第50話 新スキル~創造~
二拠点生活者が増え、自分の負担を軽減できないかと感じていたところ、脳内に新スキルのイメージが出てきた。なんと【創造】だ。今まで生産系スキル【収納】【加工】【複写】を多用してきたが、レベル3で上限なのだろうか?これでも自分には過分なチートスキルであり、十分満足していたが、今までのスキルはこの世界で一般的に存在する物、その改良品がメインだった。つまり、この世界で一般的に存在しない物は難しかった。
しかし【創造】スキルがイメージされた時、ひょっとしたら、この世界で一般的に存在しない物を【創造】できるのではないかと感じた。そして次に浮かんだのは「必要は創造の母」という言葉だ。
「必要なら創造できるのかな?」
「今、必要なのは、僕がいなくても他の人が転移できること」
「それなら転移できる道具を作ればいいんじゃないか」
「しかし転移魔法は信用できる一部の人に限定したいし……」
「そうか道具を作る際、特定の人しか使えない制限をかければいいんだ」
さて、次は道具選びだけど、小さくて持ち運びに便利なものがいいだろう。しかも失くさず常に身に着けているもの……
「とりあえず指輪にするか」
「まず『指輪』をイメージ、それに『テネシアが転移魔法レベル1使用可能』を指輪に付与」
「よし! 【創造】」
銀製の指輪が目の前に現れた。イメージ通りだ。
「よし、後はこの繰り返しだ」
転移指輪は全員分作っても良かったが、今回渡すのはテネシア、イレーネ、ミアに留めた。レッド、ブルーは不安だし、リミアはミアと一緒だから大丈夫だろう。特にミアに渡せたのは大きい。これにより、島で急に体調悪化の人が出た場合でも対応しやすくなった。
まあ、レッド、ブルーは島より、ギースの滞在が多くなってきてるし、島に戻りたければ、テネシア、イレーネに頼めるから不自由ないだろう。鑑定スキル持ちのリミアは入島審査でギース滞在が多くなっているから、こちらも大丈夫だろう。
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――――――
<島の領主邸・執務室>
転移指輪を渡すため、三人を呼んだ。
「みんな忙しいところ悪いね」
「主が呼んだら行くのは当然だろ」
「そうです」
「……今回は領主邸の方ですか、珍しいですね」
テネシア、イレーネ、ミアが集まった。そう、普段は島の館で話をするが、今日は人の少ない領主邸に来てもらった。ここは基本、僕しかいない。
「みんなは僕が転移魔法を使えるのを知っているね?」
当たり前のことを言われ、みんなキョトンとしている。
「実は新スキルにより、魔法の指輪を作った」
指輪を見せると、みんなしげしげとのぞき込む。
「この指輪をはめると転移魔法が使えるようになるんだ」
「ええ―――!」
その瞬間、皆、驚く。
「注意点を説明するけど、この指輪は特定の人しか使えない。テネシアに渡した指輪ならテネシアだけが使える。転移先は過去に行ったか見た場所だけだ。それと、この世界で転移魔法は珍しいので人目にふれないこと。転移先は密室が無難だろうな。この世界では一般的に存在しない物なので人に言わないこと」
「リミアには話していいんですか?」
ミアから質問が来た。
「使用できるのは本人だけと言ったけど、手をつなげば他人も一緒に転移できる。リミアに話して一緒に行き来してかまわない。但しリミアも口留めは必要だな」
「レッド、ブルーはどうですか?」
イレーネから質問が来た。
「リミアと同じケースなので、かまわない。口留めだけ頼むね」
その後、三人に指輪を渡し、室内で転移の練習をしてもらった。
「うわっ! 本当に移動した!」
「凄すぎます!」
「こんなもの頂いていいのでしょうか……」
テネシア、イレーネは興奮気味、ミアは深刻な感じだ。しばらく練習して慣れてもらおう。
その後も、【創造】スキルでいろいろ試したが、なぜかうまくいかなかった。強いイメージ集中が必要で、恐らく心の底から必要と感じてないと創造できないのだろう。軽い気持ちではダメなようだ。これは究極スキルだろうが、その分、ハードルが高いんだろう。
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