風景印
最近は、神社仏閣を参拝し、各社寺ごとの様々にデザイ
ンされた『御朱印』なるものを集めるのがブームだという。
また、それに伴い様々な『御朱印帳』というものもあり、
人気を博しているようだ。そのいっぽうで御朱印を巡って
のトラブルも起きているようである。
それはさておき、日本各地には、その土地にゆかりのあ
る名所旧跡をデザインし、大きさは直径三十六ミリで、と
び色をした一般的には丸型の『風景印』というものがある。
なかには丸型のみならず、変型の『風景印』も数多ある。
(風景印?……)
と思われた方も多くおられるのではなかろうか。『風景
印』の正式名は、『風景入通信日付印(ふうけいいりにっ
ぷいん)』という。それが何処にあるのかというと、誰も
が一度は利用したことのある身近なところ……なんと郵便
局である。
つまりこれは、一般的な消印替わりに押してもらうもの
だが、はがきや封筒をポストに投函してしまっては、押し
てもらえない。これだと普通の消印、丸型和文印、和欧文
印などを押されることになる。
さてどうするか、郵便物を窓口へ持っていき、
「風景印を押してください」
と頼まなければならない。
ちなみに、家の近くにある一部の郵便局の風景印を紹介
してみると、各務原東郵便局のデザインは、村国座と木曽
川の風景に中山道の道標。おがせ郵便局は、池祭りの風景
に睡蓮と鯉。各務原駅前郵便局は、飛行機と炉端遺跡(こ
の風景印は提時計の文字板にしている)が描かれている。
二十代から三十代の頃、各地の風景印に興味を持ち、郵
頼したことがある。風景印を依頼したい郵便局に、封筒に
切手を貼り、依頼書と葉書に自分の住所と名前を明記して
入れ投函する。こうすれば、郵便局からはがきに風景印が
押されて届きます。今でも当時に集めた風景印はがきが、
五十枚ほどストックしてある。
また、二十代頃は多くの女性と文通(懐かし~い!)し
ていたこともあり、相手に出す手紙にはもちろん風景印を
押印し、貰う手紙にも風景印が押印されたものが数多ある。
この頃に貰った手紙は、一通も残っていません。しかし、
封筒だけは残してあります。なぜかというと、封筒に切手
を貼り消印または風景印を押印したものを『エンタイア』
といい、収集していたからである。
先日も、現役時代に収集したエンタイアを、懐かしく思
いだしながら整理をした。というのも、数があまりにも多
くある。そこで消印がしっかり読めるものを残し、見ずら
いものは思い切って捨ててしまった。
自分の住んでいる所の風景印を一度調べてみるのもいい
かもしれませんね。




