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第1785話 財政健全化4

 続きです。

 三つ目(ご破算)で悪い事例を出したので、

 そのついでに、もうひとつ悪い事例を出そう。


 四つ目は戦争だ。


 前もって言っておくが、僕は戦争なんてまったく望んでいないし、それをすればかえって戦費調達などで財政状態が悪化するので、絶対に避けるべきだと考えている。だから、ここでは頭の体操のような感じで論を進めたい。三つ目と同じく、これも可能性がゼロではなく、少しでも可能性があるなら、その対策を講じておくことが欠かせない。備えあれば患いなし。


 日本のある政党は、議論することさえ許さない、という頑なな態度をしばしば見せるが、それでは有事の際、どうしたらいい? 誰だって有事なんてない方がいいに決まっているが、平時のうちに議論して対策を取っておかないと、有事の際、大変なことになってしまう。結局、その政党は、日本が大変な目に遭えばいい、とでも考えているのだろう。


 憲法9条があるから大丈夫?

 話し合いをすれば相手は攻めてこない?

 本気でそう考えているなら、知能を疑うレベルだが、

 そうではなく、日本弱体化が真の狙いなんだろう。


 彼らはまともな議論(論理的な話し合い)ができない。ただ一方的に、自らの思想を喧伝するだけ。壊れたテープレコーダーのように同じことを繰り返すだけだ。こういうのをプロパガンダというが、これは洗脳の一種であり、議論と呼べるものではない。レッテルを貼ってネガキャンし、反対ばかりして改革を阻もうとする。


 今の日本は戦後一貫して平和外交を貫いており、今後もそうあり続けることが国の基本方針であろう。もう戦争はこりごりだ。先の戦争で日本は痛い目に遭った。その反動もあり、日本は他国以上に平和への思いが強い。その点は理解する。


 だがその一方、日本の周辺状況はきな臭い。中国、ロシア、北朝鮮という覇権主義的国が日本に絶えず恫喝を続けている。領海や領空を侵犯したり、近くにミサイルを撃ち込んだり、工作員を送りこんだり、日本人を拉致したり、やりたい放題。日本政府が抗議しても知らん顔。抗議と言っても遺憾砲じゃ、なめられるに決まっている。


 覇権主義国とは民主主義国に対する言葉で、一党独裁により一人に権力が過度に集中してる国をいう。こういう国では民の声は虫けら以下となり、権力者の胸三寸ですべてが決まる。反対意見を述べる者は失脚させられ、最悪は粛清される。


 そんな物騒な国が日本の近くに三つもあるのだ。しかもすべて核保有国。この点だけ切り取ると日本は場所ガチャで完全に外れを引いた。地図で見ると、より実感を持てるが、日本周辺は真っ赤っかに染まる危険な国ばかり。日本から戦争をしかけるつもりはなくても、向こうからしかけてくる可能性は十分ありうる。


 平和外交を掲げ、それを国是とする日本は他国に戦争をしかけることはないが、日本に戦争をしかける可能性のある国が三つもある。だから、その為の対策が必要だ。それが防衛であり、そのための費用が一般関係歳出の「防衛関係費」となる。


 現在、防衛関係費は86,691億円で一般関係歳出(2025年度予算)の7.5%を占めている。社会保障(382,938億円・33.2%)に次ぐ大きな金額であり、その負担は年々上昇しているが、同盟国であるアメリカから、さらに上げるよう言われており、補正予算案の通過により、GDP比2%を前倒しで達成する見通しだ。歳入の上振れがどれだけあるか不明だが、おそらく大部分を国債でまかなうことになるだろう。つまりツケ送り、借金が増える。


 なんだ、財政健全化どころか、かえって悪化するじゃないか。


 その通り、だから防衛費などにお金をかけるべきではない。普通に考えればそう。だが、日本のすぐ近くには、この予算を毎年二桁の比率で伸ばし、過去30年間で約40倍も上げている国がある。そう、中国だ。その結果、日本の4~5倍の防衛費となっており、しかも、まだ上がり続けている。これは他国に攻め込む気満々という明確なメッセージだ。


 現に中国は日本の領土である尖閣諸島周辺に度々、海警局の船を接近させ、隙あらば、上陸しようと目論んでいる。当然、それを阻むため、日本も海上保安庁の船を出して警戒にあたっているが、中国は何度も領海侵犯し、「ここは我が国の領土だ。日本は出ていけ」と図々しくも言い放っている。


 また中国は空軍機を使い、度々、日本の領空も侵犯している。あまり報道されていないが、中国機に対する日本側の緊急発進回数は毎年100回を超えており、海でも空でも緊迫の場面がずっと続いているのだ。


 その事実に基づけば、台湾有事が日本有事につながるという首相の答弁は至極的を射ている。台湾のすぐ近くに尖閣諸島や与那国島があり、台湾が戦争状態になれば、その周辺が緊張状態となることは誰が見ても分かる話だ。もし首相の答弁を取り消せというなら、中国の台湾や日本に対する軍事的威圧行動こそ、止めろと言うべきだろう。いったいどこの国の人間だ。


 日本の防衛力強化や防衛費予算増加に反対する政党は、先ず、中国の防衛力強化と防衛費予算増加を問題視し、反対するべきだ。だが不思議なことに、中国の件はスルーし続けている。その件を追及されると「日本が軍事的挑発をするからだ」と、まるで日本に問題があるかのように言う。ファクトが間違っているし、因果が逆だ。中国が異常なほど軍事費を上げて恫喝するから、日本はやむなく対策を取っているまで。 


 ここで相手の立場を想像しよう。そんなに軍事費を上げたら、財政負担が重くなるはずだが、それでもどうしてやるのか? それは相応の見返りを期待してのことだろう。かつて西洋諸国はアジアやアフリカの国々に戦争をしかけ、圧倒的な戦力でねじ伏せてきたが、その国々を植民地化することで、現地の資源や食料や労力を奪い、国内の財政を改善させてきた歴史がある。


 西洋において「他人から分捕れ」という狩猟文化が根幹にあり、それが大航海時代を経て、略奪経済を生んだわけだが、それは中国にもある。この国も昔から争い続けてきたからな。


 殷(前16c~前11c)

 周(西周:前11c~前771、東周:前770~前256)

 秦(前221~前206)

 漢(前漢:前202~後8、後漢:25~220)

 三国時代(220~265)

 晋(265~420)

 南北朝(420~581)

 隋(581~618)

 唐(618~907)

 五代・十国時代(907~960)

 宋(北宋:960~1127、南宋:1127~1279)

 元(1271~1368)

 明(1368~1644)

 清(1644~1912)

 中華民国(1912~、現台湾)

 中華人民共和国(1949~)


 日本だと戦に勝って権力者が政治の実権を手に入れても、「〇〇時代」となるだけだが、中国は違う。前政権にいた者は根絶やしとなり、国ごと変わる。つまり、これらは全部、別の国だ。中国四千年の歴史などと言うが、嘘もいいところ。現在の中国は「中華人民共和国」という、1949年10月1日に毛沢東が北京の天安門広場で建国を宣言して成立した国であり、まだ76年しか歴史はない。第二次大戦中、存在しなかった国であり、戦勝国ですらない。だから抗日戦争勝利というのも真っ赤な嘘。事実を言えば、当時の共産党は日本軍が怖くて、山奥に逃げ、ぶるぶる震えているだけだった。


 いずれにしても、ユーラシア大陸の東で、ずっと覇権争いの歴史が続き、そのDNAを受け継いだのが、今の中国ということになる。そして中国はさらなる覇権拡大を狙っているのだろう。でなければ馬鹿高い防衛費が無駄になる。実際、数年前、ロシアは、かつて連邦をともにしたウクライナに戦争をしかけ、今も戦争中だが、資源・食料・労力狙いなのは明らかだ。そこを押さえた暁にはさらに他国へ攻め入る腹積もりだろう。現実的に可能かどうかは別にして、為政者はそのような野望を抱いているように見える。中二病をこじらせた老人は本当に度し難い。


 この世界は誰かが好き勝手にしていいゲーム場ではない。

 この世界を創りし神様でさえ、この世界への干渉を控えているのに、

 人の身で思い上がりも甚だしい。


 理性的に考えれば、覇権主義はまったく割に合うものではなく、周辺国ばかりか自国も窮地に追いやる愚かな政策だ。多数を巻き添えにした挙句、最後は自殺するという銃乱射事件がアメリカであったが、それを国規模、世界規模でやっているようなもの。本当に迷惑なこと、この上ない。


 日本はそんな狂人的な覇権主義国の養分となる訳にはいかないので、不本意ながら防衛費を上げざるを得ないが、どうせ上げるなら、国内の経済が回り、国内の技術が進歩するようにするべきだ。また限られた予算から捻出するわけだから、なるべく少ない費用で最大限の効果が出るよう図ってもらいたい。


 幸い、日本は大陸の覇権主義国と海を挟んだ島国だから、陸地から攻めてこられない。このメリットは計り知れず、だからこそ、日本は長い間、他国から攻められず、独立を保つことができた。来るなら空か海かであり、このふたつの防衛にリソースを集中させることができる。中国は陸の国境が広いから、その付近にたくさん人を配置する必要があるが、日本はそれが要らない。大海原が天然の防壁となっている。


 日本の海軍は世界的に見て技術も練度も高く、安心できる部分はあるが、問題は空からの攻撃、特にミサイルによる攻撃だ。この対処(防空強化)が急がれる。大国ロシアがウクライナとの戦争で膠着状態になっているのは、ウクライナ上空の制空権がまったく取れていないからだ。逆にロシア上空の制空権が穴だらけなので、ウクライナの越境攻撃を許している。陸続きでこれなんだから、島国の日本は制海権に加え、制空権を守れれば、凌ぐことができるだろう。日本は2004年からミサイル防衛システムの整備を初めているが、ペースを上げるべき。


 ミサイル防衛は防衛上のコスパがいいだけでなく、その技術は衛星技術を含め、民間に応用できるから、無駄にならない。飛び道具を持つことで抑止効果を高めるのだ。日本は専守防衛が基本だが、その気になれば、敵基地(敵のミサイル発射場など)も攻撃できるようにするべきだ。


 飛び道具は日本のような小さな国にとって有利に働く。面積が小さいので、守る範囲が狭く、守りやすい。対して中国は面積が大きいので、すべてをカバーするのは至難の業。無理にカバーしようとしたら、莫大な軍事費が必要で、自らの首を絞めることになる。実際絞まっており、このまま行けば、誰かが手を下すまでもなく自滅するだろう。それを知っているから彼らは急いでいる。


 筋骨隆々で力持ちの大男と痩せで非力の小男が、素手で戦えば、前者が一方的に勝つだろうが、双方が銃を持ったら、にらみ合い状態となり、互いに手を出せなくなる。何が言いたいかというと、飛び道具を持つと、体格の大きさが関係なくなってくるということだ。たとえプロレスラーであっても、銃を持つ中学生に手を出せない。10対1,100対1でも、1が銃を持っていたら容易に手を出せない。


 相手の領土に届くミサイルを持つことは

 絶大な抑止力となり、ゲームチェンジャーとなる。

 いきなり攻撃されたり、一方的に攻撃されることを防げるのだ。


 日本は徴兵制ではないので人は少ないが、人を増やす必要はない。前の戦争は外に出るため、たくさんの人が必要だったが、今度は違う。守るだけなら、そこまで人は要らない。それより、ミサイルの数を増やし、ミサイルの精度を上げ、敵がミサイルを打ってきても、すべて途中で落とせるよう技術や練度を高めるべきだ。


 ミサイル防衛こそ日本防衛の要。これで敵は手を出せなくなる。


 それと何と言っても、コスパのいい防衛は、同盟国ないし、それに準じた国を増やすことだ。日本の公式の同盟国はアメリカだけだが、準同盟国(同志国)は着実に増えている。


・カナダ     ACSAを締結

・オーストラリア ACSAとQUADを締結

・インド     ACSAとQUADを締結

・フランス    ACSAを締結

・イギリス    ACSAを締結、次期戦闘機の共同開発を合意

・イタリア    ACSAを締結、次期戦闘機の共同開発を合意

・フィリピン   OSAを締結


・ACSA(物品役務相互提供協定)

 共同訓練や物資を相互提供し、軍事作戦の後方支援を可能にする。

・OSA(政府安全保障能力強化支援)

 防衛装備品などを無償で提供する制度で、

 フィリピンなどへレーダー供与が実施されている。


 また、日本はNATOの「世界におけるパートナー」であり、基本的な価値観(自由、民主主義、法の支配)と戦略的利益を共有する重要なパートナーとして位置づけられている。両者はサイバーセキュリティ、海洋安全保障、技術開発、防衛産業、ウクライナ支援などの分野で協力関係を深化しており、インド太平洋地域への関与を強めている。NATOは世界最強の軍事同盟であり、そこと連携することは日本の防衛にとって非常に有益だ。


 かつての日本は戦争で孤立し、無条件降伏という形で終戦を迎えたが、今はあの時と状況がまったく違い、多くの国と連携し、覇権主義国の悪しき野望に備えている。繰り返すが、戦争は望まない。孫氏の兵法にある通り、戦わずして勝つことが最善だ。それには覇権主義国が戦争をしかけたくても、それができない状況をつくり出すこと、日本に手を出したら、分が悪く、大変なことになると、わからせることだ。


 それには情報戦・認知戦が不可欠だが、スパイ天国である日本はそれが弱い。準同盟国が増えても同盟国にまでなれないのは、それがあるからだろう。現在、日本はファイブ・アイズ(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの機密情報の枠組み)との連携を深めており、将来の加入も視野に入れているが、ここでも日本の情報管理の甘さがネックとなっている。さっさとスパイ防止法を可決しないと。こんなのは多くの先進国では、あって当たり前の法律。G7でそれが無いのは日本だけ。G7レベルの実効性を持つ法整備が喫緊の課題だ。


 スパイ防止法は普通の日本人なら困ることはまったくない。困るのは文字通りスパイだけだ。それなのに執拗に反対する連中はいったい何なのだろう。どこの国でも、防衛機密上、他国に知られてはマズい情報がある。特に日本は先進技術を多数保有し、それが国を支えている。そこに他国のスパイがアクセスできたら、国家存亡の危機に陥りかねない。


 日本には、メディアの中にも議員の中にも、公共部門にも民間部門にも、スパイのような連中がうようよいるが、かなり炙り出されており、この勢力の一掃が望まれる。財政健全化で話が広がっているが、彼らが国益に反することばかりするため、結果的に財政が悪化しており、その悪因を断つことは財政健全化に欠かせない。大掃除の時が来た。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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