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ナギの村――“言葉を禁じた村”への潜入編

学びって凄く有意義で楽しいのかも?

貴方もそんな学びを探して学んでみますか?

求めて探したどり着いた先に貴方は何を見るのでしょう



■ 第五境界「霧の渡し」――ナギの村へ向かう


応答学館の裏手、夜明け前。

ショウ、サノ、ナギ、火除けの一人ミノリが旅装を整えていた。


ナギの村は、第五境界の“霧の渡し”を越えた先。

霧に包まれ、外部の者を拒む。古来より「来た者は二度と戻らぬ」と噂されている土地。


ナギは言う。


「村に入るには、“喋らないこと”が条件。

 言葉を口にした瞬間、追放、もしくは……もっと厳しい罰がある」


サノが小声で返す。


「やれやれ、無言の旅路か。酒も言葉も封印だな」

■ 無言の潜入 ――“音”のない村


数日後、霧を抜けた一行は、ナギの故郷――無声むごえの村に足を踏み入れた。


そこには異様な光景が広がっていた。


村人たちは全員、口を布で覆い、目を合わせない。

家屋の扉や道端には、板に掘られた「沈黙の紋」が掲げられていた。

すれ違っても、誰一人声を発しない。


唯一のコミュニケーション手段は、指と目線による符号。

一歩間違えば、誰が敵で、誰が味方か分からなくなる。


ナギの家は、村の外れにあった。かつて家族と暮らしていたが、今は無人。

物置の床下に隠された“禁の隙間”から、一枚の石板を取り出した。


それは前の板と対になる、**第二の“記憶”**だった。


しかし、ナギが板を持ち上げたその瞬間――


背後に気配が走る。

■ 村の審問官との邂逅


現れたのは、顔を仮面で覆った審問官シンモンカン

ナギを見つめ、手を挙げると、指を三本突き出した。


それは村の古い掟。


“禁忌の子が戻りしとき、三つの選択を与えよ”


板を返して、再び出ていく


板を壊して、村に残る


板を持ち出す代わりに、他者一名の命を捧げる


一瞬、空気が凍った。


ナギは、板を見た。ショウを見た。何も言えない。ただ、目が語っていた。

「私が選ぶ。命も、道も」


だがその時、ミノリが前に出る。

胸元から、“火除けの証”を掲げる。


それを見た村の古老たちが、ざわつく。


――それはかつて、この村を守った伝説の一団の印だった。


審問官が一歩下がり、そして無言のまま道を開けた。


ナギが板を両手に抱え、深く一礼すると、誰かが小さく頷いた。

■ 村を出た後の静かな会話


霧の外、ようやく言葉を交わせる距離に戻ったとき、ナギが初めて笑った。


「……ありがとう。もう、後ろは見ない。

 この板で“道”が見えるなら、私は前に進む」


ショウが板の彫りをなぞりながら言った。


「これで“門”が揃ったな。――開ける覚悟、できてるか?」


ナギが頷く。


「門の先にあるのが、神でも、化け物でも、“嘘”でも。

 見て、受け止めて、生きる。それが、私の学び」

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