第472話 入浴と川遊び
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色とりどりの水着で川にやってくる焔学園二年一組の女性徒達。その最後で舞台に現れたのは、担任教師の矢上遥花だった。
「皆さん、お待たせしました」
栗色の髪を赤いリボンで結んだ遥花が身につけていたのは、黒い縁取りのある白いビキニで、砲弾のようにたわわな胸元を釣り上げてささえていて、あらわになった白く大きな谷間が眩しかった。
量感たっぷりなお尻と太ももは、三角形のショーツが覆われてなお輝くばかりに魅惑的で、まだ二〇になったばかりにもかかわらず、もはやセクシーというか、思春期の少年達の脳を焼きつくすダイナマイトボディである。
「は、遥花先生、すごいっ」
「「うおおおおおおおっ」」
額に十字傷を刻まれた少年、出雲桃太ら男子達の雷鳴の如き歓声を聞いて、鉄格子つきの天幕に入れられ、一番肌の露出が少ない水着に着替えさせられた伊吹賈南は、レスキュー兼警備員を兼ねる鴉天狗、葉桜千隼に対してふくれっ面で抗議した。
「おいカラス娘。あのムチムチプリン教師が許されて、妾が逮捕された理由はなに?」
「常識と遵法精神が有るか無いかですね。胸もお尻も丸出しのヒモ水着だなんて、認められるわけないでしょう。天幕の中にもちゃんと温泉はありますから、楽しんでくださいね」
「誘惑して酒池肉林できないと意味ないじゃん!」
八岐大蛇のエージェントが、自業自得の海で隔離されている間にも、焔学園二年一組の生徒達は川湯温泉で入浴を楽しんでいた。
「温泉と言っても、川には違いありません。流れの強さに気をつけて、腰より深い場所には決して入らないよう気をつけてください。こちらの竹筒にお茶が入っていますので水分補給も忘れずに!」
「「はーい」」
そうして桃太達は、川を汚さない石けんで改めて髪と体を洗った後……。
「じゃあ、ゆっくりしようか」
「あたたまるサメエエ」
「コケーッ。外で入浴なんて初めての経験ですわ」
「わーい。初めての体験です」
喜びいさんで再び川湯へとつかった。
「ふいーっ」
「腰と肩にきくなあ」
とはいえ、元勇者パーティ〝K・A・N〟のベテラン冒険者や、桃太、紗雨、詠、陸羽らが、自然の雄大な景色に見惚れながら、静かに入浴を楽しむのに対し――。
他の年若い冒険者パーティ〝W・A〟の少年少女達は、より積極的だった。
「こうやって石を積み上げて、鬼術で平らに整えればよお、すべり台ができるんじゃないか」
「「林魚に続け、青春はここにあり!」」
((そうすれば女子の水着姿を下から覗けるって寸法よ))
モヒカンが雄々しい少年、林魚旋斧ら男子生徒達が、ウォータースライダーを意識した滑り台を作ったり――。
「さあ、釣り勝負と行こうか」
「ぜったいに負けんぞ」
「「釣り尽くしてやるぜ」」
関中利雄と羅生正之を中心に、釣り好きの生徒数十人が入浴もそこそこに川辺で竿を立てたり――。
「川だから泳いでも怒られないっ」
「いや観光地でやったら、怒られるからね!」
「貸し切りだからゆるされているだけだからね」
あるいは温水プール代わりに水泳を堪能したりと、様々な方法で川遊びを楽しんだ。
あとがき
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