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第763話 黒騎士推参!

763


「故あって名前は明かせないが、私は〝黒騎士ブラックナイト〟の役名を担う者。レジスタンスの代表、ドランケン・フレンジーの協力者として、そして〝前進同盟〟の一員として、重傷を負ったオウモさんの代わりに〝完全正義帝国スプラヴェドリーヴォスチ〟の始末をつけにきた。報復の矢を受けるがいい」

「「GAAAA!?」」


 漆黒の全身鎧に身を包み、蒸気バイクを駆る正体不明の〝黒騎士〟は、テロリスト団体〝完全正義帝国スプラヴェドリーヴォスチ〟の軍勢に向かって矢のように突っ込んだ。


がい、黒騎士と一緒に居たのか? だったらなぜ言ってくれなかった?」

「すまんな相棒。奇襲を成功させるために、まだ言わないでくれって頼まれたんだよ」

「だったら、なぜ奇襲をばらしちゃったの?」

「つい……」

「乂いいいっ」


 額に十字傷を刻まれた少年、出雲桃太いずもとうたと、革ジャンパーを羽織ってバイクに乗った金髪少年、五馬乂いつまがいが、やいのやいのと騒ぐ中……。


「五馬乂、このせっかちめ。大将狙いの計画が台無しではないか。だが、それならそれでやりようがある!」


 黒騎士は空から爪をひらめかせて襲いくる屍体人形とすれ違いざま、バイクのリアボックスから十連発クロスボウを放って、数体まとめて撃墜する。


「く、低い場所で戦うとやられる。もう少し高くまで逃げろ」

「上から爆撃すればどうとでもなる」

「「GAAAA!!」」


 〝完全正義帝国スプラヴェドリーヴォスチ〟の兵士達は、突如乱入した黒騎士に鴨撃ちにされたことで動揺し、蛇糸を操って〝兵士級人形ソルダート〟を空へと逃がし、槍や爆発する火球の術を放った。


「ほう、いい判断だ」


 黒騎士もこれにはたまらず、バイクの側面にとりつけた大型の盾でガードし、爆炎の中で火花が散った。

 なるほど普通のバイクであれば、高速移動可能なものの、桃太や紗雨のように跳躍したり、ましてや乂の乗る特別製バイクのように空を飛んだり、そんな三次元移動は不可能だろう。


「だが、私の愛車を甘く見てもらっては困る。クマ国代表カムロが直々に手がけた一点物オーダーメイドとはいかないが……。この蒸気バイクもまた、反政府団体〝前進同盟ぜんしんどうめい〟代表であるオウモさんがカスタマイズを施した逸品だ。空を飛べるのは、五馬乂いつまがいが乗る機体だけではない!」


 黒騎士が先程、車体を守ったばかりの、側面に設置していた盾のようなものをバイクの上部に据え付けて加速するや、まるで気球やレシプロ機のようにふわりと浮かびあがり、空へと向かって飛翔したではないか。


「うわあ、本当に飛んだぞ。う、うらやましいっ!」

「そうだろう、そうだろう。同じ空からなら、敵を討つのも容易い。ファイア!」

「「GAAA!?」」


 桃太は黒騎士がバイクでグライダーのごとく滑空しつつ、右腕から引き出した長銃で屍体人形を次々に撃墜するのを見て、やんやと手を叩いた。


「桃太おにーさん、紗雨だって空飛ぶ鬼術は使えるサメ」


 桃太から少し離れた場所で戦う、サメの着ぐるみをかぶった銀髪碧眼ぎんぱつへきがんの少女、建速紗雨たけはやさあめがぼふんと煙をたてて、銀色のサメに変身。ふよふよと空中を漂うものの……。


「ごめん、紗雨ちゃん、俺は空を飛びたいだけじゃなくて、空飛ぶバイクに乗ってみたいんだ」

「そ、そんなっ。がーんだサメエ」


 メンタルに痛恨の一撃を受けて、しなしなの干物みたいになってしまった。


「えーい、空飛ぶバイクがもう一台あるだと!? あの腕部分は銃? 奴もサイボーグか。〝兵士級人形ソルダート〟よ、破壊しろ」

あとがき

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