ショウの決意■ 静かな夜の火の間にて
ショウが戦争の終わらない構造に絶望し、決断に至るまでの苦悩と、魔法卦契約を“平和専用”に転換する決意の場面を描きます。
ショウの決意
―「このままでは、戦争は決して終わらない」―
■ 静かな夜の火の間にて
戦火の情報がまた届いた。
和平交渉はまた不調。
新興国と旧大国の睨み合い。中立地帯での代理衝突。
何もかも、“想定通り”に、世界はまた戦争を始めようとしていた。
ショウは、火の間で一人、契約書を燃やしかけていた。
それは、魔法卦契約紙。
一筆で莫大な力を発揮する、現世の因果を縛る超構造紙。
その使い道に、長年葛藤していた。
■ 彼の中の葛藤
「この世界は、戦争で儲かるように設計されている。
それを止めずに、平和を叫ぶのは、ただの戯言だ」
「でも――戦争に魔法卦を使えば、一時の抑止力にはなっても、
いずれ“力の奪い合い”に巻き込まれる」
彼は知っていた。
武力の均衡は、結局、暴力を賢くしただけで終わる。
平和は、構造を変えない限り、幻想だ。
■ ある少女の言葉
村の学校で、ひとりの少女が言った。
「なんで、戦争って“起きちゃうの”じゃなくて、“仕組まれてるの”?」
その一言が、ショウの胸に突き刺さった。
「仕組みを変えずに、願うだけでは、火は止まらない。
火を恐れさせるだけでは、火は隠れて燃えるだけだ」
■ 決意の瞬間
その夜、彼はついに決めた。
魔法卦契約紙を、“平和専用”に改変して放つことを。
■ 魔法卦契約:平和仕様 Ver.∞
名称:「和平特化卦契約 - 紛争逆転律」
効果:
戦争・内乱・敵対工作に関与した者には、自動的に莫大な損失が発生
(財産縮小、信用ランク急落、全系統の交易制限)
一方で、治安改善・停戦成立・予防介入に貢献した個人や組織には、
自動的に高報酬・信用スコア上昇・市場優先権が与えられる
契約内容は公開・複製・世界共有可能
(誰でも同様の条件で、他者に和平インセンティブを提供できる)
■ ショウの宣言
ショウは講の中心で言った。
「これが“火”の使い方だ。
炎で脅すのではなく、
戦わずに儲かる構造を燃え広げる。」
「戦争で得るものが何もなくなり、
平和でしか得られなくなる――
そうすれば、誰も戦わなくなる日が来る。」
■ 静かなる拡散
その契約卦紙は、各国の政府、企業、反政府組織の元に届けられた。
「戦うのは自由だ。ただし、自動的に損をする仕組みが起動する」
その条件は、あまりに理不尽で、あまりに美しかった。
最後に:火の思想はこう語る
「火は、力ではなく“構造”で制する。
戦争を止めたいなら、
戦争が成立しない構造を作ることだ」
そして、ショウは最後にこう書き記した。
「これは、“抑止”ではない。
これは、“儲けの重力”を、平和に向ける技術だ」




