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三十一、墨家の次期当主

仕事で南領の近くまで来たので、(なつ)かしい友人に会おうと足を伸ばしてみた。

(うわさ)だと調子が悪かった友人も最近はよくなっているらしい。

屋敷に行くと、気配を察していたのか、使用人達がすぐに出迎えてくれた。


「……調子はいいみたいだね」


屋敷全体の気配の中に感じる、友人の妖気が戻っている。

しかし、それ以外に感じるちょっとした違和感。

廊下で頭を下げていた使用人。


「あれ、見ない人間だね」


人間?

少し違和感を抱く。

しかし、妖気は感じない。

茶色の髪は、人間の髪だと思う。

使用人が医者だというのだから、やっぱり人間なんだと思う。

なら興味はないな、と「へぇ」と言って、目的の部屋に向かう。


「ナツヒ様、(すみ) マサ様がおいでになりました」

「入れ」


扉が開く。

マサは思わず息を止めた。


「よぉ」


部屋は明るくなっていた。

何よりも、前に感じた嫌な気がなくなっていた。


「やぁ、久しぶりだね」


マサが部屋に入ると、「では」と使用人が出て行く。

マサはナツヒのそばに寄ろうとして、足を止める。


「どうした?」

「いや?」


部屋の中に置かれている複数の植物。

見覚えがあるが、すぐには思い出せない。

マサはすっきりしないと感じながらも、机を挟んで、ナツヒの目の前に座る。


「大分調子がよくなったようだな」

「ああ、この通りだ。本調子じゃないけど」


そう言って肩をすくめるナツヒの顔色はよい。


「大病院でもわからなかったナツヒの病気が。診断がついたんだなぁ」


ナツヒの病気がわからないとき、大病院からも何人か医者を()(けん)したと聞いた。


()(ちゅう)、お前の医者に会ったよ」

「そうか」


ナツヒのわずかな妖気の()らぎを感じて、マサはにやりと笑った。

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