第1805話 財政健全化15
続きです。
移民制限案を聞いて、冷たいと思った人がいるかもしれないが致し方ない。現在、日本は国の収支が赤字であり、借金(国債発行残高)が1,200兆円を超える状態だ。財布の紐を閉めざるを得ない。いつまでも経済大国気取りで、余裕ぶっていてはいられないのだ。
これまで外国人に生活保護を支払ったり、健康保険制度をただ乗りさせてきたが、そんな酔狂なことは続けられない。ない袖は振れないのだ。日本が今しているのは、借金して未来の子孫に負債を背負わせ、外国人を救っているのと同じこと。こんなことを続けていたら国が滅ぶ。
これまで日本人は外国人に優しすぎた。在留許可さえ下りれば、ホイホイ健康保険に加入させていたからな。役所で住民票の転入手続きをすれば、ほぼ同時に健康保険に加入できる。そんな国、日本ぐらいだろう。あの北欧ですら、そう簡単にいかない。だから、それを目当てに日本への移住を目論む外国人がたくさんいる。日本の皆保険制度は世界的に見て素晴らしい内容で羨望の的となっているのだ。
※補足※
2012年に外国人登録制度は廃止され、現在、中長期在留外国人は在留カードまたは特別永住者証明書を持ち、日本人と同様に住民基本台帳に登録されます。日本に3ヶ月を超える滞在予定の外国人は、入国後14日以内に居住地の市区町村窓口で、在留カード等を持参し、住民登録(転入届)と住居地(在留カード)の届出が必要です。
ここは心を鬼にしてでも、未来の子孫のために財政を守らなければならない。日本はもう、ええ恰好しいをする余裕はないのだ。外国人が可哀そう、と思う人は自らの私財で援助すればいい。彼らはすぐに人権を主張するが、それを言うなら、日本の子供たち、これから産まれる子孫にも人権がある。それに最悪、外国人は自分の国に戻ることがきるが、日本人は他に逃げ場がない。多くの日本人は日本でしか生きていけないのだ。であれば、日本人を優先するのは当然の話。
外国人が日本に来るのは、興味を持ったり、好きになったり、もあるだろうが、単に興味と好きだからで来る人はいない。そこに個々人の都合なり計算なり思惑がある。だから、その状況次第では容易に日本から去ることもある。実際、出稼ぎは多いしね。彼らは日本と母国の二股をかけた状態であり、その重心は母国にある。それに対し、日本人は日本一筋であり、日本に全振りの状態だ。もし、あなたが恋人を選ぶ際、自分一筋の人と二股をかけてる人(しかも本命は自分じゃない)、どちらを優先するか? 答えは明白だ。
そうそう、外国人絡みで援助について少し。
援助の実態について言えば、貧しい人にお金が集まるのではなく、「貧しい人にお金を配ろう」と言う人にお金が集まり、可哀そうな人にお金が集まるのではなく、「可哀そうな人にお金を配ろう」と言う人にお金が集まる。という現実がある。「被災者を救おう」「孤児を救おう」「難民を救おう」など呼びかける声を聞いたことがあるだろうが、実際のお金は、被災者、孤児、難民などに集まるのではなく、声をあげた人に集まる。
なぜ、そうなるのか?
それは、人は可哀そうな人にお金を出すのではなく、可哀そうな人を表現した人にお金を出す性質があるからだ。世界のどこかに可哀そうな人がいても、知らなければ、人はお金を出さない。だが、そういう人がいると表現し、イメージさせてくれた人になら、お金を払う。
ある作家がある模範的人物について本を書いたとしよう。その本を買って読んだ人は模範的人物の生き様に共鳴したり、感動したりするかもしれないが、本の売上金は模範的人物ではなく作家に入る。どうしてそうなるのかと言えば、読者がその人物が模範的人物であることを知ったのは本を通してであり、裏を返せば、本を出したことより、その人物は(読者の中で)模範的人物になったとも言えるからだ。
だから、貧しい人も、可哀そうな人も、助けを必要とする人も、そう表現する人がいて、多くの人は頭の中でイメージし、貧しい人、可哀そうな人、助けを必要とする人、を初めて認識する。話を聞く前は存在すら認識していなかった。
その流れから、大衆は頭にイメージさせたくれたお礼(お返し)として表現者にお金を払う。本来は本人に払うべきだが、大衆は本人ではなく、「本人に関するストーリー(哀れな話など)」を提供してくれた表現者にお金を払うことになる。
演技をした役者ではなく、興行した人にお金が集まり、働いた人ではなく、経営者にお金が集まるように、お金を生み出す原因をつくる人と、お金を集める人は異なるケース多く、主導権を取るのはたいたい後者となる。前者がお金を生み出す原因をつくるが、それを価値化(金銭化)するのが後者。後者がいなければ前者の状態や行動はお金を生み出すものとならないからね。
心臓手術が必要な子供がいても、ただ単に、その状態であるだけでは、子供のもとに一円もお金は集まらない。「心臓手術がしないと助からない命があります。助けて下さい」と大衆に訴える人(本人以外)がいて、初めてお金は集まる。本当に困っている人(本人)は進退極まっており、ヘルプを求めることすらできないものだ。
この構造があるがゆえ、支援団体が存在し、大衆と弱者の橋渡しをするわけだが、中にはそれを悪用し、弱者ビジネスとして儲ける連中がいたりする。何しろ大袈裟なストーリーを描けば、お涙頂戴でいくらでもお金が集まってくるからね。それで集めるだけ集めてドロン。
残念ながら、こうした募金詐欺は多い。難民支援、被災地への支援や義援金、動物愛護、平和、社会福祉、復興など社会的に同情が得やすい事柄で人々の善意を誘い、お金を巻き上げるのだ。最近は外国人関連も多いが、その一部が不法移民に流れ、不法滞在を助長してるという指摘がある。不法滞在をほう助するなら、その者も不法行為をしてることになる。
在留資格のない外国人(不法滞在者)の不法残留や不法就労を助ければ、「不法就労助長罪」(入管法第73条の2)などで処罰の対象となり、雇用主やあっせん者だけでなく、住居提供や生活費支援などを行った者も違反となる。罰則は厳しく(将来的に5年以下の懲役・500万円以下の罰金)、過失でも問われ、企業も両罰規定で処罰される。不法滞在は、多くの場合、日本で手引きする連中がいる。不法滞在者はもちろんのこと、こういう連中もどんどんしょっぴかないとな。
さて、この件はこれぐらいにしておこう。次は(十一)デジタルの強化だ。
と、その前に日本の経常収支を確認しよう。
これが2024年度の経済収支の数値だ。
貿易収支 -6兆6,247億円
サービス収支 -4兆0,480億円
第一次所得収支 41兆7,114億円
第二次所得収支 -4兆7,095億円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
経常収支 30兆3,771億円
・貿易収支(Goods Balance)
モノ(自動車、機械など)の輸出から輸入を差し引いたもの。
・サービス収支(Services Balance):
国際間の「サービス」のやり取り。具体的には、訪日外国人旅行者
(旅行収支)や特許使用料などが含まれる。
・第一次所得収支(Primary Income Balance)
海外の株式や債券からの配当、海外子会社からの利益の受け取り
(第一次所得収支)など、投資から生じる収益の収支。
・第二次所得収支(Secondary Income Balance)
政府開発援助(ODA)や国際機関への分担金など、
対価を伴わない贈与や援助の収支。
経常収支は、貿易収支、サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計であり、日本はこれが30兆円だ。トータルで見れば、いい数値なのは間違いない。あまりピンと来ないかもしれないが、これは、高度成長期、バブル期を含め、過去最高の数値となる。実は大騒ぎしてもいいぐらいの数字なのだ。
ピンと来ないと言ったのは、マスコミなどが貿易収支の赤字ばかり取り上げる状況を察してのこと。だが、国にとって本当に大事なのはトータルで見た経常収支の方だ。部分ではなく全体。偏向報道にミスリードされてはいけない。日本経済はトータルで見て決して悪くない。というか、かなり良い。
それなのにマスコミは「貿易でどこそこの国に負けた」「もう貿易で食べていけない」「日本の未来は暗い」等とネガティブなことばかり言う。これこそ典型的な切り取り報道だ。
日本は構造転換期の30年で、海外に工場を移したため、国内からの輸出が減り、貿易収支の数値が下がっているが、海外の工場が稼ぎまくり、そこから大きな利益を受け、国内の輸出不振を補って余りある。それに貿易赤字が膨らんだ大きな原因は、何と言っても石油などの輸入が増えたからだ。稼働できる原発まで停めるという過去の愚かな決定が、日本の膨大な国富を海外に流出させている。ただ、現在この流れを変えるべく、原発を再稼働し、割高な石油から他の割安な資源にチェンジするなどして動いているので先行きは暗くない。
第二次所得収支も赤字だが、これは海外援助なので問題ない。但し、援助先や援助内容については、きちんと吟味してもらいたい。国際貢献なので、当該国の発展に役立てばいいが、権力者のポケットに入ったり、目的外のことに使われては困る。当然、日本の国益に適う必要があるだろう。過去、日本からお金を受け取りつつ、日本の国策に反する行動をする国があったが、そのあたりもシビアに見なければならない。そのお金は日本国民の血税からなるものであり、国際貢献と言えど、国益を優先するのは当然のことだ。間違っても、日本にミサイルを向け、領土・領空・領海を侵犯するような国に援助するべきではない。
問題はサービス収支の赤字だ。
日本のサービス業はGDPの7割を占め、就業者数も6割を超え、既にモノよりサービスを売る方が多い国となっている。また対外的にも、おもてなしの国を掲げ、サービス業に力を入れているが、実は国際収支では赤字なのだ。
サービス収支は、日本(人)が外国(人)にサービスして得る収入と、逆に、日本(人)が外国(人)にサービスしてもらったことにより払う支出の差額になるが、後者が多い。実は日本は、おもてなしするより、おもてなしされる方が金額的に多い国なのだ。意外かな?
サービス収支の中には、
旅行収支、特許使用料の収支があり、どちらも日本は黒字。
だが、その黒字を打ち消し、大きく足を引っ張っている収支がある。
それがデジタル収支の赤字だ。
これは「デジタル貿易赤字」とも言われ、近年、問題視されている。日本が海外のデジタルサービス(動画配信、クラウド、アプリ、広告など)を利用する代金の支払いが、日本が海外から得るデジタル関連収入を上回り、収支が赤字になっている。
2024年度のデジタル貿易赤字は6兆7,772億円で、10年前の3倍以上に増えている。この金額は旅行収支の黒字、6兆6,864億円より多い。インバウンドにより、多くの外国人が訪日しているので、サービスで儲けているイメージを持つ人は多いだろうが、実はデジタル分野で日本はその稼ぎを吐き出してしまっているのだ。
楽観論もある。トータルの経常収支で黒字だから、部分的に赤字でも問題ない、と。また、経済学の理論では、リカードが提唱した「比較優位の原則」という考え方があり、これによれば、貿易では自国の得意とする分野(比較優位の分野)の輸出に特化して、不得意な分野(比較劣位の分野)は輸入に頼ることが、お互いの国にとって利益となる。サービスの貿易も同様。現在の日本の主要な輸出製品(サービス含む)は自動車や半導体製造装置、インバウンド(観光・宿泊関連など)、主要な輸入製品はエネルギー資源、スマートフォンなどの電気機器、デジタル関連ということになるだろう。
また国家レベルで見れば、デジタル貿易赤字があっても、それにより手に入れたデジタルサービスを活用して他の収支の部分でデジタル赤字以上の黒字を得られれば全く問題はないという考えもある。例えば、日本の会社や観光施設が、外国の動画サイトやSNSを使うことにより、外国人のお客さんが増え、注文が増える等は分かりやすいだろう。持ちつ持たれつなのかもしれない。
ただ、日本のデジタル貿易赤字は国際比較が可能な指標を見ると世界の中で突出しており、OECD加盟国において最大で、実質的に世界最大のデジタル貿易赤字国だと指摘する意見もある。経済産業省が2024年10月に公表した試算によると、2030年にはデジタル貿易赤字が10兆円に達し、2024年の原油輸入額に肩を並べる規模になる見通しだ。今後10年間で、赤字が3倍に拡大するという試算もある。
いくら何でもそれはマズい。赤字そのものはサービスの享受(対価)によるものだから、仕方ないとしても、それがどんどん増えるのは見過ごせない。国内のデジタル技術基盤の強化が急務となってくる。
そのためには、魅力的なITサービスやアプリケーションを開発し、海外市場へ展開する。海外企業との提携を通じて、日本発デジタルサービスの開発を促進する。政府が海外進出支援制度を拡充する。などが必要になってくるだろう。
ただ何だろう。デジタルと言えば聞こえはいいが、主にプラットフォームという電脳空間を貸して、お金を取る商売であり、身も蓋もない言い方をすれば、他人の上前をハネる商売だ。現実的な生産活動はしていない。僕から言わせれば虚業もいいところ。
虚業であるが、その虚業が世界で大きな影響力を持っている。その筆頭がアメリカのGAFAという巨大IT企業群(4社)であろう。GAFAの売上高の合計は、約1兆4,000億ドル(200兆円)を超え(2023年)、4社の株式時価総額の合計は約9兆ドル(1,200兆円)に達する。
問題はその規模だけではない。最も危惧されるのは、勝者総取りで、強力な市場支配力を持ったGAFAが、世界中の人々からあらゆる情報を独占的に集め、分析し、人々の行動を予測し、影響を与え、人々をコントロールしているという点だ。検索で表示されるデータもある方向に誘導している。
GAFAは新自由主義の政策を進める国家権力や諜報機関と深く結びつき、時には一体となって個人情報やプライバシーを守る法律を骨抜きにして、個人を監視下に置き、社会全体を新たな形で支配しようとしてるのでないかといいう懸念がある。
アメリカは貧富の差が大きくなっているが、それにもGAFAが関わっている。GAFAが大きくなればなるほど、GAFAに富が集中すればするほど、中間層が減少し、低賃金労働者が増大するのだ。
以上から言えるのは、日本はGAFAのような虚業ビジネスを目指すべきではないということだ。あくまで、ものづくりを中心とした実業を中心にするべき。ただ、その上で、GAFAのような海外勢に対抗できるデジタル技術を確立しないとな。一方的にやられ放題でIT植民地のようになる訳にはいかない。
そのためにも法整備だな。プラットフォーマーや巨大IT企業への課税が現行税制の抜け穴となっていることがGAFAの荒稼ぎを助長している。GAFAはインターネットを活用して世界で事業を展開しているが、進出先に支店や工場を置かないことが多く、物理的拠点を持たないとの理由で、海外であげた収益への課税を免れるケースが多い。
日本で日本のものを日本の生産者から買って、日本の運送会社が家まで届けてくれても、それがアメリカのプラットフォームを経由したものなら、アメリカに資金が流れ、その利益に正当な税が課されない。これはいくら何でもおかしいだろう。実際、日本以外の多くの国もそう考えており、国際的に規制強化の動きが出ている。日本で商売するなとは言わないが、せめて日本で稼いだ分は税できちんと納めるべきだ。
あと、国内の事業者を使うよう心掛けるといいが、それには事業者のさらなるサービス改善が必要となるだろう。こう言っては何だが、こういう事態になったのは、国内事業者のサービスが海外事業者のサービスより見劣りしたことが大きいからね。ダボハゼのようにあちこち手を出さず、主力事業であるネット通販にもっとリソースを注ぐべきと個人的には考える。それにサービス内容の改悪がね……。
通販に限らないが、ネット商売の多くが、新規でお客さんを集める際はサービスを良くし、ある程度、集まったら、手のひらをかえすようにサービスを悪くするのが常態化している。事業者はうまくやっているつもりかもしれないが、こんなことばかり繰り返していたら、消費者の信用を失ってしまう。目先のことばかり考えず、もっと先を見据えてビジネスしないと。
本来、日本で商売するなら、
外国企業より日本企業の方が有利なはずなのに、
ネット通販の分野で外国企業の後塵を拝している。
1位 A社 推定8.1兆円
2位 R社 推定5兆9,550億円
3位 Y社 推定1兆7,506億円
これは国内の三大ショッピングモールの2024年の売上だが、1位はアメリカ企業の日本法人だ。他にもショッピングモールはたくさんあるが、この3社が群を抜いており、その中でもA社が飛びぬけている。
ちなみに日本の自動車メーカーT社の2023年3月期決算における北米市場の売上は10兆7,891億円だ。A社の売上はそれに迫まる勢い。また自動車と違い、ネット通販は手数料商売のため、原価がほとんどかからず、利益で見たら既に抜かされているだろう。
自動車メーカーのT社がアメリカで稼ぐ額より、ネットビジネスのA社が日本で稼ぐ額の方が大きい。この事実は認識しないとね。日本は自動車輸出などにより、アメリカとの貿易収支で黒字だが、逆にネットショッピングなどでは食い込まれ、デジタル分野では、サービス収支の赤字となっているのだ。
赤字そのものは仕方ないが、どんどん増えることは抑制しないと。現在、日本は経常収支で30兆円の黒字だが、これだって今後、サービス収支の赤字(デジタル貿易赤字)次第では吹き飛ぶことだって、ありうる。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。
書籍化作品へのアクセスは下記のリンクをご利用下さい。




