第1788話 財政健全化7
一万文字達成。財政健全化は今話で締めとなります。
これまで五つの策を論じてきたが、正直、どれもこれも痛みが伴うものであり、現実的に難しい部分が多い。本命である五つ目の「無駄の排除」は成すべきだが、既得権益層による激しい抵抗が予想され、簡単にはいかないはずだ。
覇権主義国のように強権を発動できればいいのかもしれないが、民主主義国である日本ではそうもいかない。公開の場で議論し、議決を経るという正当なプロセスを踏んで段階的に進めるしかないだろう。
赤字と借金は借りであり、借りは返すのが道理だから、いずれの方策を取るにしても、返すべきだが、返すには苦労を要し、それだけでは気が滅入る。痛みを伴うリストラが必要なのは間違いないが、人は感情の生き物であり、痛みだけ続くのでは、嫌になってしまうだろう。だから、その痛みを緩和する手段が必要だ。
一つ目、増税 → 税負担
二つ目、インフレ → 値上げ負担
三つ目、ご破算 → 国民の資産簒奪
四つ目、戦争 → 戦費調達で財政悪化
五つ目、無駄の排除 → 既得権益層のリストラ
四つ目の戦争は防衛であり、財政健全化というより、財政悪化を最小限にとどめる方策だが、この過程で売国勢力を一掃できれば、その後、外国と戦争が起きなくても、間接的に財政健全化に寄与することになる。これは国外の敵と同時に国内の敵との戦争(防衛戦)でもある。内憂外患は一体だ。
現在の戦争は戦場で派手にドンパチする戦争ではなく、認知戦(情報戦)、外交戦、工作戦、経済戦、が主流だ。そういう意味で、日本はとっくの昔から戦争をしかけられている。平和ボケしている多くの日本人が気付いていないだけ。
中国だって馬鹿じゃない。実際の戦争が高くつくことぐらい知っている。「戦わずして勝つ」ことの重要性を日本以上に知っているのが中国だ。だから、中国は日本に、認知戦(情報戦)、外交戦、工作戦、経済戦をしかけ、日本に自ら中国の軍門に下るよう動いてきた。もう何十年も前から、日本は中国によるサイレントインベイジョンを受け続けてきたのだ。もういい加減、目を覚まそう。
日本人はお人よし過ぎる。というか、甘ちゃんだ。中国が発展途上国の時、日本は中国にODAなどを通じ、莫大な援助をしたが、中国はその資金の一部をアフリカに流し、アフリカで工作活動をした。結果、日本の念願である常任理事国入りの賛否を問う国連会議で、アフリカ票が離れ、日本はその道を阻まれてしまった。
また、日本に留学に来た中国人に技術を教えてきたが、感謝されることはなく、その技術で日本を脅かす状況だ。何のことはない。日本人はずっと敵に塩を送り続けていたのだ。馬鹿にも程がある。きっとこれも、愚鈍な政治家や官僚がマネトラやハニトラにかかったせいであろう。あの国は権謀術数に長けている。
正直な話、これがあと10年続いていたら、日本は完全にやられていただろう。どこかの政党が日本を中国の属国にする法案を提出し、可決した可能性さえある。だが、幸いなことに今の中国の指導部はやり方が強引かつストレート過ぎるので、化けの皮が剥がれてしまった。裏工作と権謀術数をされ続けたら、台湾も日本も危なかった。おそらく敵(工作員)が誰かも分からず、乗っ取られていただろう。だが、本丸(中国共産党)が本性を露わにしてくれたので、必然的に敵(工作員)もあぶり出され、対抗手段を取りやすくなった。
とと、話を戻そう。財政健全化だったな。最後はこれまでと違うアプローチを提示しょう。これまでの方策はどれも痛みを伴うものばかりだったが、これは鎮痛剤のごとく、それを緩和させるもの。
最後の六つ目は資源開発だ。
一般的に日本は資源小国とされており、限られた資源という前提で論を進めるものだが、もし、そこから脱することができたらどうだろうか? 資源大国日本、考えるだけでワクワクしないか。ここまで暗い話ばかりだったから、最後は明るくいきたい。夢を持つことは大切だからな。これなしで我慢だけしろ、という無茶は言わない。
この世の本分は修行だが、修行をするにしても、
明るさや楽しさは欠かせない。下ではなく上を向いて修行しないと。
日本は世界中から様々なものを輸入しているが、国内で調達できず、海外に頼るしかない重要物資が石油をはじめとするエネルギー資源だ。2023年度のデータによると、発電分野において、化学燃料(火力)が約69%を占め、化学燃料(火力)の内訳は天然ガス33%、石炭28%、石油等7%となっており、この大部分を輸入に頼っている。
その他では、原子力が約9%、再生可能エネルギーが約23%となっており、再生可能エネルギーの内訳は太陽光が10%、水力が8%、バイオマスが4%、風力が1%、となっている。
相変わらず、化学燃料(火力)の割合が大きいが、内訳を見ると、石油等の割合が7%にまで下がっており、中東(石油)一極集中から、多極分散してるのは注目に値する。同じ化学燃料でも石油より天然ガスの方がCO2の排出量が少ないので、環境負荷の低減にもなっている。
一方、石炭の割合が増え、28%となっている。石炭は、化石燃料の中でもっともCO2排出量が大きいものの、調達にかかわる地政学リスクがもっとも低いこと、熱量当たりの単価も安いことに加えて保管も容易であることから、現状において安定供給性や経済性に優れた重要なエネルギー源であると評価されている。問題のCO2についても、世界最高水準の技術により、大気汚染物質の排出を大幅に削減している。昔はもくもく煙突から煙が出ていたが、今はほとんど出ていない。
CO2よりも、同じ排ガスに含まれる、硫黄酸化物、窒素酸化物、PM2.5、水銀、等の化学物質が問題であり、これを空気中に排出しなければ、いいのではないだろうか。CO2そのものは植物に必要であり、ゼロにしたらかえってマズい。空気中のCO2濃度は約0.04%に過ぎず、これが本当に地球温暖化の原因となっているのか、かなり疑わしい。おそらく利権ビジネスが絡んでいるのだろう。
原発の多くを停止してるため、急場を凌ぐため、化学燃料(火力)を増やしているが、その中でも中東一極集中を脱するよう、よくやっている。ただそれでも、多くの資源を海外に依存する状況は決して好ましいものでなく、早急に停止中の原発を再稼働し、資源輸入による国富の流出を減らすべきだ。
そんな折、柏崎刈羽原発再稼働という朗報が飛び込んできた。これは世界最大の原発であり、総出力も世界最大級だが、この様な優れた施設を正常に稼働できるにもかかわらず、2012年3月から13年も停止したのだ。もったいなさ過ぎる。
そして、原発を再稼働してる間に、再生可能エネルギーの開発に注力する。日本は、太陽光、水力、バイオマス、風力に力を入れているが、ぜひ、これに地熱を加えてもらいたい。
日本列島は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートという4つのプレートがひしめき合う、非常に活動的な場所に位置しており、地熱エネルギーに恵まれている。日本は、アメリカ、インドネシアに次ぐ、世界3位の地熱資源量の国だ。石油資源はないが、地熱資源はある。
だが、開発の遅れから発電設備容量では世界10位前後にとどまっている。日本は、その高いポテンシャルにもかかわらず、豊富な資源を活かしきれていない。もったいなさ過ぎる。温泉もいいが、それだけで満足してる場合ではない。
「MOTTAINAI」は、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんが国連で紹介し、世界に広まった言葉(世界共通語)で、3R(Reduce, Reuse, Recycle)に「命や地球資源への尊敬(Respect)」の意味を加え、持続可能な社会を目指す合言葉として国際的に注目されている。この言葉の本家本元である日本がそれを疎かにしてはいけない。
地熱には数々のメリットがある。石油などと違い、枯渇しない資源であること、二酸化炭素を排出しないこと、天候に左右されないこと、365日24時間、安定して発電できること、地下利用のため地上の場所を取らないこと、そして、これが大きいが、日本には地熱発電をするための最先端技術があり、多くの工事実績があることだ。
例えばアイスランドは電力のほぼ100%が再生可能エネルギーで、水力7割、地熱3割でまかなっているが、この国の地熱発電の技術開発は日本企業が大きく関わっている。いや、この国だけではない。世界中の地熱発電に日本企業が関わっており、この分野で日本は世界最先端をいっている。日本の地熱発電技術(特にタービン)は世界的に非常に高く評価されており、世界の地熱発電設備の約70%を日本企業が供給しているという実績があるのだ。
だが、その技術力は海外ばかり先行して活用され、肝心の国内ではあまりぱっとしない。日本の地熱資源量は2,347万KW、アイスランドは580万KWだが、地熱発電設備容量では、日本は61万KW、アイスランドは71KWとなっており、アイスランド以下の体たらく。日本は高いポテンシャルを活かせていないことが浮き彫りとなっている。ああ、もったいない。
アイスランドは日本の技術を活用して、外国から一切資源を買わず、水力と地熱だけで電気をまかなっている。よって環境に負荷をかける火力発電所もリスキーな原子力発電所もない。
想像してもらいたい。
外国からエネルギー資源を買わなくて済む未来を……。
そうなれば、資源価格の動向や相手国の政治に左右されなくなる。どこかの国にシーレーン(中東からの石油海上輸送ルート)を塞がれても、中東で戦争が起きても、あたふたせずに済む。ぜひ日本もこのような状態を目指してもらいたい。その気になれば必ずできる。
人は長所を伸ばすと同時に短所を改善すべきだが、それは国も同じ、日本の短所である、エネルギー資源調達の不安定さは早急に改善すべきである。中国が覇権主義を強めているのは災いだが、その災いをエネルギー政策の転換に繋げれば福となる。アイスランドはオイルショックを契機にそれをした。
地熱エネルギーが日本であまり普及しなかったのは、新規参入を阻む電力業界の体制があったから。日本の電力業界は、地域ごとの電力会社に独占されているため、他分野からの新規参入は困難だ。送電線を押さえているのは大きい。いくら発電できても送電線がなければ供給できないからね。
それに加え、国の開発支援が消極的だった。原子力発電や火力発電に比べて小規模のため、国は地熱発電への開発に消極的であり、開発予算も少額だ。それと、適地のほとんどが国立・国定公園内であり、自然公園法によって、自然公園(国立公園や国定公園)の中に地熱発電所を建設することは困難だった。また、温泉への影響が懸念されるため、温泉地域との調整も必要となる。
だが近年、再生可能エネルギーの重要性が認識されるようになり、環境省は、2012年3月に「国立・国定公園内における地熱開発の取り扱い」によって規制を一部緩和した。これにより、これまでほとんど進んでいなかった地熱発電の開発が加速されるようになった。現在、国立・国定公園内の8か所において地熱資源開発調査事業による調査が始まっている。ぼちぼち動き出したという感じだな。
ただ、日本は1億2千万の人口を抱え、地熱エネルギーだけで全電力をカバーすることは難しいと想定されるので、必然的に複数の手段が必要となるだろう。一本足打法(自然エネルギーだけ)は現実的ではない。この点は人口が少ないアイスランドとは事情が違う。アイスランドは人口約40万人で、人口の8割以上が都市部(首都レイキャビク)に集まって住んでいるから、自然エネルギーを効率的に使いやすい。地熱で温めた水(温水)も冷める前に各家庭に供給できる。
対して、日本は人口が多いだけでなく、割と地方にも分散して住んでいるので、そうはいかない。首都圏一極集中というが、実際は地方(札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡など)にも多くの人が住んでいる。横浜や神戸などの政令指定都市(法律要件:人口50万人以上)だって20あるからな。
札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市、これらはすべて政令指定都市であり、それぞれが小さい国のようなものだ。実際、どこの市もアイスランド以上の人口を抱えている。
日本は東西、南北に広がり、さらに、北海道、本州、四国、九州、沖縄、諸島、といくつもの島で分かれ、すべての地域に電気を供給するには相当の体制が必要となる。これを自然エネルギーだけでまかなうのは無理筋。それで注目してるのが核融合エネルギーだ。
核といっても核分裂する原発とは違い、安全性の高さが特徴だ。燃料である重水素は海水に豊富に存在し無尽蔵、CO2を出さずクリーン、高い安全性(暴走リスクが少ない)、高効率・高エネルギー、低レベル放射性廃棄物で、持続可能な未来のエネルギーとして期待されている。核融合は太陽の燃焼システムであり、このエネルギーは「地上の太陽」とも呼ばれ、人類が半永久的に使えるエネルギー源となり、宇宙開発や持続可能な社会の実現に貢献する可能性がある。周囲を海に囲まれ、優れた技術を持つ日本に向く手法と言えよう。
但し、まだ技術的な課題と開発・運用コストの課題があるため、一足飛びにはいかない。実現するにはまだまだ時間がかかるだろう。だが、これが実現すれば、世の中の仕組みが劇的に変わる可能性がある。うまくいけば、もうエネルギー源として石油をガスも石炭も要らなくなるだろう。それどころか、この技術を活かし、外国に攻勢(輸出)をかけることができる。これまで資源に左右されていた日本がその立場から解放される。核融合はゲームチェンジャーになりうるものだ。
エネルギー資源輸入国からの脱却と
エネルギー生産技術輸出国への変貌
この二つを一気に進めることができる。
核融合は地熱以上の可能性を秘めており、うまくいけば電力の100%を核融合でまかなえるようになるかもしれない。(現実は政治的判断など諸状況により、仮に技術的にできても、そうしないだろうが)そうなれば日本の社会は根本的に変わる。エネルギーが国内で手に入るようになれば、交通にしても流通にしても市場にしても大幅な経費削減となり、社会全体に大きな活力をもたらすだろう。
話を財政に戻そう。
世界には資源大国と資源小国があり、日本は資源小国であったため、いろいろ苦労してきた。もし資源が豊富なら、それが国の税収につながり、プライマリーバランスが取れ、借金(国債発行残高)もこんなに大きくならなかったはずだ。
先の大戦にしたって、日本を戦争に向かわせる最大の原因となったのが、アメリカによる石油輸出の停止だからね。当時、日本は石油の9割以上を海外からの輸入に頼り、その最大の供給源はアメリカだった。輸入量の約8割であり、そのアメリカからいきなり一滴も石油を売らない、と告げられたのだから、完全に首が絞まってしまい、進退窮まってしまった。これは事実上、日本に死ねと言うのと同じであり、日本は生きるために海外に活路を見出すしか選択肢がなくなってしまったのだ。
歴史の教科書では真珠湾攻撃で日本がアメリカに戦争をふっかけたように教えるが実際は違う。アメリカが日本の生存を脅かしたから、日本はやむにやまれず、自衛のための戦いをするより他に道がなかったのだ。ここにエネルギー資源を海外に頼るリスクが集約されている。
現在、オイルマネーに潤う中東の国は、黙っていてもお金が入るため、楽な暮らしを享受しているが、それができるのは日本などの国がたくさん石油を買っているからだ。つまり、彼らの贅沢な暮らしは日本などの国の労力の上で成り立っている。
もっと端的に言えば、日本人が働いて得たお金が石油産出国に流れ、彼らの生活を支えたということだ。日本人が鵜で、石油産出国の人が鵜飼い、鵜が飲み込んだ魚(お金)を鵜飼いに掃き出し続けたというようにも映る。口には出さずとも向こうの人はそう思っているんじゃないだろうか。実際は鵜ではなく、カモだろうが。
実際の国際情勢は複合的かつ多面的であり、そんな単純は話でないことは重々承知しているが、長年、莫大な国富が外国に流れ続けたことは疑いようのない事実だ。日本は加工貿易の国だから、石油を買って加工し、付加価値を付けて利益をあげた面はあるにせよ、燃やすだけの火力発電は文字通り、燃やすだけだから、付加価値どころか、価値を無くすこと。それはすなわち、日本人が稼いだお金に火をつけて燃やすのと大差ない。
輸出大国として稼ぐことに目を奪われがちだが、日本は輸入大国でもあり、稼いだお金の多くが、穴の空いた袋のようボロボロと抜けていた。稼いでも稼いでも出ていく。そりゃ、中東の富豪の養分になっているんだから、働いたわりに、豊かになった感じがしないはずだ。アイスランドもかつて海外から石油を買っていたが、この構造にいち早く気付き、オイルショックを契機に政策を転換し、脱石油に舵を切った。そのお陰で財政が健全化し、国民に高福祉を提供できるようになった。日本も遅まきながら、これに続こうではないか。
また日本は領海内に、膨大な量のレアアース、レアメタル、天然ガスなどの資源があることが判っており、この採掘と商業化が急がれる。ただ、これについては中国が横やりを入れてきそうなので、同時並行で、海の防衛強化が必要だろう。日本の領海内で日本が何をしようが日本の勝手だが、なぜか関係ない中国が口を出してきている。向こうの言い分はまったく筋が通らないものだが、威圧により通そうとしているのは明らかだ。
その昔、中国はアメリカに対し、太平洋を東西で分けて、二国でそれぞれ管理しようと持ちかけたらしいが、彼らの野望が太平洋の権益確保にあるのは間違いない。それには、行く手を阻む、日本、台湾、フィリピン、が邪魔でしょうがない。これらの国は中国視点の地図で見たら、大陸の蓋のような位置にある。
このラインは中国で第一列島線と呼ばれ、中国が弱かった頃は、このラインから内側に敵を入れない防衛ラインの意味が強かったが、今は中国が強くなったので、このラインを突破することばかり考えている。そして、この第一列島線の多くを南北に長い日本列島が占めているのだ。第一列島線の主力は沖縄であり、中国から見れば、忌々しい存在であろう。「太平洋に出るのに日本は邪魔だ」それが彼らの本音のはず。
でも、日本に手を出せばどうなるか、彼らだって分かっているので、手を出さず、口でわめき立て、日本が譲歩することを狙っている。実際、これまで日本は、しなくていい譲歩をし続けてきた。「騒げば日本は折れる」日本はそう見られ、それで損をしてきた。
それを助長したのが日本のマスコミだ。「中国様がお怒りだ。早く日本が謝らないと」という論調はまるで中国のマスコミのよう。まるで中国の工作機関のようだ。聖徳太子は隋の煬帝が怒ろうとも、対等外交を貫き、アジアの多くの国が属国や朝貢国になる中、属国や朝貢国にならず、堂々と渡り合ったが、先人の気概を思い出してもらいたい。
中国が怒るのは、そうすれば日本が譲歩するからであり、譲歩すれば、また何かしら因縁を付けて怒り、さらに譲歩を迫るだろう。この解決手段はひとつしかない。中国が怒ろうとも、それが理不尽なものであれば、毅然かつ冷静に反論し、譲歩しないことだ。そして、粛々と中国から投資を引き揚げて他国に移し、中国をサプライチェーンから外していく。
未だに中国べったりの企業があり、その企業の自己責任の下、そうするのは知ったことではないが、自分たちが中国で儲けたいが為、まったく落ち度のない日本(政府)に譲歩を迫るなら、筋違いもいいところだ。物を売るのはいいが、国を売るのはやめてもらいたい。賢明な企業は中国から撤退している。普通に売買できないなら、バイバイだ。
幸い、日本は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、イギリスと、CPTPPを締結し、アセアン諸国、インドとそれぞれ包括的経済連携を、EU、スイス、モンゴル、インドネシア、タイ、フィリピン、とEPAを締結しており、中国抜きのサプライチェーンが強化されつつある。最近、アメリカが2020年に交わした貿易協定を無視する動きをしているが、中国だけでなくアメリカの依存も減らした方がいいので、長い目で見れば悪いことではない。世界にはたくさんの国がある。別に中国とアメリカで商売できなくても、どうにでもなる。日本が欲しい資源や食料だって二国以外で代替可能。
※補足※
CPTPP
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定
EPA
貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策における
ルール作り、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を
目的とする協定
一応、日本は中国が主導するRCEP(地域的な包括的経済連携協定)に加盟しているが、この協定は主に関税の引き下げに焦点を当てているものの、事務手続きの煩雑さ、ルール運用のばらつき、不透明性、中小企業のメリット享受の低さ、知的所有権の保護不十分、といった多くの問題を抱えており、はっきり言って伸びないだろう。加盟国にアジア諸国が多いため、プレゼンスを高めるため、日本も挨拶程度に参加しているが、中国主導の協定に注力する必要はない。
注力するなら、何といっても、日本が主導するCPTPPだ。現在、イギリスが加わり、12か国となったが、その質の高さ、先進性から、世界中から注目を浴び、中国、台湾、エクアドル、ウクライナ、インドネシア、フィリピン、 アラブ首長国連邦、コスタリカ、ウルグアイ、カンボジアの10か国が加入申請をし、審査を待っている状況だ。
先に申請した中国の審査はまったく進んでおらず、おそらく塩漬け状態だろう。後から申請したコスタリカとウルグアイの審査が進み、こちらは具体的な加盟交渉に入っている。CPTPPは一か国でも反対があれば加盟できないが、中国は加盟国の日本、イギリス、オーストラリア、ベトナムなどとトラブルを抱えており、この状態でよく申請したものだ。覇権主義国にCPTPPはまったく相応しくない。
脱中国を目指す協定に中国が申請するのは悪い冗談だが、新規加盟には、既存の全加盟国の合意と、CPTPPが定める高水準なルール(関税撤廃・削減、知的財産、電子商取引、国有企業規律など)を遵守する意思と能力が必須であり、今の中国では100%無理だろう。朝令暮改の国じゃね。
中国はWTO(世界貿易機関)に加盟する際、市場の開放や公正な取引を約束したが、この約束を破り、まるで無法者のように各国の市場を荒らしまくってきた。根底に大国なら小国に何をしても構わないという中華思想があるのだろう。自分は大国だからルールを守らないが、小国はルールを守れ、というのが中国だ。そんな国と付き合ってもろくなことはない。
日本の財政健全化について、いろいろ論じてきたが、国内だけにとどまらず、国際関係にまで波及してしまった。今の日本があるのは平和外交と国際協調があるからであり、世界中の国々とうまく付き合ってきたことによるものなのだから、当然のことではある。
日本は有形資産であるお金と同時に、
無形資産である信用を築いてきた。
だが、中国は日本の無形資産である信用を失わせるため、
あの手この手を使ってきた。
国内で捏造の歴史を教えて、国民の反日意識を高め、
南京大虐殺をでっち上げて、日本の軍国主義を執拗に宣伝し、
原発事故後、科学的根拠に基づかず、核の汚染を大袈裟に宣伝し、
尖閣諸島を自国の領土と主張し、
沖縄を日本の領土でないと宣伝し、
その他にも様々な日本のネガティブキャンペーンを展開してきた。
日本にもその工作の片棒を担ぐ輩がたくさんいる。
だが、他人を呪うことは自分を呪うことと同じであり、そうすることにより、中国は自らの信用を落としまくっている。それに今の時代、ネットで少し調べれば、何が事実かすぐ分かる。中国の中にも、自国の状況がおかしいと感じている人はたくさんいるだろう。
南京大虐殺ウン十万人? 遺骨はあるのかな。
原発汚染水? IAEAから安全とのお墨付きを頂いている。
尖閣諸島が中国の領土? 島にアメリカの射撃場が残っている。
沖縄が日本の領土ではない? アメリカから日本に返還されている。
台湾が中国のもの?
歴史上、台湾が中国の領土だったことは、ただの一度もない。
何より当の台湾が否定している。
日本の首相は現地視察した際、地元の人と気さくに話をするが、その光景をネットで見た中国の人が衝撃を受けているらしい。自国のトップは絶対にそんなことはしない。権力者として上から一方的に物申す立場だ。また、野党やマスコミが政府の政策に反対する光景を見て羨ましがっているとか。自国でそんなことをしたら逮捕案件だからな。
日本は民主主義国として泰然自若に振舞えばいい。相手が覇権主義だから、こちらもそれに合わせて覇権主義っぽくなる必要はまったくない。すべきことを粛々と実行し、覇権主義の国に対し、凛とした民主主義の姿を見せれば、それが覇権主義の国にとって大きなダメージとなる。日本よ、日本らしくあれ。
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