第48話 種族地域会議2
「現在、島の人口は三千人余りだが、ギースの港町で島への渡航、島への移住を希望する人が出ている。逐一、島民による身元保証を確認していたが、あまりにも業務が煩雑だし、折角、貴重な人材でも島民の保証が取れないと門前払いというのも気の毒だ。島にはまだまだ土地は一杯あるし、もう少し門戸を広げて移住を積極的に受け入れてみたいが、どうだろう」
とにかく移住を増やして島を活性化させないとな。
「もともと私達は移住してきたんだし、いい人なら来てもらってもいいんじゃないかな」
おっ、テネシアが援護射撃だ。
「確かにまだまだ人材は不足してますよね」
内政官インカムも援護射撃。まあここまでは身内だからな。他の人はどうだろ?
「……以前の環境からすれば、この島の生活は本当に楽だし、このままでもいいですが、おかしな人が来るのだけは困りますね」
鬼人の男性から慎重な意見があがった。
「確かに犯罪者や問題を起こしそうな人は嫌だな。幸いなことにここは島なので、外から入りにくいし、島への玄関口がギースで一本化されてるので、そこでの審査をしっかりすればリスクを抑えることが可能だ」
「どんなチェックをしてるの?」
兎獣人の女性から質問が来た。
「現在は犯罪歴と島民の保証の二つだが、島民の保証がネックになっている。なのでこれを外す代わりに、面談を強化し、職歴、性格等、本人重視で見極めるようにしたい」
「島民の保証を外す理由は?」
エルフの男性から質問が来た。
「先ず確認に時間と手間がかかり過ぎること。その間、渡航希望者はギースで待たされることになる。またウラバダ王国から命からがら逃げてきた人が、たまたま知り合いがいないだけで渡航できないのは相当不合理だ。また、せっかくいい人材が来ても島に知り合いがいないだけで門前払いなのは勿体ない。それと最後に、島民の保証が取れたからといって、問題ないとは限らないからだな」
「あと付け加えると、皆さんが一番心配されてるウラバダ王国の人間は当面は入島禁止にするし、人間は他の種族と仲良くできる方だけにしたい」
この説明をすると全体の雰囲気がなごんだ。やはりウラバダ王国は避けたいよね。でもすべての人間が差別するわけでないので強調しとくか。
「一番大切なことだけど、この島はいろいろな種族が集まっており、みんなが仲良く暮らしている。だから他種族への差別意識の強い者は人間に限らず、どの種族であってもお断りする。入島審査ではそこを一番確認したい」
最後はいい雰囲気で会議が終わった。移住の拡大と入島審査の厳正化は両立が難しいが、何とか実現させたい。ここまで自信も持って言えたのは鑑定スキル持ちのリミアの加入が非常に大きい。自分も鑑定スキル持ちになったので、真贋を見極めやすくなった。
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