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二十三、お茶会

「うまいなぁ」

「そうですね」


なぜこうなったのか。

キサラは頭を悩ませた。

中庭の(こし)()けに、ナツヒとともに座るキサラは静かにため息をはいた。

それもこれも、大学校から帰ってきたキサラに、ナツヒが言い放ったのだ。


「キサラがいない間、きちんと薬を飲んだ。そうだな、坂城」

「はい、私が確認しました」

「だから、(ほう)()があっていいだろ」

「…なにをご希望ですか」


中庭のお茶会だった。

お茶と水まんじゅうが用意され、隣に座るように言われた。

命令ではない。

しかし、それに従わないとき、どうなるかは(よう)()に想像がつく。

キサラは渋々、ナツヒの隣に座っていた。


「食べてるか?」

「ええ、おいしくいただいていますよ」


キサラはそう言って笑みを浮かべた。

しかし、ナツヒはどこか機嫌が悪そうだ。


「キサラは……水まんじゅうは嫌いか?」

「あまり食べませんね」

「お菓子だったら何が好きなんだ?」

「……かりんとう、ですかね」


昔、学生のときに勉強しながら、食べた記憶がある。

仕事を始めてからはお()()というものを食べることは少なくなった。


「かりんとう……」

「はい……」


ナツヒの表情が固まる。


「かりんとう……」

「……お嫌いでしたか?」

「あまり食べないなぁ」

「そうですか」

「君の好きなものを知りたい。次のときに用意させよう」

「次はなくてもいいですよ」

「また来週も褒美がないとな」


なぜそんなに嬉しそうに言うのか、ナツヒがキサラを気に入っている理由が、キサラにはわからなかった。


「……ナツヒ様の調子がよくなるのであれば」

「君と一緒にいると、調子がよくなる気がするな」


キサラは聞こえないふりをすることにした。

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