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第1797話 霊性研究所61~執着を手放す5~

 本テーマはここまで

 講義後の質問タイムは続く。

 怒りについて話をしたが、もう少し補足しよう。


「最初に手放すべきは悪想念の他人に対する攻撃心、その中でも他人に対する怒り、激しい憎悪は特に宜しくない。誰しも怒ることはあるが、問題はその時間をどれだけ早く終わらせられるかだ。カッとなっても1分で収まる人もいれば、1時間も2時間も怒ったままという人もいる。心の奥で怒りがくすぶり続けるんだ。それでも1日2日経てば、ほとんど消える。でも中にはそれでも怒りが消えず、何か月も何年も怒りを引きずる人がいたりする。それはなぜか?」


 なぜか? どうしてか? こう問いかけることによって、皆にも自分事として考えてもらう。僕自身もよく自分に問いかけをするが、他人への問いかけも、実は自分への問いかけだったりする。人は他人に質問して答えてもらうことによって知識を増やし、他人からの質問に答えることによって知識を整理するが、僕の場合、マイ図書館があるから、自分の質問に自分で答えることによって、知識を増やし、整理することができる。でも、その知識を独り占めすることはしない。皆の役に立つ知識は皆で共有すべきと考える。


 さて、もういいだろう。


「ずっと怒り続けるのは、本人が怒りに執着しているからだ。怒りなんてものはだいたい数日でほとんど消える。と言うのも、ほっといても、怒りを忘れていくからだ。『何、怒っていたんだっけ?』という感じでね。だが、執着する人は怒りの場面を何度も何度も頭の中で再生し、何度も何度も怒りの感情を呼び起こす。1の怒りを自ら、10にも20にも増幅させるんだ。これは『怒り』という名の本を何度も読み返すようなもの。1のことを、なぜ、10回も20回も怒らないといけない? 時間と労力の無駄だし、怒れば、その分、業を積むことになり、運命を悪化させる。こんな馬鹿らしいことはない。怒りなんて、さっさと手放すに限る」


 人は『怒り』に限らず、『憎しみ』『復習』などの本を何度も読み返し、何度も悪想念を喚起させる。その根底にあるのは、その悪想念を快く捉える感性だ。悪想念を気持ちよく思い、それに魅かれる自分、これを生きている間にどげんかせんといかん。「わかっちゃいるけどやめられない」も、やめたくない自分が根底にあるからだ。口では、憎しみや怒りを良くないものだと言いつつ、内心でそれを求めている。


 自分の中にある、醜い自分、どうしようもない自分


 そこから目を背ける限り、自分の中の病巣を認識できず、いつまでもそれに振り回される人生が続くことになる。それを治すには自分の内面に率直に向き合うことだ。


 パネルを提示する。


□-------------------------------


  五省


一 至誠にもとるなかりしか

 〔誠実さや真心、人の道に背くところはなかったか〕


二 言行に恥づるなかりしか

 〔発言や行動に、過ちや反省するところはなかったか〕


三 気力に欠くるなかりしか

 〔物事を成し遂げようとする精神力は、十分であったか〕


四 努力にうらみなかりしか

 〔目的を達成するために、惜しみなく努力したか〕


五 不精にわたるなかりしか

 〔怠けたり、面倒くさがったりしたことはなかったか〕


□-------------------------------


 これは昭和7年、日本の海軍兵学校で創始されたものであり、現在の海上自衛隊にも引き継がれている教えだが、いい教えなので、ここでも広めさせてもらう。


「これは、五省と言って内省を促してくれる。日常の中で取り入れると

 いいだろう」 


 人は内省し、自問自答することによって、自分の中の幹を太くしていく。


 パネルを提示する。


□------


 短気は損気


□------


「これは、他人に対する攻撃性、蔑み、不寛容な気持ち、自分の方が上なんだとう傲慢な気持ちがあるとなりやすいが、その他、こうでなければならない、ああでなければならない、という、義務感や決めつけがあるとなりやすい。自分が怒った際は、なぜ怒ったのか、後から冷静に分析するといいだろう。それは、怒られた時もそう。自分の何が相手を怒らせたのか、よく考える。そうすることにより、怒りを客観視でき、怒りをコントロールできるようになる」


 一息つく。


「例えば、どうでもいいような人から、どうでもいいようなことを言われても、それほど怒ることはない。理由はそれこそどうでもいいからだ。いきなり言葉の通じない人がワーワー騒いでも、『何だ?』ぐらいにしか思わないだろ。だが、自分が信頼してる人、愛してる人、大切だと思っている人から、裏切るようなことを言われたら、怒りが大きくなりやすい。また、自分が信頼してる人、愛してる人、大切にしてる人を馬鹿にされた時もそうだ。なぜ、そうなるのか? それは、信頼、愛、大切に思う気持ちが、燃料となって怒りの炎を燃え上がらせるからだ」


 アネットが口を開く。


「その場合は、燃料があるので、怒って当然ということでしょうか?」


「いや、燃料はそういうことに使うべきではなく、怒らないのが正解だ。別にその人物が何と言おうが、信頼してる人、愛する人、大切な人の価値は変わらないからね。その人物の言葉で価値を落とされたと思い違いするから、カッとなるんだ。価値を落としたのは悪口を言ったその人物。それが正解であり、それが分かれば、どうってことはないはずだ。『わけのわからないこと言ってるな』で済む」


 悪口はすべて言った本人にブーメランとして返る。

 こちらがわざわざそれに当たってやる必要はない。


 こちらに当たって、それが相手に返ると、

 相手はこちらが投げたものだと思い違いする。


 パネルを提供する。


□-----------------


 怒りは損


・コミュニケーションが取れなくなる

・人間関係(信頼関係)を破壊する

・心身に悪影響を与える

・業を積む(運命を悪くする)

・理性が利かず罪を犯しやすくなる


□-----------------


「怒りは感情が制御できてない状態であり、それを相手に見せれば、相手から精神的に未熟だと思われ、距離を置かれることになる。すぐ怒る人では誰も付き合いたいと思わないだろ。また、はらわたが煮えくり返る、というが、実際、心拍数と血圧が上昇し、心臓などに負担がかかる。怒りは命を縮めるんだ。何にもいいことがない」


 アネットが口を開く。


「それでは、他人から理不尽なことを言われた場合は

 どう対処すれば宜しいでしょうか?」


「どうでもいいことだったら、スルーすればいいが、聞き捨てならないことだったら、冷静に反論するべきだ。あくまで冷静にね。怒らせるようなことを言ってきた人物に対し、冷静に対応するのは少々訓練がいるが、怒ってもいいような状況で怒らないことが修行になる。相手の挑発に乗って怒ったら、同じレベルになってしまうから、それは絶対に避ける。小物はすぐ怒る。大物は滅多なことで怒らない」


 弱い犬ほどよく吠える。

 すぐキレるのは精神的に未熟だからだ。

 自分の感情をコントロールできていない。


 パネルを提示する。


□-------------------- 


 怒りの一番の治療薬は遅らせることである


□--------------------


 これは古代ローマの哲学者セネカの言葉。


「怒りに効くのはそのままやり過ごす時間薬だ。気にせず、そのまま怒りが通り過ぎるのを待てばいい。そうすれば怒りは自然と収まる。わざわざ通り過ぎる怒りを自分で引き戻すから、ずっと怒り続けることになる。とにかく頭の中で別のことでも考えて怒りが離れるのを待てばいい。簡単なようで難しいが、難しいようで簡単でもある。まぁコツだね」


 こういうのは感覚的なものだから、口で説明すると分かりづらい

 面はあるだろうが、実際に自分でやれば、意外に分かりやすかったりする。


「あっ、なんだ、怒る必要なかったんだ」「怒るのって損じゃん」


 と気付くようになる。ただ、どこで気付くかは個人差が大きい。10代で気付く人もいれば、50代になっても気付かない人がいたりする。気付くのが遅れるのは、怒ることにより、たまたま周囲が配慮し、譲歩してくれたからだろうが、それは精神的に子供だと思われているという事であり、客観的に見れば、みっともない事だ。子供が駄々をこねて要求を通そうとするのと何ら変わりない。


 自分の機嫌は自分で取る。


 精神的に成熟した大人はこれができる。他人に機嫌を取ってもらわないと自分を保てないのであれば子供と一緒だ。いや子供ですら、できる子はできるから、子供以下かもしれない。最低限、自分のことは自分でする。その最低限に、自分の機嫌は自分で取る、が含まれる。自分のケツは自分で拭く、のと何ら変わりない。自分で出した汚物(悪想念)は自分で何とかしろ。


 自分で自分の機嫌が取れれば、悪想念を自分の中に溜め込まず、他人に発散することもしなくて済む。他人に愚痴や悪口を言いまくっている人はこれができていない。また、不幸話ばかりして、他人の同情を誘うのもそう。他人に、いい子いい子、してもらいたい、という幼児性から来ている。


 自分の幹、根本さえしっかりしていれば、他人に何と言われようが、まわりの環境がどうであろうが、不動心を保ち、悪想念を出さずにいられる。悪想念を出すこと自体が未熟ということだ。そういう意味では僕もまだまだ未熟だが、昔に比べたら、だいぶ少なくなった。悪想念を出しても、すぐ消せるし、後を引くこともない。今後もこのペースでゆるりと進めていこう。


 誰でも最初から、できるわけでも、優れているわけではなく、

 繰り返す日々を通して、少しずつ自分を作り上げていく。


 現世は修行場であり、ここで魂をしっかり磨いて上の世界に行くことが、人生の要諦だと考えているが、前世のある書物で、それを覆すようなことが書かれていた。『エイリアンインタビュー』という本で、タイトル通り、宇宙人にインタビューした内容がもとになっているが、その内容は衝撃的であった。


 1947年、ニューメキシコ州ロズウェルの近くで墜落した空飛ぶ円盤から宇宙人が救出され、軍が秘密裏に保護したのが事の発端。その後、軍の看護師マチルダが宇宙人エアルに聞き取り調査をしたが、その中でもっとも核心的な情報は「地球は刑務所で、輪廻転生は魂を地球に永遠に閉じ込めておくシステム」というものだ。つまり宇宙人エアルによると、人類は皆、罪人で、地球という牢獄に収容されているんだと。


 先ず背景だが、宇宙人エアルが属する「ドメイン」という文明と、ドメインと敵対する「帝国」が宇宙戦争をしていた。当初地球は帝国側の支配下にあり、天の川銀河系の端に位置する地球は重要拠点でなかったため、つまり僻地ということで、政治犯、革命者、反逆者、性的な変質者、非従順な者、自由な発想を持った芸術家たちなどが送り込まれる刑務所であった。また、帝国の支配エリアが膨大だった為さまざまな星からも魂を送り込む流刑地となっていた。


 宇宙戦争はドメインが勝利。しかし、帝国が設置した「地球を牢獄惑星として機能させるシステム」はそのままで除去できていない。もともと宇宙人は異なる体の間を魂が自由に行き来でき、地球に住む魂たちも本来なら同じことが出来た。


 しかし、この牢獄システムのせいで地球に住む人間は、死ぬと魂は一旦肉体から抜け出るが、魂が地球を出ようとすると、システムのバリアによって捕らえられ、電気ショックを与えられ、それにより全ての記憶が消されてアイデンティティさえも消去される。そして再び魂を肉体に閉じ込められるという。これが輪廻転生の正体なんだとか。


 本来なら魂は莫大な記憶を有しているのに、この装置により記憶が消されてしまう。ただ、この装置は不安定であり、装置が弱まっている時にまれに過去の記憶が戻った者もいる。それが天才発明家や天才音楽家、科学者や革命家など。


 ドメインはこのシステムの破壊を試みたが破壊できなかった。しかし、この牢獄システム装置は帝国滅亡後にメンテナンスされなくなり、機能が弱まっているとのこと。地球上にいる人類はみな宇宙人(どこかの星出身)だから言語が異なり、思想や価値観など多種多様なんだとか。


 宇宙人の正体は精神生命体であり、地球では、意識・霊体・魂などと呼ぶものだが、宇宙人はそれを「イズビ-(IS-BE)」と呼んだ。英語なのはちょっとアレだが、宇宙人が聞き手(アメリカ人)に合わせたのか、翻訳の都合か何かだろう。そもそも宇宙人と会話できること自体、首を傾げる状況だしな。


 とにかく、エアルと名乗る宇宙人によると、地球は宇宙の牢獄であり、人類(IS-BE)は記憶を消されて繰り返し転生(輪廻転生)させられている。ということだ。


 もし、これが事実なら、ドーンと気が重くなるが、おそらくフィクションだろう。というのも、この本の作者がSF作家だからだ。ところどころ事実っぽい描写もあるが、これは迫真性を持たせる手法なんだろう。


 但し、宇宙人エアルの言う通り、地球人の本性が「イズビ-(IS-BE)」つまり魂であることは真実だ。魂が肉体を乗り換える輪廻転生も真実。他の星からの転生も真実だろう。


 違うのは、地球が牢獄であること。入って出れないということはなく、出ることは可能。他の星にも他の世界にも転生できる。この作者は世界をひとつとして描写しているが、世界はいくつもあり、魂はこの世界に縛られるものではない。


 ただ、あれだね。地球牢獄説は考えさせるところもある。例えば、地球は悪行や犯罪を平気でする人間がそこら中にいるが、「そういう人間ばかり集められたから」と言われれば、腑に落ちる部分がある。多くの人は「自分は罪人ではない」と思っているだろうが、冷静に振り返れば、皆、過去世で何らかの罪を犯しており、その罪を償わず、そのまま今日まで来てるのであれば、その点において、罪人と言えよう。いや過去世どころか、今世ですら、知らず知らずのうちに他人を傷つけ、そのままということはある。悪想念からはどんどん離れるべきだが、自分が犯した罪は放置せず向き合わないとね。


 でも、過去世の人にどう謝罪したらいいんだ?

 今世だって、すべての人に謝罪するのは無理じゃないか?


 確かにそれはその通り。目に見える世界だけならね。

 距離が離れ、世界が違えば、物理的に不可能だ。だが、精神的には可能。

 それには祈りがいい。目に見えない世界にも届く。


「過去世、今世、これまで私が、傷つけ、迷惑をかけ、不快にさせた、

 すべての方に謝罪します。申し訳ございませんでした」


 真摯な気持ちで祈れば、時空を飛び越え、相手に伝わるはずだ。向こうからすれば、とっくの昔に忘れている可能性大だが、それとこれとは話が別。例えば人を傷つけて、被害者が「気にしなくていい」と言っても、した行為自体が無くなるわけではない。それに忘れたと言っても、魂の記憶には永遠に残るから、実は忘れていない。ずっと、それを考えているわけでなく、アカシックレコードのような記憶倉庫にデータ保存してるとは思うけどね。


 でも、そこはあれこれ難しく考える必要はない。

 悪いことをしたら謝る。ただ、それだけのことだ。


 悪想念は手放すべきだが、罪悪感は謝罪した後に手放すべきだ。不安や恐れなどもそう。その原因を解消した後に手放す。悩みは簡単に解消できないが、悩み続けるうちに、いずれ霧のように晴れる。悪想念であっても、霊性進化のきっかけになるものは、それをしてから手放すといい。


 ちなみに自発的に謝罪しないとどうなるか? その場合は、いずれ強制的に謝罪させられることになるだろう。例えば、何もしてないのに、理不尽に怒鳴られ、責められ、謝罪させられるとかね。そういうモードになっている人は、それが魂からのメッセージであることに気付いた方がいい。


 他人から言われてしたことは

 自分から進んでしたことの半分しか価値がない。

 嫌々やればほとんど価値が無くなってしまう。


 同じことをしてるのに、結果で差が生じるのはこれがあるからだ。

 感謝にしても謝罪にしても善行にしても、

 自分から進んで行うのが得であり、徳となる。


 強制されて動くのは誰だって嫌だろう。

 だが、その原因をつくっているのは自分。

 すべきことをしないから、するように仕向けられる。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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