第９話
優希に正体がばれた次の日、
俺はいつも通りの起床時間におきた。
すると、俺の部屋には、何故か優希が侵入してきていた。
「高志、おはよう。」
とまあいたって普通の朝の挨拶をしてきた。
「あぁ・・・何でここにいる？」
「い、家で何もすることが無かったからこっちにきたわけじゃ・・・」
「暇だったんだな」
優希はとっさの隠し事は苦手だ。
でもこのことは隠さなくてもいいんじゃないか・・・
しかし、何か違和感がある。
声の高さがちょっと違うような・・・
「ち、ちがうわよ!!」
しかし俺は、普通の優希のように接してみた。
「いや、本当に暇だったんだろ？で、俺をからかいに来たが、寝ていたからおきるのを待っていたということか？」
「・・・」
図星だったようだ。
優希の場合は、ここで諦めずに、もっと言い返してくるはずだった。
昨日の優希とはまったくの別人のようにだった。
と、いうか別人だった。
よくよく見てみると、優希以上の胸の大きさで、雰囲気が何か子供っぽい。
こんな奴を俺は優希の家で見たことがある。
というか実際、昨日優希の家で見た。
忘れていたが、優希は双子なのだ。
妹の方が、優希で
姉の方が、美香だ。
俺と優希の話を昨日、盗み聞きしていたようだ。
「美香、何でここにいるんだ？
盗み聞きしていたことはもうどうにでもならんが、
なぜここにいる？」
「いじめたかったから。」
舌をちょこっとだけ出して答えてきた。
(萌え〜〜〜)
おっと理性が飛ぶところだった。
そして俺は美香に
「この事はくれぐれも誰にも内緒で頼む。」
と頼むと、美香は、
「分かった。」
と素直に答えてくれた。
その後、美香は、小一時間ほど俺の家にいたが、俺のゲームを借りて、かえっていった。
(美香の奴何しに来たんだ？)
今日の変わった出来事といえばそれくらいだった。
そして
日は経ち
夏休みがあけるまで、三日
俺は転入することになっているので、夏休みの宿題なんてものは無く、
自由に、ネットサーフィンをしていた。
そこに、俺の携帯が鳴った。
俺の着信音は、某有名ドラマの主題歌だ。
その電話のディスプレイには、《山崎 優希》と書かれていた。
山崎は優希の、苗字だ。
電話を取る前から、俺は何の電話かを察知した。
「はい。もしもし？」
『たかし〜。た〜す〜け〜て〜
宿題が終わらないよ〜』
やはりこの内容だった。
優希は毎回、宿題をギリギリまでしないと言う性格だ。
そして、毎回俺が手伝っている。
俺は、とっとと終らす派なので困らないが・・・
「それくらい自分でやれ。」
『え〜。高志は宿題無いんでしょ〜。だったら助けて。』
痛いところをつかれてしまった。
それを言われてしまうと俺は反論の余地が無い。
「う・・・」
『でしょ？助けてよ〜(泣)』
「わ、分かった。今から行く。」
結局、今回も手伝う羽目になってしまった。
俺は今日、白のワンピースを着ている。
これもまたおふくろに着させられた。
それで優希の家に行くと、美香が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。」
「あぁ。優希は？」
「部屋よ。」
俺は、優希の部屋に一直線に行った。
後ろのほうで、美香が
「飲み物何がいい？」
と聞いてきたので、
「アルコール入り炭酸飲料」と答えた。
未成年だろ!!と突っ込むのはやめてくれ、これを飲まないと
優希の宿題なんか付き合っていられない。
俺は優希の部屋のドアを力いっぱい開け放ち、こういった。
「まだ白紙か!!このクソボケが!!」
そして、部屋の中を見てみると、優希が、正座をして待っていた。
そして、
「すみませ〜ん。次からはちゃんｔ」
「いつもそういってしないだろうが!!分からない所は教えてやるから出来るかぎり自分でやりやがれ！！。」
俺は正論を言ったはずだ。
しかし、優希は
「無理!!」
即答してくれました。
こんな感じだから、アルコールが欠かせないのだ。
俺はここで美香が持ってきてくれた、缶のプルタブを開け飲み干した。
そして俺は諦め、優希の宿題を、分けて進めていった。
そして徹夜して次の日の朝、俺は分けられた宿題を全て仕上げた。
優希は・・・いびきをかいて爆睡中。
我ながら、すばらしいものだこの集中力は・・・いつの間にか次の日が来ていたし
優希のいびきすら聞こえないくらいにまでとは・・・
(優希は、女らしさがないな・・・口調ぐらいか。)
俺は優希を起こさぬよう優希の部屋をでて自分の家に戻って寝た。
あと２日でスカートをはいて、学校に行くというのに、のんきな者だと思いながら・・・
1.未成年の飲酒は止めましょう。
＆
2.飲酒運転は止めましょう。
1は忘れましたが、2は確か道路交通法に引っかかるはずです・・・間違えてるかな・・・
