ヴァージニア教国、その始まり
世界の設定の話です。
ヴァージニア教国、聖殿の地下室。
異世界から来た人類の集団、桜ヶ丘高校がファストフィリアに出現して教国の人間と挨拶を交わした。それを代表したのは桜ヶ丘高校校長である桜木彩芽とヴァージニア教国の大司祭であるマリアム・ホーリであった。
「この歳で大司祭とは、偉い方というか教国のトップではないか。お話し出来て恐れ入ります。」
「それが神が私に与えられた役目ですから。それに、国が動けるのはその国の人々が国を思い、動いてくれるからです。私ができることは彼らがちゃんと役目を果たせるように国の仕組みを調整するだけです。私はいつも皆さんに感謝しています。」
「ご謙遜ではなく本当にそう思っているとはっきり見た。その心が変わることがなければ、国が良くなるとは言えないが、貴方は必ずいいリーダーになれるでしょう。その初心、大事にするがいいと思う。」
「ありがとうございます。」
「ふむ。では、前置きをこれくらいにして本題に入りましょう。」
「はい。呼ばれた理由について話すために、まずはこの世界の歴史を話す必要があります。長くなりますが、ご容赦を。」
そして、マリアム大司祭は語った。この世界のことを。
人間が楽に生きていける世界、それはファストフィリアであった。神は人間に能力と職業というご加護を与え、人々はそれに合う人生を歩めば何も不満な事なく生きていけるであろう。大自然に人間に害をなす生き物、魔物というのが存在しているが、神は剣士や騎士などの戦闘系の職業や能力を一部の人に与えた。そういった者の間に力比べがあったものの争い事がなかった。だから、1000年前までに、国などはなかった。皆与えられたことに従って生きてた。
だが、1000年前に力に酔った剣士の青年がいた。彼は強さが真の正義だと思い、誰よりも強くなりたいと思ていた。強さを得るためなら彼は神に与えた職業であった剣士と合わない拳や蹴りなど戦法を使っていたり、自分が持っていなかった能力を修得したりしていた。つまり彼は、神の指導を逆らった。それで神は彼が”悪”だと認定して彼を人間以外に変化した。そして、神が与えたご加護も取り外された。それでも彼は強さを求めて続けて、やがって彼は破壊することが生き方の怪物になった。それだけでも他の人間に害になる彼は大自然の魔物とはまた違う魔物を生み出すことができた。彼が生み出した魔物の力は自然の魔物と比べにならない力を持っていた。一匹倒すのに数十人の戦闘系の人間が必要だった。そんな強い魔物たちを従える彼は人々が魔王と呼んだ。彼を止めなければならない。そう思い、一人の騎士が魔王に立ち向かった。が、彼の力は魔王に届かず、その戦いに命を落とした。
そして、人間は単独で魔王に敵わずと理解して、バラバラで神に与えた自分の役目を動いていた人間たちは共通の敵である魔王を立ち向かうために手を組んだ。それがヴァージニア教国の始まりだった。生き残るため、世界の敵を打ち倒すため、神はその人間の努力を認め、彼らにさらなるご加護を与えた。それは上昇。自分の職業と能力を一定のレベルまで鍛え上げた人がさらなる力と新しい能力を得ることができる。更に、神はヴァージニア教国の街の周りに魔物や魔王までも弾ける結界を張った。そして、最も重要なご加護、総合能力ホリーシール。五人の上昇した聖職系の人間がいれば発動できる能力。この能力で魔王を封印することができた。もちろん、あくまでただの封印で魔王が倒されたわけではなかった。1000年に渡って魔王は幾度と復活し、そして人間は幾度も魔王を封印した。その繰り返しであった。
ファストフィリアの人間はいまだに魔王への恐怖を抱きながら生きてきた。




