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第1799話 財政健全化9

 九千文字達成

 王城から自分の城に戻り、ひとり執務室のロッキングチェアに揺られ、ゆるりとくつろぐ。これまでライナスはじめ多くの関係者に、財務諸表、プライマリーバランス、無借金主義、物価安定主義など、いろいろ財政上のアドバイスを行い、国政に役立ててもらっているが、これらの知識の多くは、マイ図書館を通じて前の世界から得たものであり、この世界だけでは得ることができなかったものだ。


『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』


 これはドイツの鉄血宰相、オットー・フォン・ビスマルクの言葉だ。愚かな人は自分の失敗や体験からしか学ばないが、賢い人は過去の多くの人々の経験(歴史)から学び、同じ過ちを繰り返さず、より多くの教訓を活かして成功する。


 結果にこだわらず、失敗してもいいと思っているが、さりとて最初から成功を目指さず、失敗してもいいや、という、いい加減な気持ちでも困る。失敗に価値が生じるのは成功しようとして成功できなかった場合だ。失敗そのものに価値がある訳ではない。失敗から反省して学ぶことに価値があるが、失敗してもいいや、という、いい加減な気持ちでは、反省も学びもしようと思わなくなるからな。


 失敗してもいい。


 だが、それは成功するために努力した人だけが言える言葉であり、成功しようと真剣に取り組んだ人だけが言える言葉だ。まぁ、そういう人は口に出しては言わないだろうけどね。心の奥で秘める。


 経験は確かに大事だが、自分だけの経験で到達できる高さはタカが知れている。より高い境地を目指したければ、他人や先人の経験を積極的に活用するべきだ。それにより他人や先人の人生を間接体験でき、人生の幅を広げることができる。


 人は自分の人生だけでなく、他人の人生も間接的に生きることができる。前者だけの人は人生の幅が狭く、それゆえ輪廻転生の回数が増えることになる。他人の気持ちを想像できなければ、他人に生まれ変わるしかない。


 僕にとって経験は前の世界も含めたものだ。前の世界の事象を見渡せば、僕がする前に多くのことを先人が実行し、まるで先導してくれているように見える。うまくいった道はそのまま通ればいいし、穴に落ちたなら、その道を避けることができる。壮大な社会実験をしてくれているようなものであり、人格と記憶を持ったまま、この世界に転生できて良かったと思うことがしばしばだ。


 この世界に来た当初はそこまでの深い意味に気付かず、獲得したスキルに夢中になっていたが、やがてスキルの自重を心がけるようになり、その頃から、スキル以外の力、知識の重要性に気付くようになり、その後、マイ図書館を獲得して、さらに研鑽を積み、今の心境に至っている。


 マイ図書館を通し、前の世界の情報はジャンルを問わず、いろいろ物色しているが、娯楽分野では異世界ものが流行っているようだ。異世界を志向するということは、おそらく今いる世界に何かしらの不満があるのだろう。


 今いる環境に抑圧され、どうしようもない、やるせない日常を送り、何とかしたいという思いがエネルギーとなり、異世界というファンタジーワールドを志向するようになったに違いない。でもこれは、形は変われど昔からあった。夢の国やおとぎの国もそうだし、昔話や異聞もそうだし、天国や極楽などもそうだろう。今いる世界は苦労が多いが、夢想すれば、一時そこから離れることができる。


 その中でも面白いのが異世界転生ものだ。これは今の世界の人格と記憶を持ったまま、異世界に転生するもので、まるで今の僕のよう。でも考えたらそうなるのも頷ける。もし人格と記憶を持たず、他人として転生したら、元の世界にいた時の視点が消えてしまう。


 これだと天国のような環境に生まれても、その有難みが分からない。読者からすれば、客観的に分かるのかもしれないが、肝心の主人公がそう思っていなければ感情移入することができない。同じようなストーリーでも、主人公に元の世界の人格や記憶が有るか無いかで、読者の受け止め方が、だいぶ変わってしまう。


 主人公に日本人の視点があるからこそ、日本人である読者も同調しやすくなる。中には転生なしで最初から異世界で始まる作品もあるが、それでも多くの作品の主人公は暗黙の了解(お約束)として日本人的思考を持っていることが多い。外見は異世界人でも、言葉遣いや趣味や趣向、笑いや怒りや悲しみのツボなど、日本人そのもの。


「なんで異世界で日本っぽいんだ?」と、ツッコミがあってもおかしくない。「だが、それでいい」となる。そうでないと当の読者が物語に入っていけない。もちろん作者もね。書くのも読むのも日本人なら当然そうなる。だから「お約束」なのだ。異世界の人がみんな日本語を話していることからして、そうだしね。


 異世界という、よく分からない世界で、ルールも勝手も違う中、主人公だけが日本人的だから、読者は主人公に感情移入できる。実はこれ、異世界ものに限らず、他の作品にも同様のことが言える。読者は主人公に自分と共通するものを見出し、作品世界に没入するものだ。当然、作者もそう。


 主人公が単に異世界に生まれて、あれこれ行動しても、読者から見て、文字通り、異世界のどうでもいい出来事にしか見えなければ同調しづらいだろう。だが、主人公が読者と同じ世界から、人格と記憶を持って異世界に生まれたなら、その異世界は読者の世界とリンクし、同調しやすくなる。


 そして、今の僕も前の世界とリンクしてるから、前の世界の出来事が絵空事ではなく、この世界の出来事のように感じることができる。特に僕の場合、この世界に来てから、日本の情報でかなり助けてもらっていて、恩返し的な意味で日本に良くなってもらいたいという思いがある。


 今の日本は様々な問題を抱えているが、その中で財政問題は大きいだろう。どんな政策をするにしても、お金の話は切っても切り離せない。防衛、少子高齢化、外国人問題、食の安全性、農業、各種産業保護なども大事だが、いずれもお金が絡む問題だ。


「〇〇をします」と言っても、「じゃあ、その財源は?」となるからな。財源を示さずに政策だけ言っても説得力がまったくない。そこで財政健全化だ。これをするには、毎年赤字を垂れ流し、借金を増やすばかりの財政運営を何とかする必要がある。それで以前、改善策を考えたが、現状の日本はどうなっているだろうか。


  (改善策)   (現状)

(一)増税     ステルスで増税予定

(二)インフレ   ステルスで実行中(国債発行)

(三)デノミ    検討中?

(四)防衛     実行中

(五)無駄の排除  準備中

(六)資源の開発  実行中


 今回は順番を前後して論じよう。先ず、改善策の(三)だが、破産を「デノミ」(通貨の切り下げ)に改めた。破産は僕の希望するものではまったくなく、あくまで可能性のひとつとして示したものだが、今の日本が破産するなんて、どう考えても有り得ないことなので修正し、より現実味のあるデノミにした。これならあり得る。もちろん、これもないほうがいいが、可能性としてね。


 日本に限らず、どこの国もインフレ政策をステルスで実行しているが、物が100円、500円、1000円と値上がりしたら、どこかの時点で、デノミをやらざるを得なくなる。財布に紙幣がパンパンではきついし、紙幣の枚数が増えれば、現金取引にも影響が出るからね。その時、強制的な値下げにより、物の資産価値が暴落し、庶民の痛手は相当なものとなる。


 日本政府発行の国債を1000万円分持っていたのに、新円切り替えにより、1000万円が100万円になれば、国債も100万円分の価値しかなくなってしまう。そうすれば、国は労せず、借金を減らすことができるのだ。ここまで極端にはないだろうが、半分ぐらいの価値にするとかは有り得そう。痛み分けのような理屈でね。そして、皆と一緒なら苦労を分かち合えるという日本人の気質からして、嫌々ながらも、それを最終的に受け入れるだろう。


 と言っても、現在、政府にデノミの動きはないし、その兆候もないが、将来のインフレを見越し、財務当局は、シュミレーションのひとつとして思案してるのではないかと推察している。政治家がよく使うセリフ、「あらゆる可能性を排除せず」という通りにね。


 それと(四)の戦争を「防衛」に改めた。日本から他国に先制攻撃することは有り得ないので、この方が適切であろう。但し、日本を攻撃しようと準備してる敵基地の攻撃は視野に入れる。これは主にミサイル発射場を指すが、ミサイルは飛び道具であり、こちらに向け、発射準備に入った段階で、攻撃とみなすのが軍事の常識だからな。これは専守防衛と矛盾するものではない。


 防衛については現在、予算増額中で、逆に財政を圧迫するものとなっているが、これは致し方ない。その中でも、とにかく国益を考え、なるべくお金をかけず、かつ命のリスクを減らし、コスパのいい防衛をしてもらいたい。それにはミサイル防衛の強化、核シェアリングの議論、準同盟国(有志国)の増加、認知戦(情報戦)対策は欠かせない。


 核については、最終的に持つかどうかはともかく、いつでも持てる(既に持ってる)と匂わすことに意味がある。実際、日本は潜在的核保有国と噂され、絶妙なバランスを取っているので、そのまま、その路線を進めばいい。


「やられてもやり返しません」「平和で無抵抗です」じゃダメ。「やられたらやり返す」「そちらも痛い目を見るぞ」という姿勢を見せること。他者への攻撃や復讐は望むものではまったくないが、現実の世の中はそうしないと自分の身を護ることができない。「こちらからは攻撃しませんので、そちらも攻撃しないで下さい」という善意が通じるほど、この世界は甘くない。平和で無抵抗な国が真っ先に狙われる。第二次大戦のドイツも、いきなり、イギリス、フランス、ロシアという強国と戦うことはせず、オーストリア、チェコスロバキアなど周辺の弱国を併合することから始めた。


 ちなみに北朝鮮は核ミサイルの実験で成功を主張しているが、その技術レベルや弾頭小型化の精度には国際社会から疑問の声があり、張子の虎の可能性が高い。でも、それで一定の抑止力は出ているようなので馬鹿にできない。善悪、やり方はともかく、あの国はあの国で生き残りをかけ、最貧国という逆境をバネにし、コスパのいい方法として、今のやり方に辿り着いたのだろう。まったく褒められたものではないが、国を守ろうとする点だけは理解しないでもない。どこの国にも自衛権はある。日本は北朝鮮を国として認めてないが、あのような国でも約120か国が国家承認し、国交があるんだよな。孤立してるというが実際はそうでもない。内容はともかく、お友達はいるようだ。


 張り子の虎と言えば中国も同じ。既にバブルが弾け、国内経済は急降下中。外には威勢よく振舞っているが、その実、余裕はまったくなく、戦争などできる状態ではない。10億の民を食わすことで汲々としている。バタバタと企業が倒産して失業者があふれ、公務員を含め、あちこちで給与未払いが発生し、銀行のATMで引き出し制限が起きている。国民が日に日に不満を膨らませ、それを当局が力づくで抑えている状況だ。


 そんな状況だから、富裕層も企業も国外への逃避が続出している。今この状況で中国へ進出するとしたら、余程の世間知らずか、命知らずか、思考が残念な人か、工作員に騙された人か、工作員本人であろう。


 冷静に考えれば、今の中国は戦争できるような状況ではない。だが、国内の不満を外に向け、体制の維持を図ろうとしてるのだろう。それで、外に対し戦争も辞さないかのような威勢のいいことばかり言う。だが余程、短期で勝利を収めない限り、無謀の戦いとなるだろう。一昔前の権謀術数に長けた姿はどこへやら、今の中国は、ギャーギャー騒ぐだけの北朝鮮のようになっている。日本は中国とその工作員の出す情報に惑わされず、粛々と冷静に対応すればいい。


 尖閣諸島近くに中国の船が来ても慌てる必要はない。あまり情報が出てないが(出ない方がいいが)、日本には海底センサーがある。これは東シナ海から日本海を網羅して張り巡らされており、中国の船が尖閣付近に入れば、続々とデータを落としてくれる状態だ。船舶固有の磁気、艦船の規模、エンジン音、スクリュー音など、すべて記録される。


 先日、台湾を包囲して中国海軍が威勢よくドンパチ演習したが、あのデータも日本に渡る。中国の船が日本の領海付近に入れば、位置が丸わかりで、いつでもロックオン(ミサイル照準を目標に合わせる)可能だ。


 日本は専守防衛があるから、先に撃たないが、万一、中国海軍が先に仕掛け、尖閣諸島に入ってきたら、日本は迎撃可能となる。だから中国も尖閣上陸に及び腰だ。また、尖閣諸島が日米安保条約の適用対象だとアメリカ政府が明言してるので、上陸した瞬間、アメリカ軍も動くことが可能となる。実際に動くかどうかは別にして、この瞬間、アメリカは中国を攻撃する正当性を得ることになるので、普通に考えたら、しないだろう。


 中国上層部の本音はこうだろう。やるぞ、やるぞ、と見せかけて、本当は分の悪い戦争なんかしたくない。やると脅して日本が自分から譲歩するのを待っている。以前の媚中内閣だったら、その可能性があった。だが今の内閣は違う。言うべきことを言う。当たり前のことだが、その当たり前のことを以前の内閣はできなかった。中国の留学生や移民を受け入れ放題だったもんな。


 中国が、やるぞ、と脅してきたら、弱腰でへこへこ、あたふた対応するのではなく、毅然とした姿勢を見せ、冷静かつ現実的に粛々と対応すればいい。甘く見るのは禁物だが、歴然とした事実を言えば、中華人民共和国という国は戦争でこれまで一度も勝ったことがない。朝鮮戦争でアメリカ軍に半島からけんもほろろに追い出され、ベトナムにちょっかいを出しても叩き出され、本職の軍相手では情けないほど本当に弱い。流石、三十六計逃げるに如かずの国。強いのはウイグルやチベットなど武器を持たない一般人に対してだけだ。


 それと、日本には世界一の技術とも評される潜水艦がある。一般的に世界最強の潜水艦はアメリカ海軍の原子力潜水艦だが、日本の最新潜水艦はある点で原潜を凌ぐ。カギは「高性能リチウムイオン電池」の搭載だ。従来の鉛電池の2倍以上のエネルギー密度を持ち、長時間、浮上することなく高速・静音で水中航行する性能を備えている。潜水艦に求められる性能は、言うまでもなく高い隠密性。敵艦にいっさい探知されずに作戦行動できれば最強であり、その点において海自の最新潜水艦はアメリカ原潜を凌駕する。


 いくら中国の空母や護衛艦が出てきても、日本の最新潜水艦にかかれば、大きな的に過ぎず、しかも向こう側は日本の潜水艦を捕捉することすらできない。海の防衛については技術もそうだが、長年の蓄積がものを言うので、海の実戦経験のない大陸国にそこまで心配は要らない。もっとも警戒すべきは空からの攻撃(飛び道具)であり、これはやはりミサイル防衛が効果的だ。


 だから、中国に近い沖縄諸島などを中心に粛々と大陸(北京や上海)に届く

 長距離ミサイルを配備すればいい。これだけで中国は日本に手が出せなくなる。


 だが、中国はそれをされては困るので、工作員を使って必死に妨害するだろう。


「中国は大国であり、逆らうべきでない。日本が負ける」

「ミサイル発射場を設置したら中国に狙われる」


 などと言うが、中国はどこの国にも勝ったことがなく、実は大したことはない。日本は過去、日清戦争で勝ち、日中戦争で負けたことになっているが、日中戦争は共産党が山奥に逃げてしまい、ほとんど戦っていない。だから、実際は日本の勝ち(不戦勝)だ。相手がリングから逃げたんだから、そう考えても差し支えない。怖い日本軍が引き揚げたところを見計らって、山奥から戻り、一方的に勝利宣言した。客観的に見て、かなりダサい。リングから下りて逃げ回っていた癖にね。


 あと、ミサイルで狙われるというが、元から日本は中国からミサイルで狙われているので今更の話だし、因果が逆だ。日本が狙うから中国が狙うのではなく、中国が狙うから、やむなく日本も狙わざるを得ないというのが正しい。


 いろいろ論じたが、最終的に中国共産党体制が内側から崩壊し、複数の地域に分裂するのではないかと予測する。漢民族を含め56の民族から成る多民族国家で、しかも、あんな広い地域を一か国で統治するのはそもそも無理がある。無理があるから、一党独裁体制を敷いた。三国志のように複数に分裂すれば、互いに牽制し合うので、外どころではなくなる。その方が世界にとって余程いいだろう。中国の人もそれにより、大国風(中華思想)が鳴りを潜め、傲慢を改めることになるだろうから、彼らの為にもなる。


 さて、次は(一)増税だ。と、その前に政府は年末駆け込みで年収の壁を引き上げることを決定したんだよな。これは2026年度の税制改正により、所得税の非課税となる年収の範囲(壁)を178万円まで引き上げることで、納税者の約8割が対象となる減税措置だ。国と地方を合わせて約7,000億円の税収減が見込まれている。


 政府は物価高に苦しむ国民に寄り添い、減税してくれた。このことばかりが報道されるが、本当にこれで国民の生活は楽になるのだろうか? 答えは残念ながら、ノーである。


 というのも、政府は減税を決めながら、もう一方で増税することも決めているからだ。それは、こども家庭庁が進めてきた、「こども・子育て支援金」だ。通称、「独身税」と呼ばれ、2026年度から社会保険料に上乗せして徴収される。制度全体で年間約1兆円の財源確保(増税)を目指している。これでは減税効果は吹き飛び、むしろ増税となるので国民の生活は苦しくなる。


 7,000億円の減税をしながら、1兆円の増税をすれば、

 プラマイ、3,000億円の増税だ。


 政府のやり方はいつもこう。アメを見せつつ、しっかりステルスでムチをふるう。消費税と法人税の時もそうだったが、目立つところで国民受けすることをやってアピールし、陰でこっそり、国民受けしないことをするのはゲンナリする。結局、今回の場合、ステルス増税だ。しかも、減税分は固定されるが、増税分は今後も段階的に上がる含みがあるので質が悪い。


 そもそも、こども家庭庁は少子化にまったく成果が出ておらず、廃止ないし縮小すべき組織である。にもかかわらず、そこにさらに収入源を与えるのだから、首をかしげざるを得ない。泥棒に追い銭にならなければいいが。


 また、独身税の効果(少子化対策)にも大いに疑問を持つ。これは未婚者の負担を増やし、経済的な不安を招くことより、結婚・出産の意欲を低減させるだろう。若者が結婚・出産に前向きになれないのは経済的な不安があるからであり、その若者をさらに困窮させてどうするつもりだ。


 独身税も他の社会保険料と同様、事業者負担があり、会社勤めなどの被保険者で月500円の負担なら、事業者も500円を負担することになる。事業者の負担分は本来、労働者の成果によるものであるから、これもステルス増税と言える。


 どこかの政党は何かのひとつ覚えのように「手取りを増やす」と言っていたが、独身税が実施されれば源泉徴収され、確実に手取りが減るわけだから、それを承知の上で政府と合意したのであれば、話が違うということになる。プラマイで手取りが増えない可能性は大いにあるのだ。


 また、独身税という通称はミスリードを誘う。独身を悪者扱いしてるのもそうだが、実際には独身者だけでなく、子育てを終えた高齢者や子どものいない夫婦を含む全ての公的医療保険加入者が対象となる。


 そう、独身者だけではない、会社員、公務員、自営業者、75才以上の後期高齢者すべてだ。子どもの有無や婚姻状況に関わらないので、これから結婚する人、結婚した夫婦、子育て夫婦、子供を育て終えた夫婦、すべてが徴収の対象となる。


 このように、多くの国民に関わる包括的な増税が、大した議論もなく決まり、2026年4月から徴収開始されることが決定しているが、これに関しては不思議と野党もマスコミも騒がない。おそらく利権が絡んでいるからだろう。それに、この政策は、少子化を加速させ、日本弱化につながる可能性が高く、ほくそ笑んでいるのだろう。


 最近、というか昔からそうだが、マスコミや野党は日本にとって良い政策(日本強化)に反対し、悪い政策(日本弱化)に反対しない傾向がある。もう若い世代の人は気付いているが、これが上の世代になると、なかなかそうもいかず、これが日本再生の足かせとなっている。


 年齢でレッテル張りするのは良くないとは思うが、特に全共闘世代がね……。主に1960年代後半の学生運動(全学共闘会議)に参加した世代で、団塊の世代に属するが、実際に運動に関わったのはその一部(数%)で、大学の進学率が低かった時代のエリート層という風に呼ばれる人たち。


 彼らは社会変革を夢見て大学紛争や安保闘争、反戦運動などに身を投じ、戦後の日本社会の一時代を築いたとされている。「自由」や「平等」を重視し、既成概念に反発する「全共闘的」な生き方や思想を持ち、とにかく反体制、反政府寄り。こじらせると反社会的になり、暴力も辞さない。


 当時、それが功を奏する場合もあったかもしれないが、今の時代、合わなくなっている。いや、当時も合っていなかったか。全共闘世代とひとくくりにされたら、「あんな連中と一緒にしないでくれ」と思う人は多いだろう。だから、僕も世代で決めつけはしない。全共闘的な思考を持つ人はどの世代でもいるだろう。ただ数が多いのはど真ん中の世代だとは思う。


 社会改革とやらで、世の中が良くなるならいい。だけど実際は、スローガンは耳触りが良くても、中身が伴っていなかった。変えると言うが、どう変えるのか? そのために具体的に何をどうするのか? 結局、したことは、国内に要らぬ闘争階級(分断・対立)を持ち込み、日本を弱らせるだけではなかったか。彼らは常に仮想敵を作り、その敵を攻撃することで、自らの存在意義を保とうとしてきた。だが、もう出番はないので大人しくしてほしい。


 今は、壊すことや、変えることより、守ることが大事だ。


 領土・領海・領空を守り、歴史・伝統・文化を守り、安全や暮らしを守り、食と健康を守り、教育と子供を守り、民族と精神性を守る。また、世界の国々との友好関係を守り、国の信用を守る。同じ国の中で、いがみあったり、足を引っ張りあったり、対立しあっている場合ではない。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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