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隣と幻夢

「最近寒くなってきたね〜...」


そんなことを言いながらも今、


僕と畑葉さんが居る場所は半分外みたいなところにいた。


僕の部屋は不思議で、


何故かベランダにウッドデッキがついている。


ウッドデッキは大体1階にあるものだが、


古佐家は僕の部屋の2階についている。


不思議だ。


地震が起きたら一瞬で壊れそうとか雪が降ったら積もって壊れそうだとか何回も思ったが中々壊れそうになかった。


『ウッド』って言っている割には丈夫過ぎる気が...


「夏が終わって秋が来始めてるのかもね」


そう僕が言うと畑葉さんはどこか切なげな顔をした。


僕はそれを見ないフリをして


「秋って言えば『食』の秋だよね」


と話題を出す。


「『食』って?例えば?」


「桃とかサクランボとかの果物だったり、焼き芋とかじゃない?」


『焼き芋』その単語を僕が出したと同時に畑葉さんの顔は好奇心に満ち溢れたような顔に一変した。


「焼き芋売りの車が通ったら食べよっか」


そう僕が言うと隣で畑葉さんは手を合わせながら何度も『焼き芋売りの車が通りますように』だとか唱えていた。


せめて今、流れ星が降ればちょうど良かったのかもしれない。


そう思いながら夕空と夜空が混ざったような空を眺める。


「そういえば夏の終わりにレモネードソーダ飲むって言ってたよね?」


「うん!!言った!『れもねーどそーだ』!」


「明日の夜、一緒に飲もっか」


「飲む!」


なんだか今、僕が話してる畑葉さん子供みたいで可愛い。


ふと心の中でそんな呟きを零す。






「ねぇ、本当に布団でいいの?」


「僕が布団でもいいんだよ?」


最後の最後まで渋っている僕。


その理由は僕が畑葉さんにベッドを譲ったのに『そのベッドは持ち主である古佐くんが使って』なんて言うから。


「だから言ってるじゃん!!」


「ベッドだったら寝付けないから布団がいいって言ってるでしょ!!」


いや、普通逆でしょ。


そう思いながらも


「も〜...分かったよ......」


「知らないからね」


と言いながら僕は布団を被り、


畑葉さんに背を向け眠りに落ちた。










===




「私、生まれ変わったら春の精になる」




また言ってるよ...


いい加減、人間に生まれ変わりなってば...




「名前は面白そうだから変えようかなって思ってるんだ!」




変えたらもし僕と再会した時に、


誰か分からないじゃん...




「名前はね〜...そうだなぁ......」




名前変えるって言った割に名前考えてなかったのか...


出来れば覚えやすい名前がいいなぁ...




「『凪』にする!」




『凪』?覚えにくい名前だなぁ...


確か凪って風が全く無い海とか湖の水面状況だったっけ...?


なんでその名前選んだんだろ...




「絶対忘れないでね!!絶対だよ!」




分かったって...


そんなに言わなくても大丈夫だから...




「________ 」




ねぇ、今なんて言ったの...?


もう少し大きい声で────




===




「ん...」


なんか変な夢見たな...


てかなんか暑...


そう思いながら寝返りを打とうとすると何かにぶつかる。


それより広いはずのベッドが何故だか窮屈に思えた。


無理やり起き上がると隣には畑葉さんの姿があった。


長いまつ毛。


しかも何故か僕に抱きついて赤ちゃんのようにスヤスヤと心地良さそうな寝息を立てている。


「は...?」


そんな声を漏らしたと同時に畑葉さんの閉じていた瞼が開いてしまった。


「ん...おはよ古佐くん......」


寝起きだからか、ふにゃふにゃな畑葉さん。


「『おはよ』じゃなくて、なんでここで寝てんの?」


声色に焦りと緊張が出てしまう。


朝起きて好きな人が隣に居たらどう思うかわかるだろう?


心臓が過呼吸かのように速くなる。


全身が火照る。


色んな感情がぐちゃぐちゃになる。


きっとそれだけじゃない。


「だって寒かったから...」


欠伸をしながらそう答える。


「だから布団でいいのって昨日の夜聞いたじゃん」


「昨日は寒くなかったんだもん〜...」


寝起きの畑葉さんが可愛すぎて何だか胸が痛くなってくる。


「それより古佐くん、身体熱いよ?」


「熱?」


そう言いながら畑葉さん自身の額を僕の額に当ててくる。


慌てて離れるも、身体の火照りは治まらない。


心臓の胸打つ音が先程より速くなっている。


「僕...顔洗ってくる」


畑葉さんから逃げるようにして、


僕は洗面所へと向かった。






「はぁ...」


洗面所で深いため息を吐く。


バシャバシャと顔に冷水を当てる。


冷たい。


が、目が覚めた。


「古佐くん...」


後ろからそんな声が聞こえ、驚く。


びっくりした...


幽霊かと思っちゃった...


そう心の中では冷や汗ダラダラだが、


平常心を保ちつつ


「何?」


と声を返す。


「やっぱり怒ってるよね...ごめんね......」


「いや怒ってないけど...」


「でも急に近づくとかはやめて欲しいかも...」


畑葉さんと目を合わせて会話が出来ない。


先程の出来事が頭にチラついて会話に集中出来ないからだ。


「...古佐くんの女の子耐性が弱弱なのが悪いんだからね」


急にそう言われ、心の中で疑問の声を漏らす。


なんで急に煽ってくるのだろうか。


いや、畑葉さんは元々こういう人だったっけ...

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