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第9話 盗賊退治

 魔物の素材が入手できてから、衣類がかなり充実してきた。三人の服を何着も作成したが、防衛装備の強化を図れたのは大きい。また【加工】のレベルが2に上がり、「品質改善」が可能となった。このスキルと魔物の素材により、テネシアとイレーネの武器の予備を追加作成した。予備と言ったが、試しに使ってもらったら、オリジナルの現物より品質があがってた……


 この頃には家の中も外も、より整備されて、家具等も高級品と変わらない状態になっていた。しかしスキルが上がれば上がるほど、活躍範囲を広げたい気持ちも高まっていった。


「二人とも~いつも山の方に行ってたけど、たまには里の方に行ってみないか?」

あるじも人恋しくなってきたか?」

「君たちがいるから、十分満足してるけど、う~ん、確かにそうかもね」

「まあ、町には入らないつもりだけど、近くの様子を見にいこうか」


今回は町に向かって三人で【転移】した。


――――

――――――


 しばらく進むと、獣道から人が通れる道、さらに進むと、馬車が通れる道へと、次第に開けていった。ただ転移中に人と遭遇すると不味いので道沿いの木の枝を利用して移動した。


 もうすぐ人里が見える手前ぐらいで、突然、助けを求める声が聞こえてきた。見れば数十人の男達が荷物を積んだ馬車を取り囲み、金品を要求している。


「盗賊だ!」

「どうするあるじ

「もちろん助けるさ」

「人質を取られたら厄介なので、スピード勝負でいこう」

「殺してもいいのか?」

「う~ん、なるべく生け捕りがいいけど、無理ならしかたない」

「わかった」


 テネシアが静かに飛び出していった。荷物に気を取られている盗賊達に後ろからそっと近づき、一気に切りかかる。殺さないよう手足を中心に狙っている。凄いなあ。少し時間をおいて、イレーネが逃げようとした盗賊を短刀で切り裂いていく。やはり手足だ。今回は二人にまかせておけば大丈夫だろう。盗賊を制圧してから、馬車を覗くと十人ほどが身を寄せ合って震えていた。


「もう大丈夫ですよ。盗賊は倒しました」


すると中から一人の男性がスッと立ち上がり、馬車から降りてきた。


「本当にありがとうございます! あなたは命の恩人です。ぜひお礼をさせて下さい」


まっすぐな目でこちらを見てきた……これは素直に受けるしかないな。


「わかりました。捕まえた盗賊はどうしますか?」

「町の守衛所につきだしましょう」


 その後、町まで三人とも馬車に乗せてもらい、主人である男と話をした。男の名はイムル・アガッサ。商人で、今回は運搬中に盗賊に襲われたらしい。一応、護衛も三人いたが、盗賊の人数が多くて逃げてしまったらしい。


「アレス様はどうして、あそこに?」

「実は人里離れた奥地に住んでいて、町の様子が気になったのです」

「普段は何をされてるんですか?」

「……いろいろ物をつくっています」

「どんな物ですか?」

「家具、衣類、雑貨、それと武器です」

「え! そんなにいろいろ作られるんですか! それは凄い!」

「どこまでできるか分かりませんが、自分の作ったものを多くの人に見てもらい、利用してもらいたいと考えるようになったんですよ」

「……それなら、商人になったらいかがでしょうか? 商人なら、多くの人に作ったものを見てもらい、利用してもらうことができますよ」

「商人ですか……」


 考えてみたら、確かにそうだ。でもどうやったら商人になれるんだろう。馬車が町の入口まで近づいてきた。初めての町だ。この時、運命が大きく変わる予感がした。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公がもう少し戦って欲しいな。物足りなさはやっぱりあるな
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