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魔物と初戦闘

「うおおおおおおおおおおおお!!!」

「ギギャアアアアアアアアアア!!!」


一閃の刃が黒き怪物、魔物を切り裂けた。真であった。

勇者パーティーは始めての魔物との戦いを終えたばかりであった。初めての勝利に、全メンバーの気分が高ぶっていた。


「やった!!俺たちはやったぞ!!」

「勇斗君、凄い!!」

「何言ってんだ、香奈も良くやったじゃねえか!!」

「ふう、みんな無事でよかった」

「皆さん、お疲れ」

「風華さんも、戦闘中の指示がとても的確だった。本当に参考になったよ」

「いいえ、皆さんが聞いてくれてちゃんとやっていたから私の指示が成り立てた。本当に良くやったよ」


真だけじゃなく、谷川に褒められた勇者パーティーはまんざらでもなく照れていた。前の世界でもこの世界でも優秀な谷川であったからうれしかった。


「勇者様、皆様もお見事です」

「うむ。初めての戦闘とは思えない戦いっぷりであった」

「アレクシスさん、バートンさん、ありがとう」


勇者パーティーが喜んでいる中、付きの騎士の二人が彼らに声をかけた。剣使いの教官である騎士のアレクシスとタンク役の教官である戦士のバートン。


「今の魔物は正直言って新人の騎士も手を負えないのステータスを持っていた。それを二体も撃破できたとは、流石とは言いかねないな」

「これで皆様にEPが収集されたはずです。それぞれのステータスを確認してください」

「ホントだ!!レベルアップだぜ」

「ステータスがさらに上がった!これであたしたちも強くなったわね」


ステータス向上で勇者パーティーの気分がさらに良くなった。谷川を除いた。彼女は自分のステータスを見て、他のメンバーの反応を見て、ただ苦笑していただけだった。ただ、それを期にに谷川は気にしていたことをヴァージニア教国の者に聞くことにした。


「これで戦闘系はレベルを上げることができたがそうではない者はどうするのですか?」

「直接戦闘系と関わっている者は自分の能力スキルで作ったものなどを与える代わり魔物が残した魔石をもらえる。それを使って神殿に聖職系が魔石をEPに変えてその者に収集させることができる。聖職系はその二割を自分のEPにしてレベルアップする。なお、戦闘系からもらった魔石は自分の生活に必要なものを集めたいときに他の職業ジョブの生産した物と交換できる。一個の魔石がどれぐらいのEPを持っているか鑑定士が分かる」

「なるほど、つまりこの魔石はお金の役目もしているということね」

「オカネというのはよく分からんが、物々の交換のするための道具というであれば確かに合っている」

「つまり、俺たちが魔物を倒すほど人々のためになるのですね」

「ああ、その通りだ」


その言葉を聞いて真はまた気合が沸いてきた。自分の拳を握り締め、それを仲間たちに与えるように高く上げて大きな声でかけた。


「よおおおおおっし!!皆!どんどん魔物を狩ろうぜ!!」

「おおお!」

「頼もしいな。では、また次の獲物を探すとしよう」

「待て、東の方からかなり強いの魔物を感じるわ」


移動とする勇者パーティーとバートンだが、アレクシスは少し離れた場所に魔物が現れたの感知した。アレクシスの指摘した場所には確かに四足の魔物がいた。そして、それを立ち向かっているパーティーも目に見えた。


「キョウイチさん!?」

「ジン殿!?」


小林パーティーであった。アレクシスとバートンはそれぞれの教練の下に訓練していて、何の縁か近づくことができた者の名を呼んだ。谷川はそれを見て目眩がした。楓も同じ気持ちであったがそれより谷川の様子を心配していた。


「...またあの二人は」

「会長、大丈夫ですか?」

「ええ、いつものことなので。アレクシスさん、バートンさん、彼らが相手している魔物の強さはどうなんですか?」

「...おそらく、先ほど貴方たちが相手していた二体の強さを足した分と同等だと思う」

「ええ、かなり強いです。援護する方が良いかと」

「な、!?じゃ早く助けよう!!小林先生たち危険だ!!」

「いいえ。その必要はないわ」

「え、?」


谷川の反応に、その場にいる全員が戸惑っていた。谷川は他人を見捨てる人間ではないと思っていた。でも、彼女は確かに冷たい言葉を発した。


「な、何を言うんですか、風華さん!?小林先生たちが危ないですよ!?」

「大丈夫ですよ。それに、先ほどの二体を足した分と同等でしたらアダム隊長なら問題ないですよね、アレクシスさん、バートンさん」

「それは、確かにそうですが...」

「...タニガワ殿の口ぶりからだと、アダム隊長の出番も来ないと受け取ったが」

「そうだね。あれぐらいの相手なら強一君と仁君は何とかできるから。まだ疑っているのなら、そうね、いつでも援護できる距離から見ましょうか?」


全員が疑っているのは当然。あのパーティーのメンバー、ステータスが生徒の中に低いほうに入る。特に、谷川が名を挙げた二人は最下にも言える。それなのに、谷川は自信満々に大丈夫と言った。その言葉に半信半疑にできるのはたった三人。楓、アレクシス、そしてバートンだけだった。楓は富士村の人の成りえるを知っていたが彼が戦うことを見たことがなかった。アレクシスとバートンは訓練中に富士村と原田に確かに何かを感じていた。今までステータスが戦いの基本だと信じていた二人だが、富士村と原田を見るとステータスがすべてではないことをなんとなく納得できた。三人は谷川の提案に乗って他の勇者パーティーを同じくするように勧めた。

こうして、勇者パーティーは小林パーティーの戦いを観察することになった。


***


「んじゃ、オレが先に出るぜ」


原田は富士村の一歩前に出た。タンクとしての役目を全うするためでもあったが、彼は今の自分自身の力を、そして目の前にいる相手の力を把握したかったからだ。盾を前にして原田は構えた。しばらく睨み合う原田と四足の魔物。最初にしかかったのは魔物のほうであった。そしてそれは、目によく見えないスピードであった。原田はぎりぎりでそれをかわして、少しだけ首下がひっかいた。


「...私の見間違いか、ハラダ殿はわざと攻撃を少しひっかかるように見えたが、」

「その通りだ。相手の強さを測るのに攻撃を一回受けるのは一番。それがアイツのやり方だ。それにしても...アダム隊長、あのまがい物を宿る禍々しいオーラは何だ?」

「あれは、魔力という。大自然が出した力でもある。濃い魔力のところは強い魔物を出す。魔族、そして魔王も魔力を使える」

「魔力、か...」


攻撃を受けた原田は思った。


(やっぱ手応えがねえな。痛みがねえとこうも喧嘩してる実感がでてこねえとは。ステータスを見ながらじゃねえとはっきりできねえ。ま、今の感じで確かに早えが、パワーはそこそこってところか。ステータスを見ると後三、四回をかすり傷を受けられる。まともに受けたら一回で死ぬんだけどな。にしても、あのオーラ、何かなじんでる感じがするな。アイツもたぶん同じく感じたろ。っとそろそろまた来るか)


四足の魔物は速い動きで原田に止まることなく攻撃を仕掛けた。完全な反応できない原田は最小限の動きでかわすか盾で防御するしかできなかった。それを見た小林先生が心配になっていた。


「富士村君、私たち手伝わなくて良いの?」

「そうだな。そろそろ手出すか。先生、俺の合図に合わせてアイツに治療術をかけてくれ。山田は俺に瞬発力上げの術を頼む。猫田は攻撃の術を用意して俺に合図に合わせて打て」

「分かりました」

「了解です」

「アンタの指示を従うのは尺だが、原田さんのためでもあるッスからね。よし、あの魔物にバンバン打てまくるぜ!」

「いや、そこじゃねえ。打てる先はあっちだ」

「は?」


富士村は上、空の方に指した。猫田は、いや、全員が彼は何を言ってるのか分からなかった。


「まあ、騙されると思って聞いてくれ。直に分かるさ。おい!そろそろしめるぞ!!上だ!!」

「っチ、わぁったよ!!」


原田には一言だけを伝えたがそれだけで通じたのであった。二人は四足の魔物の実力を見て同じ作戦が考えたのであった。だから、その一言だけで、何をするかはお互い分かっていた。長い間ずっと戦っている仲同士の通じ合うということであった。

原田は構えを低くにして、四足の魔物を真正面から受けようとした。四足の魔物はその誘いを乗るように真正面から原田のほうに全速で突進した。


「今だ!治療術を!!」

「はい!」


小林先生は原田が攻撃を受けた同時に彼に治療術をかけた。ゼロになろうとした原田のHPが、ぎりぎりで残されていた。それを見たアダムはなんて無茶な作戦だと思った。全速で原田に突っ込んだ四足の魔物はようやくその足を止めた。そのときに、山田から瞬発力上げの術を受けた富士村は原田のほうに走っていた。山田は召喚士だが、ステータス上げの能力スキル、つまりバフの能力スキルも持っている。召喚モノを応援としての能力スキルだが普通の人にもかけられる。


「つ~かまえたぜ。そおおおおりゃあああああ!!!」


原田は止まった四足の魔物を捕まえて空にぶん投げた。


「オラ!もう一丁来い、!って、ヤロウ!!」


原田は振り向いて富士村をも投げ飛ばそうとしたが、富士村はそれを構いなしに原田の頭を踏んで空に、四足の魔物のほうに飛んだ。


「飛べ!」


剣を鞘に締めるまま、四足の魔物に振って、その魔物をさらに空の上に投げ上げた。


「ったく、ネコ、打て!!」

「了解ッス!」


猫田はいいタイミングで攻撃の術を空に打った。光の矢が投げ上げられた魔物に的中して、そしてまたその魔物をもっともっと空の上に持ち上げた。

それを見たアダム、そして遠距離に見ていた勇者パーティーがポカンとしていた。一方、作戦を実行していた二人は何事もないように、いつもどおりでいた。着陸した富士村に原田が文句を言った。


「テメエ、人の頭に足を置かないって教われなかったか」

「人の頭な。馬鹿の頭に置かないとは言われなかった」

「あぁ”、誰がバカだって」


二人がどこかに向かって歩いていた。そして、一点の所に止まっていた。それでもなお、二人は未だに言い争っていた。


「待て、今のであの魔物が倒されたとは思えない。二人とも、準備を...あ、」


アダム隊長は二人の止まっているところを見て、そしてもう一度空を見た。四足の魔物を確かにまだ生きていて、そして地面に向かっていた。が、魔物の着陸のところに既に二人は待ち伏せていた。そう、二人は最初から魔物の生存を分かって、あえてその魔物の落ちるところに待ち構えていた。原田は棍棒を野球のバットのように構えた。富士村は今度は剣を抜く構えをした。魔物がはっきり二人の顔を見れるとき、心なしか、怯えてるに見えた。


「「お・か・え・り」」


そう言い、原田は棍棒を振って、富士村は抜刀で剣を振った。避ける術もなく、四足の魔物はただ二人の思われるがままにたたかれた。原田の棍棒と富士村の剣が同時に魔物に当たった。四足の魔物は再び上に持ち上がられたが今度の攻撃で魔物の命が本当に尽くされて、空中で魔石になった。剣を再び鞘に締めた後、落ちた魔石を富士村はキャッチした。


「これで一丁あがり、と。一匹倒すのにこんな手間かかるったぁ先が長ぇぜ」

「それでも今は、こうやって強くなるしかねぇ」


勝利して、レベルアップした他のメンバーのを横に、富士村と原田は先のことを考えて気が重くなった。


***


「な、何だあれは?」

「初めて、魔物が可哀想だと思えた」

「なんというか、無茶苦茶ですね」


バートン、アレクシス、楓はそれぞれの見た感想を言った。


「さて、ご覧の通り、あっちは大丈夫だから、私達も自分の訓練を続けましょう」


最初から大丈夫と信じていた谷川は何事もないように自分たちのやるべきことをやるように勧めた。バートン、アレクシス、楓は納得出来て谷川に言われた通りに移動としたが、他の勇者パーティーは未だに目の前に起きたことを飲み込めなかった。


「風華さん、教えてください。あれは、彼らは一体何をやった?」

「……魔物を倒した。それだけですよ」

「そうじゃなくて、その方法のこと!なんであんなやり方を思いついたのか、俺には分からない!」

「わかった。先程の四足の魔物、高速の連続攻撃が得意に見えた。そして、その原力はその足にある。ならば対策は簡単です。その足を使えない状況にすればいい。そのために、仁君は身体を張って魔物の動きを止めて空に投げ飛ばした。彼のパワーだけで高く投げれないので教一君と猫田君が追撃をした。空に高く投げられた魔物は自由に足を使えなくなった。ただ自然の力に地面に落ちていく魔物を先に待ち伏せいたら叩く放題というわけです」

「なんで、そこまでする…?」

「ステータスが弱いからです」

「……!!」


その言葉を聞いて、勇者パーティー全員が頭に叩かれた気がした。この世界でステータスで強い者と弱い者が分かれる。弱い者は強い者に頼るしかない。そう思っていた。だが、富士村と原田は違った。彼らは弱いステータスを持ちながら、彼らなりの戦い方を見つけた。そして、見事に自分たちの何倍も強い魔物を打倒した。ステータスが全てではない。彼らはそれを証明した。勇者パーティーはその事実を読み込めなかった。彼らは強いステータスを持てたから皆に頼られた。だが、富士村と原田は違った。それを見た谷川はパーティーメンバーに忠告した。


「いい機会だから油断しないように言っておきますね。弱い者も強い者に噛み付く。足元をすくわれないように気をつけましょう」

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