年はたっている。だらしのない寝顔をしているので都合のいい夢をみているのかもしれない。
紹介が遅れたが私はこの世界の神、名はポヌー。あることがきっかけで彼と彼女たちを覗き見することが最近の私の趣味なのだが・・・主人公は彼なので起きないのであれば話はまた次回にしよう。
これは《神の日記》に綴られた神の眼から見たとある一家の日常である。
本日の一言:早く起きろ主人公!