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第1787話 財政健全化6

 続きです。

 無駄の排除についての思考は続く。削減すべき無駄といったら、これが一丁目一番地だろう。それは各省庁や各自治体にぶら下がり、楽して公金をすすり、寄生する、天下り法人だ。


 天下り法人は、まさにこの天下りの目的地として機能している法人を指し、一時期、ある政権の時、事業仕分けで話題になったが、マスコミを入れての劇場型パフォーマンスの様相が露骨で、結局、何も成果を上げることなく失敗に終わった。


 あれはやり方が不味かったし、準備も不十分で、素人政権の実務能力の無さが露呈した。それに加えて必要な予算と不必要な予算の判断もできていなかった。日本の先端技術に関わる予算をカットしようとしたし、首都圏の人々の水源となる大型ダムの建設まで止めようとした。何これ、珍政権だね。


 世界一の性能を目指すスーパーコンピューターの開発計画に対し「2位じゃダメなんでしょうか」と言い放ち、計画を凍結させたんだよな。この時の議員は後に二重国籍で問題となり、事業仕分けが日本のためではなく外国のためだったんじゃないかと疑われることになった。この件に限らず、そうとしか思えない事例がいくつもある。


 例えば、司法試験の合格者が司法修習生になる場合、「相当と認めるものに限り、採用する」という制限があり、これが事実上の国籍条項だったが、この政権はそれを撤廃し、なんと外国人でも弁護士になれるようにしてしまった。


 Oh my god! 何をしてくれてる!


 弁護士は企業や各種団体の顧問など、重要な情報に触れる機会が多いので、これが外国人でもOKとなると、外国への情報漏洩のリスクが大きくなる。また日本人より外国人を司法手続きの面で優遇し、日本の国益を棄損するリスクが大きくなる。大多数の国民が反対するであろうことを審議もせず、ステルスで強行してしまった。


 また、日本は隣国と20億ドルの通過スワップを締結していたが、これを審議なしで700億ドルに拡大させた。スワップは隣国の弱点である金融面をサポートするものであり、感謝されてもいいぐらいだが、実際は感謝どころか、スワップ締結の翌年、隣国の大統領が竹島に上陸し、恩を仇で返されることになった。


 東日本大震災という命名もそう。これではまるで日本の半分が震災に見舞われ、大変な状況になっていると誤解を招く。東日本には東京も含まれるから、震災半年後に東京に来た外国人が「えっ、もうこんなに復興したのか!?」と驚いたという話があるぐらいだ。いやいや、元からそうだから。


 東北でも被害の大きかったところは一部であり、もっと言えば福島でも一部だった。別に全崩壊したわけでなく、あくまで海沿いの一部。確かにそこだけ見れば惨状だが、全体から見れば、あくまで一部。それをマスコミがそこだけ切り取って、まるで東日本全体が崩壊したかのように大袈裟に報道(印象操作)した。あの露骨な日本サゲは本当に酷かった。


 また、原発で汚染されたとされる土を日本中にばらまくという愚行までやった。原発の被害にあった場所の住民は気の毒だが、冷静に見れば人の少ない地域であり、神戸の震災と比べれば、被害は格段に小さかった。なのに、そこの土をわざわざ東京や大阪など人の多い地域に運び、そこで処理する意味は何だったのか。日本全国に汚染を広げてどうする。実際は気にするほどの汚染ではなかったが、日本中を汚したいという邪悪な意図が見えて薄気味悪かった。


 あの政権は、選挙前に謳った公約は何一つ果たせず、

 そのくせ、日本の国益を損なうことばかりやった。


 あれは悪夢の期間だったが、財政再建のため、無駄を排除するという点はその通りであり、だからこそ、国民の信任を受けて選挙で勝った。実際は国益に適うことはせず、反することばかりしてたけどね。それにより短命で終わった。言葉と行動が一致しない人たちに政治を任せると大変なことになる。多くの日本人は教訓を得たことであろう。


 話を戻そう。


 天下り法人だが、独立行政法人、公益法人、特殊法人など、国や地方自治体から独立している形態をとりながらも、実際には元の省庁と密接な関係を維持している。国民の税金や保険料で運営されているにもかかわらず、元官僚の高額な報酬や退職金のために存在しているかのような印象が強い。


 天下り法人は国や自治体に財政的に依存し、おんぶにだっこの状態。 運営資金の一部または大部分を国からの補助金や委託事業への随意契約(競争入札を経ない契約)などに依存しており、自立性が極めて低い。親元の省庁から有利な条件で随意契約を結ぶことが多いので、非効率や不透明な支出の原因となっている。よって、天下り法人は、してることだけでなく、存在そのものが無駄であり、廃止ないし縮小すべきというのが僕の考えだ。


 このような声は僕が言うまでも既に出ており、それを受けて、国家公務員法、地方公務員法が改正され、省庁による組織的な天下りのあっせん(仲介)は現在禁止された。だが、これはあくまで建前、実際には「現役出向」という形で事実上の天下りが続き、OBが個人的に再就職先を見つける「ルール逃れ」の仕組みが指摘されるなど問題は解消されていない。実態は天下りでも「ちゃんと面接を受けてパスしました」と言われれば、それ以上強く言えない状況だ。


 役人たちがそうそう簡単に美味しい利権を手放すはずがなく、今でも数多くの天下り法人は存在し、そこへ悠々と役人たちが実質的な天下りをしている。日本中にいったいどれだけの天下り法人が存在し、そこへどれぐらいの数の天下りが行われているのだろう。正確な数は掴めていないが、数が多いのは間違いなく、一説には約4,500の天下り団体に2万5千人が天下っているという指摘もあるとか。


 百歩譲って、たとえ天下りであっても、世のため人のために働き、適正な給料であるなら、そこまで問題視しない。だが実際は、何をしてるかよく分からない組織で、大して働きもせず、高額な給料を得ているから問題なのだ。ペーパーカンパニーのように中身がなく、実質的な運営は民間に丸投げし、自分たちは高給を得ているだけなら存在意義がない。酷いのになると、いくつも天下り法人を渡り歩き、その度に高額な退職金を得て、ひと財産を築いているとか。そのお金はすべて国民の血税だ。


 イギリスの社会学者パーキンソンは、


 パーキンソンの法則(第一法則)

『仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する』

 パーキンソンの法則(第二法則)

『支出の額は、収入の額に達するまで膨張する』


 を唱え、ここから、公務員の数は、為すべき仕事の量の増減とは無関係に、毎年5%から7%の割合で増え続ける指摘した。要するに公務員は自分達の相互利益のために行政を運営する存在ということだ。


 民間の組織であれば、競争原理が働くので、このようなことは防げるが、生憎、役所機構にはそれがない。であれば、どこかの段階で強制的にでも整理するしかないだろう。国破れて山河在り、なら詩になるが、国破れて公務員在り、では洒落にならない。


「誰のお陰で飯が食える」


 これは自己の傲慢と他人に対する卑下のニュアンスがあり、パワハラ、モラハラにもあたるもので、他人に言うべき台詞ではないが、自分で自分に対して言うなら、反転して良い台詞になる。「自分が飯を食えているのは誰のお陰か?」このことを天下り役人たちは自問自答してもらいたい。


 話を進めよう。


 現在、国は資産より負債が多い負債超過(債務超過)の状態だが、これをそっくりそのまま信じていいものだろうか? という疑念がある。国の資産を天下り法人に移し、意図的に少なくしているのではないだろうか。資産があれば、それで負債を整理しろという話になりかねないからね。


 役人たちは自分たち権益となる資産を、政府や自治体のバランスシートから切り離して確保し、負債はそのままバランスシートに残して国民に負担させようとしてるんじゃないだろうか。もしそうでないと反論するなら、すべての天下り法人を公開し、財務諸表を詳らかにするべきだ。できれば全体の連結決算も示してもらいたい。実態は一蓮托生なのだから。


 国(政府)の負債である国債の半分は現在、日本銀行が引き受けており、日本銀行のバランスシートでは資産になるはずだ。仮に国(政府)の負債を1000兆円とすると、日本銀行の資産は500兆円。日本銀行は国(政府)と一線を画し、独立してる建前だが、実態は財務省の天下り法人であり、資本金の55%を政府が出資してることから、実質、政府の子会社でもある。だから、政府と日本銀行が連結決算すれば、それだけで政府の負債1000兆円は500兆円に半減する。という見方ができる。


 とにもかくにも、この天下り法人の整理縮小を通じて、無駄を排除するしかない。中には有益なところもあるだろうから、その選別は必要だが、どんな抵抗があろうとやるしかない。でないと、本当に、国破れて公務員在り、という悲惨な状況になりかねない。もちろん、これに合わせて、随意契約の見直し、怪しげな取引先(NPOや団体)の排除もしなければならない。公金チューチューの寄生虫は退場してもらおう。もちろん賄賂や中抜きやキックバックもNO。


 しかしあれだね。自分たちの利権確保のため、組織をつくり、その組織に収入源や資産を移して、自分たちの就職先にしようなんて、よくもまぁ考えつく。その組織は役所と紐づくことになるので、そこからチューチューお金を吸い続けるわけだが、怖いのは、さらに、その下にも、そのさらに下にも、利権に群がる虫たちがいるということだ。これらにも上から下への天下りがあり、まるでピラミッドのような利権構造が出来上がっている。


 だから、道路を引く場所を決める際、天下り法人の意向を聞くし、工事業者を決める際も、天下り法人に決まるよう陰で動く。国民から見れば、少しでも安い工事金額がいいが、役人たちは知ったことではない。自分たちの利権確保のため、高い工事金額でも天下り法人に決まるよう、せっせと動く。


 日本は民主義と言われるが、実際はそうなっていない。その弊害のひとつが、国民の払った税金を自分たちのものであるかのように使う天下りの存在だ。本来は監督官庁がチェックすべきだが、天下り先には自分の元上司がいて強く言えず、不興を買ったら自分が天下りできなくなるので及び腰だ。


 エリートで特別待遇を受け、自ら責任を取ることがない。こういう人物のことを「上級国民」と呼ぶらしいが、日本の民主主義は建前で、実際はエリート主義が幅を利かせている。


 本来は省庁の大臣や長官、自治体の首長、議員などがきちんと予算チェックをすれば、こんな体たらくにならなかったが、残念ながら彼らは仕事をサボタージュして、その任を十分果たさなかった。専門知識を有し、権益を守るため理論武装している役人に対し、能力不足なのもあるが、それ以前にその意思がなかった。


 彼らは当選してバッチを付けたら、それで満足し、後は当選回数を増やして、彼ら自身の権益を守ることに専念した。国や地方を民にとって良くしようとは思わず、自分の懐具合ばかり考えた。


 政官財のトライアングルが構築される中、既存の体制に任せても、無駄は省けない。であれば、役所の無駄廃止のための専門機関を創設するべきだ。アメリカではDOGE(政府効率化省)が創設され、連邦政府の歳出削減・省庁再編・規制撤廃が進んでいるが、日本もぜひ導入するべきだ。幸い、日本の今の政権もその方向で動いているようなので期待したい。


 期待したいと言えば、地方自治もそうだな。関西のある自治体は長年の体たらくで財政状態が悪化していたが、首長が改革を推し進めたところ、既得権益層の反発を食らい、パワハラというあらぬ疑惑を受け、辞任に追い込まれてしまった。だが、このパワハラ、音声記録は一切なく、職員に取ったアンケートを根拠にしており、そのアンケートに重大な欠陥があった。


 アンケートは無記名方式で、誰が書いたか分からないもの。しかも、一人で何度出しても分からないというあやふやなものだった。これでは首長に反感を持つ人がたくさん書いても分からない。


 首長がしようとしたことは、無駄な建物の建設案の廃止、天下りの制限など、既得権益層の逆鱗に触れるものばかりだったため、公金をチューチューしていたと思われる関係者たちから、執拗なバッシングを受けることになった。


 だが幸いなことに、住民の多くはそれを見抜いたようで、選挙で首長を再任し、改革が進んでいるようだ。地方自治は国政に隠れ、注目されづらいが、それで監視の目が届かないのをいいことに既得権益層が蔓延っていることを示せたのは意義が大きかった。


 最近は議会に監視カメラを設置し、議員を映すようになったが、あれはいい傾向だ。居眠りしたり、ヤジを飛ばすなど、議員にあるまじき行動をチェックできる。同じ姿勢で長時間、人の話を黙って聞くのは大変と言えば大変だが、学校の子供たちはみんなやっており、それができなければ、子供たちに笑われる。


 国(政府)も自治体も赤字で金がないと言うが、その裏で公金を貪る人はたくさんいる。もちろん、真剣に業務に取り組む人もいるだろうが、道を踏み外す同僚を放置し、我関せずの態度なら、一定の責任がある。


 これはいじめの構造に似ている。いじめは、それを実行する者が悪いのは当然だが、いじめがあるのを知りながら、それを放置すれば、結果的にいじめを助長したことになる。助けられる立場にある人が助けない。これは不作為の悪だ。


 他人がいじめに遭えば、自分がいじめに遭わないで済む。

 他人がいじめに遭っているのを見ると面白い。

 

 他人の不幸を自分の幸せと思うなら、

 行動しなくても心の中で悪をしたことにある。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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