自白の粉
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
軽いファンタジー入りです。
自白の粉。これをアルコールに溶かして、相手に飲ませると何時も隠している本音を聞くことが出来る。だから私はこれを嘘つきな彼女に飲ませようと思う。
彼女が席を立ったのを見計らい、カクテルのグラスに粉末を注ぎ、マドラーで一回し。粉末は直ぐに透明になり、跡形もなく見えなくなった。
彼女が帰って来た。注意深く観察する私を一瞥すると、静かにグラスに口を付けて、静かに煽る。喉仏が動き、静かに体を伝っていくのが分かる。
「ねぇ、抱き締めて欲しい」
彼女は真顔のまま、真っ直ぐに此方を見ながらそう伝えた。席を立って、彼女の体を包み込む。普段は抱き締める事は愚か、手を繋ぐのも許してはくれないから、きっと薬が効いて来たのだと思う。そっと髪を撫でていると、ぽつりと一言。
「私……触られるの苦手なの……。嫌じゃなくて、苦手なの」
「うん。知ってるよ」
だから何時も戸惑ってしまう。手を繋ごうとすると、何時も戸惑ってポケットに逃げてしまうから。だから肩が擦れ合う程に近寄って、隣を歩く事しか出来なかった。
「だって、親にも抱き締められた記憶がなかったから。ううん……。抱き締めるだけじゃなくて、他にも、色々。だから……どうすれば良いか分からなくて……」
「何もしなくて良いんだよ」
彼女が鼻を啜る音だけが周りに響く。あぁ、この子が甘えベタなのは、家庭環境が原因なのか。
自白の粉。というものがこの世界にある。自分が苦しかった過去を夢の魔女に伝えると、代わりに授けられるらしい。それをアルコールに溶かすと、隠している本音を聞くことが出来る。
「君に、自白の粉を使おうと思うんだ」
私と真反対な彼は面と向かってそう宣言した。顔は真面目だった。大真面目だった。使おうと思ってる相手にそんな事を言うなんて、イカれてるとしか言いようがない。それでも。
「いいよ。でも入れるのを見たら止めちゃうかも」
私は舌を出して、そう返した。
そうして今日、私と彼は飲み屋に来た。彼が自白の粉を使うのは明白だった。私が席を立った時、入れるのは明白だった。それでも……それでも……。
私は席を立つ。彼がポケットから取り出した自白の粉を、アルコールに混ぜた。それでも。それでも。私は煽るよ。この魔法の粉入のグラスを。
終わり、少し考えたんですよ。
本当は『自白の粉』なんてものはなくて、彼女が薬が効いた振りをして、本音で話すというオチにしようかと。
でもいい反応がなかったので、このまま行きました。
騙して薬を飲ませるの、倫理的にアウトだったんだろうなと。
だから宣言もしたし、あからさまに入れる場所も用意してます。
その心意気を知って、飲むことを決めたんだと思います。
あと、そうやってでも甘えたかったんじゃないかと。
この、何とも言えない毒親感のある話、まだまだ描きたいなぁと思います。生々しい話は怖いもの見たさ。まだ序の口なんで。
朝方思い付いたネタ
見かけが派手なギャル系。でも中身が純情な子。
見かけ穏やかで誠実そう。けれども結構遊び人。
そんな二人の話が見たいなーと思ってました。
いっぱいからかって欲しいです。




