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五人の相談 + 一人

ヴァージニア教国の聖宮の地下室にて、ヴァージニア教国と桜ヶ丘高校の間の話が終わって他の者が移動していた中、五人がその場から動かず、残されていた。桜木彩芽(さくらぎあやめ富士村強一(ふじむらきょういち)原田仁(はらだじん)寺島樹(てらじまいつき)、そして安原博士(やすはらひろし)


「さて」


全員が出ていったと確認した桜木校長はポケットから小さな箱を出してそこから一本のタバコを取った。そして、なれた動作で火をつけて吸い始めた。それを見た他の四人は何かを察し、安原がそれを口にした。


「あれ、話し合いって愚痴?。あぁ、だからこのメンバーを。いやぁでも、おれはともかく生徒に愚痴を聞かせる校長先生ってどうかね…」

「やかましい。やってられないんだよ。ホント。地震で命がなかったと思いきやいきなり異世界に飛ばされて、魔王倒せと言われて生徒たちを戦に出さなければならないんだよ。他の道がないとはいえ、マジで腹立つわよ。」


主にそれを受け入れた自分に。そう口に出さなくても、その桜木校長の気持ちを四人はしっかり感じ取った。


「地震に関してはむしろラッキーじゃないッスか?助かったんだし。」

「仁のアニキの言う通り。悪いことばかりじゃないからさ、彩芽さん。少しは肩の力を抜けてみ。そして、今後のことを考えようぜ。」

「…ストレスの元である問題児の一人が何をぬかすんだね。」

「オレ今回まだ何もやってないッスけど!?」

「今まで問題を起こした自覚があってよろしい。ってかそうじゃないよ。現状確認したいんだよ。現状確認。」


そのやりとりで、桜木校長が冗談を言える程の余裕を取り戻したと確認した。富士村は桜木校長が言っていた現状確認することにした。


「正確には何も出来なかったけどな。」

「やはりそうかね。私は元々運動神経が普通なのであまり違和感を感じないが、神のご加護とやらでお前たちの体に変更があるのかい?」

「ウッス。そして、基本の身体能力だけではない。」


富士村は持っていた竹刀袋から竹刀を一本取り出して構えた。そして、振った。それを見て原田と寺島は理解した。


「鈍くなったな。」

「ああ。今まで身につけた力が抜かされたようだ。」

「これがステータスってモンの影響ってんのか?信じられねぇぜ。」

「だが事実、俺たちは思った通りに身体を動かせることが出来なかった。コケたことを忘れてねぇだろう。」

「そうだけどよ…じゃ何で身体に変形がねぇんだ?まだオレの鍛えた筋肉がついているぜ。樹とかまだムキムキだし。それで筋力がねぇとかありえなくね?」

「それは…」

「…身体が飛ばされなかったかもしれぬ。」

「何?」

「どういうことだ、樹?」

「そのままの意味だ。俺たちの身体は、肉体は元の世界に残ったままかもしれぬ。つまり、今の俺たちはただの魂。身体はただの霊体。それで元の世界の原理を無視してこっちの世界の仕組みを打ち込んだわけだ。まぁ、ただの仮説なんだが。」

「でも、それって…」

「正解です。」

「!!!」


新たな声が聞こえて、全員が驚いた。桜木校長たちは声が聞こえた方向に向けると部屋の入り口に一人の男子生徒が立っていた。桜木校長はなぜ寺島の仮説を正解だとはっきり言えるのかを聞きたかったが、その前に校長として言わなければならないことがあった。


「君は確か一年生だよね?なぜ他の者と移動しなかったのかね?」

「はい。一年C組の山田拓人(やまだたくと)です。指示に従わなかったこと、申し訳ありません。ですが、校長先生に、皆さんに伝えたいことがあります。」

「伝えたいこととは?」

「僕がサモンさんが倒れた時に彼の体を支えたことを覚えていますか?」

「ええ。それが?」

「その時にサモンさんは僕に入れ込んだんです。自分の記憶を。」

「…!なるほど、あの時か!」


五人の頭に浮かべたのは山田がサモンの身体を受け止め、その時にサモンが山田の額を触った時であった。それを見た山田は少し引いた。


「…相談しに来た僕が言うのもあれですが、皆さんの理解が早すぎませんか?普通、記憶の転送とかありえないことなんですけど。それに、寺島先輩のあの仮説…なんだかこういう不思議な事態に慣れているようです。」

「異世界に飛ばされて何を今更。それに、慣れてるでない。無理矢理受け入れるんだ。目の前の現実を。そうしなきゃいつまでも進むことが出来ないからね。普通の生活にも同じだよ。要は目の前の現実に飲み込まれずに自分を保つことだ。」

「言うほど簡単ではないと思いますが。特に人はイヤな現実を否定したがるでしょう。」

「否定したいなら否定すればいい。ただし、現実から目をそらすんじゃない。否定したいならその現実を変えるために行動をとるんだ。頭や口だけで否定しても何も変わりはしないさ。」

「…やはり僕には難しいです。」

「まぁ、今はそれをおいといて、話を戻そう。君が伝えたいことはサモンの記憶についてということかね?」

「はい、そうです。」

「分かった。しかし、その前に聞きたいことがある。」


寺島の仮説を聞いて、五人の頭の中にとある可能性に気づいた。とても恐ろしい可能性に。だが、だからこそはっきりしなければならなかった。寺島の仮説が世界だといい切れる山田。彼の中に彼らをファストフィリアに呼び出した張本人、召喚士のサモンの記憶が転送された。彼ならその可能性の真偽をはっきりできるであろう。そう思って、桜木校長は聞き出した。


「私たちは死んだのか?」

未だに地下室から出ていない模様。

話の進捗が遅くてすみませんが、付き合っていただけると嬉しいです。

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