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第390話 魔法研究所2

第337話 魔法研究所 の続編です。

現象神様から頂いた【付与】スキルを早速、レネアに【伝授】しよう。


「レネア、この前、話した件、何とかなりそうだぞ」

「え、父上、本当ですか!?」

「ああ、実は【付与】スキルを獲得してな。今からこれを君にも与えよう」


「【付与】スキルですか!?それは嬉しいですが、確か、【付与】スキルで魔法アイテムを作っても効果が持続しないんじゃ無かったですか?」


「ふふふ、これは神様から直接頂いたスキルだからねぇ、効果が永続するんだよ」

「それは凄いです! ぜひお願いします!」



「じゃあ、いくよ! 【付与】スキルをレネアに【伝授】!!」



「うわっ!全身に凄い衝撃が走りました!」


「試しに何かやってごらん」


「え~と、何をどうしたらいいでしょうか?」


「それなら、光属性魔法で【ライティング】をしてみて」


「はい、【ライティング】!」


レネアの手のひらに光の玉が輝く。


「それをこの水晶玉に【付与】してごらん」


「水晶玉に【ライティング】を【付与】!」


「ああ! 水晶玉が光っています!」


「これで、物に魔法を付与できたね」


「凄いです! これは!」


「でも、これだと光りっぱなしだな。うまくやれば、光を付けたり消したりできるように、つくれるはずだ」


「ちょっと難しそうですね」


「ちょっと、僕がやって見るか。水晶玉に光魔法の光を【付与】! 但し、光れと言えば、光り、消えろと言えば光が消える」


「よし、できた。光れ!」


「ああ!光りました」


「消えろ!」


「光が消えました」


「魔法を【付与】する時に条件設定すれば、使い勝手が良くなるぞ」


「う~ん、これは練習しないといけませんね」


「そうそう、練習が大切だ。ポイントは自分が望むアイテムのイメージを強く持つことだな」


「……しかし父上は物だけでなく、人間(私)にも魔法を与えることができるんですね。驚きました」


「ああ……【伝授】のことか、このことは僕と君だけの内緒にしておいてくれないかな」


「分かりました」



 魔法を使えるようにしてくれと、いらぬ連中が押し寄せて来ても困るしな。



「これで君の魔法を利用して生活に便利な魔法アイテムを作れるようになるはずだ」


「父上、ありがとうございます」



 よし、これで魔法研究所の将来の重要な柱である生活魔法アイテムの研究と制作の道筋ができたな。それなら次は――



「レネア、君は現在十四才で王立学園卒業と成人まではあと一年だ。今のうちから魔法研究所の開設準備を少しずつしていきたいが、僕と君だけでは心もとない。それでスタッフを募集したいと思う」


「スタッフですか?研究生でしょうか?」


「研究生は後々、募集していけばいいが、もっと君の身近でいろいろ手伝ってくれる者が欲しいな……、そう助手だな!」


「研究生と助手は違うのですか?」


「研究生は君に魔法を教わって研究するから、学生的要素があるよね。助手は君の身近な側近のような存在だ。だから先ずは助手探しが重要だろう」


「研究生は魔法適性がある人を選抜して選べば良さそうですけど、助手はどういう基準で選べばいいのでしょうか?」


「う~ん、そうだな……、一番重要なのは信頼関係だな。ここは王立施設だから、王国への忠誠心とか、裏表が無い前向きな性格とか、一定の学力水準とか、それに君をサポートできる懐の深さとか……」


 理想を言ってしまえば、僕にとってのテネシア、イレーネ、ミア達のような人材なんだけど、ちょっとハードルが高すぎるかな?でも助手と言えば、側近も同じ。娘の近くにはなるべく信用できる良い人材を置きたい。


「そんなに良い方、いますでしょうか?」


「……う~ん、ちょっと時間をくれないかな」


自分で言っといてなんだが、自分でハードルを上げた以上、

自分で責任を持って探さないとな。


――――

――――――


<アレス島>


 今、プライベート島の海沿いの家で横になりながら、考え事をしている。じっくり考える時は一人がいいと思い。この無人島で波を見ながら、過ごしている。やっぱり良いよな。ここは。


 考えを整理しよう。レネアが魔法の研究をしていくには、助手はいた方がいい。レネア一人でも魔法アイテムの研究と創作はできるだろうが、魔法研究所という組織にするなら、身の回りの世話、連絡係り、窓口業務、調整や雑務が多く発生するだろう。特に魔法アイテムができた後、それを商会へ卸す場合に商品説明や打合せ等も必要だよな。経理や人員管理もそうだ。とにかくいろいろある。


 助手はレネアの側近であり、後から募集する研究員よりも重要だ。前の世界で言ったら、魔法研究所が大学院、助手が大学院の職員、研究生が学生のようなものだろう。だから助手は多数の人と無難に折衝できる性格、多用な業務をこなす能力、そして金銭取引や人員管理もするから信用も大事だし、王宮に近い場所で働くから王国への忠誠心も必要だろう。


「う~ん、なかなか条件が厳しいよな……」


 あと、僕は研究生の門戸を貴族以外の平民や亜人種にも広げる予定なので、平民や亜人種との交流ができるのも条件に加えたい。要は変な差別意識が無いということだね。


 いつもなら、求人説明会を開いて、面談をしまくるところだけど、今回はごく少数の募集予定なので、スキルを使ってしまおう。それに現時点ではあまり魔法研究所の存在は表に出したくないしな。


「よし、スキルを使って人材を探すとしよう!」


探すと言えば【探索】スキルだ。


「レネアの助手に最適な人材を指定して【探索】! 条件は多くの人や種族と無難に折衝できる性格、多様な業務をこなす能力、信用を大切にし、王国への忠誠心が高いこと、それとレネアと気性が合うこと!」


王国全土で【探索】したが、反応がないな……ダメか……




んん!?




一カ所反応があるぞ!


良かった。一カ所とは言え、反応があった。すぐ行こう。


――――

――――――


<王都の郊外>



【探索】結果に従い、反応があった場所に【転移】したが――


「この家は以前、来たことがあるな……」


とにかく確認しよう。


トントン!


「は~い」


女性が扉を開ける。


おお!この顔は見覚えがあるぞ!


「えっ!国王陛下ですか!?」


「君は以前、スリ犯罪集団から救った少女だったかな?」


「そ、そうです。やっぱり国王陛下ですね!」


この声を聞いて、家の中から他の家族も集まってきた。


「「どうぞ、中へお入りください。どうぞ、どうぞ」」


 中は父親、母親、子供四人の六人家族、あの時と変わりない。みんな元気で良かったなぁ。子供達はやはり大きくなっているな。


父「以前は助けて頂いて本当に感謝しております。国王陛下のお陰で怪我も治り、仕事にも復帰できました。見舞金で窮地をしのぐこともできました。家族揃って、あの時の御恩を忘れることはありませんでした」


母「お陰様で、あの後、子供達もクライスナー学園に通うことができ、長女と長男は卒業できました」


 あの時、誘拐されたのが長女で、スリ集団にスキルを無理強いさせられたのが長男だったな。それにしても二人ともクライスナー学園卒業とは凄い。この学園は平民向けの学校としては王国一なんだよな。


【探索】スキルで照準を合わせると、この二人が反応してる。それなら――


僕「実は今日来たのは二人に仕事の紹介なんだ」


長女「私と弟ですか?」


僕「そうだ」


長男「どんな仕事でしょうか?」


僕「場所は王宮の近くの魔法研究所という施設なんだが、ここで僕の娘が魔法の研究と魔法アイテムの制作をすることになっていてね。その手伝いをして欲しいんだ」


 ・・・


一同、しばし茫然とするが、少し間を置いて――


父「す、凄いじゃないか!二人とも! こんなチャンスはまたとない。しかも国王陛下が自ら紹介に来られるなんて、あり得ないことだ!」


母「そうね! 国王陛下にはご恩もあるから、恩返しのつもりで働いてみたら」


すると長女が少し考えてから――


「私にどこまでできるか分かりませんが、お役に立てるよう頑張ります!」


弟(長男)も――


「僕もお役に立てるよう頑張ります!」


良かった。これでレネアの助手が決まった。


 話をしたら、姉の名はリーベ、弟の名はロッツ、二人ともクライスナー学園を卒業して、仕事をしていたが、丁度(運良く?)、仕事が途切れていたらしい。なんて好都合だ。当然二人は正規の助手として役人並みの待遇を予定してるので、その説明もしたが、両親が泣いて喜んでいた。


「国王陛下が直接、スカウトに来られるなんて、名誉なことです」


と言われたが、言われてみれば、確かにそうだな。ははは。


 レネアが十四才だから、二人の方が少し年上だな。リーベは十八才、ロッツは十五才か。年上の方がしっかりしてるし、また年も近いからレネアのいい相談相手にもなるだろう。



※補足説明※


姉弟については


第215話 スリ集団

第216話 スリ集団2


をご参照下さい。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、評価、ブックマークをして頂けると大変有難いです。

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