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第304話 黒騎士の腕が放つ銃弾

304


「ワシは若い女子がビキニアーマーを着ているところが見たいんじゃー」

「久蔵は正直だなあ。でも、エロジジイは近づかないでくれ」

「ショーック!?」


 冒険者パーティ〝G・Cグレート・カオティックH・O(ヒーローズ・オリジン)〟のスポンサーである、髭つきメガネを被ったスーツ姿の女性オウモと、六辻ろくつじ家と〝SAINTS(セインツ)〟から寝返った幹部、六辻ろくつじ久蔵きゅうぞうの間に一触即発いっしょくそくはつのビリビリとした空気が流れるも――、


「ファファファ。ご両人、ダンスは笑顔で踊るものだぞ!」


 翡翠色ひすいいろ水着鎧ビキニアーマーを着た美女、セグンダが黒いマントをあたかも闘牛士のように閃かせながら割りいることで、決裂は避けられた。


「むう、セグンダがそう言うなら……」

「フホッ。ところで、その黒いマントはなんじゃい?」

「よくぞ聞いてくれた。実は黒騎士君が素敵なアイデアをくれたんだ。見なよ、この黒いマント。こうやって肩にかけて、腰や太ももに向かう視線をちょっとだけ隠すことで、より色気が増すとわかったのさ」

「「うおおおおっ、姉御! 姉御!」」


 セグンダが黒いマントをひるがえすと白くむちむちした足がより強調されて、周囲の目が釘付けになった。


「フホホっ。さすがセグンダ、ほのみえる乳といい尻といい太ももといい、たまらんわいっ。やはりこちらの方が見応えあるのう」

「このジジイ、ぶん殴ってやろうか!」


 そんなホバーベースの様子を視覚と聴覚を拡大して見ていた黒騎士と、冒険者パーティ〝G・Cグレート・カオティックH・O(ヒーローズ・オリジン)〟の総大将、石貫いしぬき満勒みろくは絶句した。


「セグンダさんには、『腹を冷やさないよう上着を着で欲しい』とは言ったが、そんな扇情的せんじょうてきなヒントを与えちゃいないぞ」

「緊張感がまるでないじゃないか。こ、これがシショーのいう常在戦場の心得というやつか!?」

「あんな心得があってたまるでちか!」


 そして、種類は違えど衝撃を受けたのは、〝禁虎館きんこやかた〟の城主、孟利もうり座玖ざくが変じたガキソンも同じらしい。


「あんな連中に、こんな茶番に負けるのか。い、いやだ。まだだああ。奪えば、全部が手に入るうう」

「「ギョエエエエ!? タスケテ……」」


 ガキソンは絶望の声をあげながら、残り少ない部下が変じた肉塊を無理やり取り込み、失われた下半身を埋めて再生を試みた。


「「しつこい」」


 が、それを見過ごす黒騎士ではなく、足元の〝飛行大盾シールドドローン〟を操り、あたかも空中で波に乗るように高速で間合いをつめ……、満勒やムラサマとと息を合わせた連続攻撃で、ガキソンを上空へと切り上げた。


「ガキソンとやら、諦めろ。もう勝負はついた。テメェに得られるものなど、もう何もない!」

「満勒大将、ムラサマちゃん。私は〝G・Cグレート・カオティックH・O(ヒーローズ・オリジン)〟に加入して良かった。トドメはまかせろ!」


 黒騎士はコンビネーション技で上空へと吹っ飛ばし、弱まってゆく〝伝染鬼でんせんき〟ガキソンの鼓動から、心臓の位置を割り出して、右腕の義手に仕込まれた長銃を剥き出しにして、発射する。


「安らかに眠れ! 最後の魔弾(フライクーゲル)!」

「バカな、ばかなあああ!?」


 黒い鎧兜に身を隠した、くれ陸喜りくきが放った必殺の弾丸は、狙い違わず三メートル近い怪鳥、ガキソンとなった孟利もうり座玖ざくの心臓部を撃ち抜いた。

あとがき

お読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] >セグンダが黒いマントをひるがえすと白くむちむちした足がより強調されて、周囲の目が釘付けになった 部長「お嬢さん、どうか一晩の愛を」
[一言] 「あんな連中に、こんな茶番に負けるのか」 まあ、何と言いますか、それだけは同情したくなりますね(^_^; 主人公側のギャグパートに巻き込まれてフェードアウトする悪役は、ご愁傷様として言いよう…
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