第1764話 霊性研究所56~瞑想会8~
続きです。
「皆さん、質問はありますか?」
チャクラ瞑想について、一通り説明を終え、
ローレルがスタッフたちに声をかけてくれた。
さて、ここからは質問会だな。
数人手が挙がる中、ローレルが一人を指名し、質問者が口を開く。
「チャクラというのは生命エネルギーの集まる場所
という理解で宜しいですか?」
確認か、いいね、こういう姿勢は。こういう質問をされると中には「さっき言っただろ」「そんなの分かるだろ」と毒づいて返す人がいたりするが、それは俺様思考の強いタイプであり、僕の目指すものではない。相手に対して寄り添う姿勢があるなら、そんな答えはしないもの。一回で分かるものではない。
「うん、その通り。ただ、チャクラごとに集まるエネルギーの
性質が違うのは、これまで説明した通りだ」
一口に生命エネルギーといっても、それぞれ性質が違う。第一チャクラのエネルギーが根源的なものだが、そこから進化発展していく。単に生きるだけから、生きることを自覚し、自我を認識し、自我を持って行動し、その過程で他者を認識し、他者と交流し、世界に視野を広げ、自分は何をするべきか、どこに向かうべきかを知り、最後は真の自分に還っていく。
次の質問者が口を開く。
「チャクラのエネルギーを瞑想で強くするということですか?」
この質問も確認だが、初めてならそうなるし、そうなって当然だ。僕だって逆の立場なら、いきなり「チャクラ」と言われたら、「何じゃ、そりゃ?」となるだろうしね。
「うむ、そうだが、実は瞑想しなくても、強くすることができる。どのチャクラも共通しているのは意識すると、それだけでエネルギーが強くなるということだ。一番簡単なのは手で当てることだろう。ただ、第一チャクラの会陰は手当しづらいので、後ろに手を回し、尾骨を触るといい。場所的にはここでも問題ない。チャクラはツボのように点ではなはく、球で範囲が広いからね。むしろ、意識としては会陰より後ろよりにした方がいいぐらいだ。前は生殖器官があり、そちらに意識が集中するのは好ましくないからね」
ここにいる皆は日頃ストレッチをしてるから、後ろ手で尾骨に手当するのは難なくできるだろうが、それができなければ体が老化してる証拠なので危機感を持った方がいい。それを防ぐには背中握手を日課にすることだ。付かなくても続けていけば、やがて付くようになり、背中で握手できるようになる。
第一チャクラは生のチャクラだが、性にも強く関係しており、そちらにエネルギーが向かうと少々厄介だ。フロイトは人の行動の根底にある性的欲動、つまり性的エネルギーをリビドーとしたが、生は性によって存在しうるということなんだろう。だが、性は性欲に直結し、ネガティブに志向する。ポジティブに志向するなら性ではなく生だ。ユングのように性を生の一部として捉える。
性から生へ、そして生から聖へ
だから、生殖器官ではなく、会陰から尾骨よりに意識を向ける。第一チャクラはムラダーラチャクラと言うが、その名の通り、ムラムラするリスクがある。だが、性欲が強まった場合、肛門をギュッと締め、会陰から尾骨付近に意識を向けると、生殖器官に流れたエネルギーがそちらに向かうので、性欲を抑えられる。
「瞑想以外でチャクラを強くする方法について、ひとつずつ教えよう。
先ずは第1チャクラだ」
パネルを提示する。
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第一チャクラ ガーデニング ウォーキング
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「第一チャクラは大地とつながっているから、下半身を動かし、大地の上に自分はいるという意識を持てば、自然と強くすることができる。大地に裸足で立ったり、足つぼマッサージをするのもいいだろう。大地のエネルギーは足ツボの湧泉から入ってくるから、湧泉を刺激するのもいい」
ウォーキングすると、腎を養い、老化予防になるが、
これは第一チャクラを強化するからだ。
ちなみにインドでは意外にも、いや意外でないのかもしれないが、性について開放的だ。カーマスートラという愛の経典があり、男女の出会い方に始まり、夫婦になるための指南や結婚生活全般、果ては性行為のテクニックまで赤裸々に書いてある。現代で言うところの恋愛ハウツー本以上のものが、4世紀に書かれていたのだから驚きだ。
4世紀と言えば、日本では大和王朝が勢力を拡大し、巨大な前方後円墳が全国に広まった時代だ。この時期は記録が少なく、考古学的に「空白の4世紀」とも呼ばれ、副葬品が銅鏡から武具や馬具へと変化し、馬が導入されるなど、社会・文化に大きな変革が起きたんだよな。
ただ、勢力を拡大したといっても、戦争によらず、各地の権力者の娘と婚姻関係を結び、縁続きになることで平和りに行われた。それにより日本中が大和王朝の親族となり、日本中に前方後円墳が広がったのだ。現代人はずっとご先祖様を辿ると大和王朝につながっている可能性がある。
昔は生を存続させる手段として、今以上に性がポジティブなものだったのだろう。それは子孫繫栄を、ひいては国家繁栄を意味したからね。そういう背景もあってか、特に昔のインドは性に開けっぴろげだった。世界遺産にも登録されている、カジュラホの遺跡、コナーラクのスーリヤ寺院には、多くの彫刻が壁面に彫られているが、どれもこれも男女が抱き合い、むつみ合い、まぐわり合い、目のやり場に困るほどのあからさまだ。日本なら公然わいせつものだろう。
あれら彫刻群は色欲まみれの堕落を表現したものだろうが、性のバランスを間違うとああなるという警告を発しているように思えてならない。性のエネルギーは人の根源的なもので、力強いものだが、であるからこそ、きちんとコントロールしなければならない。性にコントロールされるのではなく、性をコントロールする。それにより性が生になる。性の字は「小さい生」そこから「小」を取る。そして、生から聖を目指すのだ。
さて、次にいこう。パネルを提示する。
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第二チャクラ 腹式呼吸 丹田ウォーキング
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「第二チャクラは丹田だから、丹田を意識して腹式呼吸するといい。
あとは丹田を意識しながら歩くウォーキングだね」
丹田ウォーキングについては既に各方面で教えてる。軍隊式で踵から歩く
のではなく、すり足で丹田を意識し、丹田の高さを変えないように歩く。
パネルを提示する。
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第三チャクラ 体幹を鍛える運動
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「第三チャクラを強くするには、腹筋や腹筋などの体幹を
鍛える運動をするといい。筋トレとストレッチがいいね」
意志力、行動力を高めるには体幹を鍛えるのが効果的。
ヨガのポーズも体幹を鍛えるものが多い。
パネルを提示する。
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第四チャクラ 愛、感謝
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「第四チャクラを強くするには、人を愛し、人に感謝するといい。
また、胸の中央に装飾品がくるようなペンダントもいいな」
昔から胸元にアクセサリーを飾る人は多かったが、こうすれば自然と胸の中央を意識し、第四チャクラが鍛えられる。昔の人は「胸に手を当てて考えろ」とよく言ったが、これは頭だけでなく心でも考えろ、ということなんだろう。良心を人生の道標にするべきだ。
パネルを提示する。
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第五チャクラ 表現(発声、朗読、歌など)
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「第五チャクラを強くするには声を出すといい。内容はもちろん
ポジティブなものだ。皆が笑顔で幸せになるような表現を心がける」
日本ではやたら、表現の自由、を声高に主張する者がいたが、それは、人を傷つけるもの、人に迷惑をかけるもの、人をたぶらかすもの、人を惑わすもの、人を不快にさせるもの、人を不幸に導くもの、であってはならない。自由には責任が付いてくるのだ。無責任な自由は許されない。
パネルを提示する。
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第六チャクラ 日光浴
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「第六チャクラを強くするには日光浴をするといい。特に朝日はいいな。日の出から時間の経っていない朝日は直視できるので、それをするとチャクラが強力に刺激される。そして目を瞑ると日の光がイメージできるだろう。それは印堂にある第三の目で見る感覚に近いものだ。印堂にもうひとつ目があるという感覚だね」
ほとんどの人は第三の目を閉じているが、印堂を意識し続けると、少しずつ開いてくる。霊的な成長度合いもあり、必ずしも開けばいいというものではないが、成長に応じて開くのは悪いことではない。あくまで成長に応じてね。仮に生きてる間、開かなくても、死後、すべての人は霊的能力を開眼するので、気にする必要はまったくない。これは能力全般に言える話であり、魂が能力開花を避ける人生計画をした可能性がある。魂はイージーモードよりハードモードが好きだからね。今、人生のハードモードを歩んでいる人はまったく悲観する必要はない。それは魂が求める生き方をしてるということであり、魂の計画通りということだ。
霊能力と霊性成長はまったく別のもの。
修行の本道は霊的成長であり、霊能力の開花ではない。
霊的成長の結果、霊能力を開花することはあるが、
それは付録のようなもの。付録目当てで修行すると、
本道を逸れ、おかしな方向(魔境)に進む恐れがある。
パネルを提示する。
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第七チャクラ 天を意識する 徳を積む
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「第7チャクラを強くするには、天を意識し、徳を積むといい」
徳を積む、とは善行、利他行することであり、
これまで再三言ってきたことだが、それに加え、天を意識する。
「いついかなる時も、天から自分は見られ、天に恥じない生き方ができているか、自分を振り返り、自己チェックすることだ。そして直すべき点があれば謙虚に反省し、改善する。この繰り返しで一段一段、上にあがることができる」
チャクラは意識すると、そこにエネルギーが集まるが、人の生き方も、どこを志向するかで、その方向にエネルギーが集まる。天を意識すれば天のエネルギーが集まるが、欲望を意識すれば欲望のエネルギーが集まるだろう。
人は生きてる以上、常に想いの針は揺れ動くものだが、ニュートラルの状態では常に天を向くよう調整するべきだ。現世で生きる以上、嫌らしいもの、憎らしいもの、汚らしいもの、おどろおどろしいもの、吐き気を催すようなもの、を五感に入れることもあるだろう。
だが、そういう時に、それらをじっと見続け、意識し続けてしまうと、想いの針がそこに向かい、その低いエネルギーが集まってきてしまう。「あいつら馬鹿だ」と馬鹿にし続けると、その馬鹿が自分にうつる。だから、エンガチョよろしく、すぐ想いの針を天に向け、リセットすることだ。
じゃあ最初から低俗なものがない環境にいたら?
ということで、人里を離れ、山の中で修行する人がいたりするが、確かにそうすれば、想いの針の向きは天を維持しやすくなるだろう。だが、それでは修行効果が薄くなる。天への維持が難しい状況で維持しようとするからこそ修行効果が高くなるのだ。
邪心や欲望が沸き上がる度に、自分で自分に「いかん、いかん」と自制する過程で人は精神的に成長する。ただ目を瞑り無念無想するだけでは、それは叶わない。ある意味、逃げているのと同じだからね。自分は修行してるつもりでも、実は修行放棄になっている。瞑想を一日30分以内に制限してるのはこれが理由だ。
魂は修行のため、苦を求めて現世に来てるのに、
苦から逃げ続けたら、修行にならない。
悩みや不安だってそう。有るより無い方がいいと一般的に言われているが、まったく無ければ、のほほんと自堕落になるリスクが生じ、実は適度に有った方がいい、というのが本当のところ。これも解消する過程で成長の糧になる。
何の不安も心配もなく、至福に包まれた状態を人は望みがちだが、それは突き詰めると、脳内にドーパミンがどばどば放出されるお花畑の世界、ふわ~ととろける甘美な世界、何もしなくてもヌクヌク過ごせる自堕落な世界、と紙一重だ。
天は上にあり、上に行くには一段一段上がる労苦が必要だ。
労苦とは人様のために働くこと。働き者でなければ上に行けない。
自分の欲しか眼中にない怠け者は下に落ちるのみ。
最近、日本で新しい首相が就任したが、
党大会で就任決定直後のセリフが印象に残る。
「働いて働いて働いて働いて働いて、参ります」
これまで日本には多くの首相がいたが、就任決定直後にこんなに熱いセリフを言った首相はいない。どかの誰かが書いたような型通りの内容ばかりだったから、記憶にすら残っていない。だが、この言葉は心に響くものがあった。おそらく天から下りてきた言葉であろう。新首相は国民のために働きまくると宣言した。
案の定、マスコミは労働者の権利が脅かさる等的外れな批判をしたが、批判する点がどこにあるだろうか? 首相が国民のために誠心誠意命がけで働くと言っているのだ。褒めたたえ、感謝こそすれ、批判はまったく当たらない。国民に「働け」と言ってるわけではなく、自ら「働く」と言っている。また首相は労働基準法上の労働者に該当しないので、いくら働いても法的に何の問題もない。と言いつつ、休みはちゃんと取ってもらいたいけどね。ただ、今は国難と言える状況なので、サラリーマン感覚ではとても務まらないのもまた事実だ。
「働く」は傍を楽にすることであり、皆を幸せにすること。英語の「WORK」とは根本的に違う。「働く」は自主的に嬉々としてするものであり、「WORK」は強制されて嫌々するものだ。それから「働」という字、これは国字である。国字とは日本で生まれた文字(和製漢字)のこと。中国で生まれた文字ではない。「働」は「人が動く」と書くが、先人はそこに善行(傍楽)を見出した。人が動くなら善でなければならないとね。本質的な意味において「働く」は英語にも中国語にもなく、日本人がその独特な感性により、創り上げた言葉だ。
マイ図書館で日本の記事を見ると、移民や少子化など暗い話題が多かったが、ここに来て特大級の良いニュースが飛び込んできた。日本初の女性首相ということで注目されているが、彼女は一般家庭で生まれ、決して裕福ではなく、地盤、看板、かばんのない状態から、実力で這い上がってきた。世襲議員ではなく、官僚あがりでもなく、どこぞの団体あがりでもない。この点をもっと評価するべきだ。
それまでの首相は官僚が作った文章を意味も分からず棒読みするのが多かったが、彼女は違う。すべて自分でチェックし、修正すべき点は修正し、きちんと自分の言葉で答弁した。考えたら当たり前のことだが、これまで、その当たり前のことができない首相があまりにも多かった。酷いのになると、首相になるのがゴールで、その先がノープランなんてものいたからな。こういうタイプは当たり障りのないことばっかり言って決定を先送りし、問題を大きくするだけだった。はっきり言って時間の無駄、今の日本は緊急を要する課題が多く、時間を浪費する余裕はまったくない。
また、彼女は苦労人だ。大学の学費は親から出してもらえず、自分でアルバイトをして捻出し、最初の選挙は落選。当選後、精力的に活動するが、婦人科系の症状に苦しめられ、さらに更年期障害が加わり、関節リウマチとなった。本人の弁によると既に人口関節が入っているという。こんなのしんどくないわけがない。
出産経験はないが、夫の三人の連れ子を養母として育て上げ、現在は、脳梗塞で体が不自由になった夫の介護までしている。首相になった今でも、食事の準備や入浴介助など行っているが、マスコミはこういうことを一切報じない。
首相自身、関節リウマチの症状を抱え、通常なら安静を要するところだが、それでも意を決し、国のために立ち上がった。就任早々、同盟国であるアメリカの大統領を国賓に迎え、おもてなし外交を展開したが、アメリカ軍の基地で兵士に応えるために、右手を高く掲げたのが印象的だった。関節リウマチは腕を上げると痛みが走る。だが彼女はそんなそぶりも見せず笑顔で元気よく応えたのだ。
今、世界では、覇権主義を目指す大国が領土的野心を隠さなくなり、緊迫度を増している。これまでの平和ボケではとてもじゃないが対応できない。そんな時期にいい人が首相になってくれたものだ。
近隣のは覇権主義の大国が2027年に台湾を武力統一すると宣言しており、仮にそうなれば、日本はシーレーンを脅かされることになる。日本の貿易量の実に99.6%(重量ベース)が海上輸送であり、その多くが台湾の近く(バシー海峡)を通っている。日本は石油の92.5%を中東に依存しているが、その船も台湾の近くを通っているから深刻だ。ここが該当国に抑えられ、通せんぼされたら、日本経済は大ダメージを受けるだろう。そうなれば日本は弱体化し、今度は日本が狙われる。今はまさにその分水嶺にあるのだ。
日本という国が今後も存続できるかどうか、子や孫の代に残せるかどうか、それがこの数年にかかっている。今日は平和だが、一年後どうなっているか分からない。いや、明日ですら絶対大丈夫とは誰も言えないだろう。突然、何の前触れもなく、ミサイルが飛んでくることだって普通にあり得る。既にかの国はミサイルの照準を日本に向け、いつでも発射できる体勢になっているのだから。
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