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桜ヶ丘高校、パーティー分けそして出撃

久しぶりです。

この作品もまだ生きてますので、これからもよろしくお願いします。

勇者のことが判明された日から数日。桜ヶ丘高校の者たちは日々訓練に精を出していた。訓練中、勇者以外でもほぼ全員が高い能力を持っていることが分かった。得に生徒たちは低レベルだと思えないぐらい凄まじい能力を見せていた。教官たちはもう結界内の訓練が十分と判断し野外訓練、つまり実際に魔物と戦闘訓練に移行することになった。その方が能力の向上がしやすくなるとのことであった。桜木校長は最初は意義を申し出たが、生徒たちの強い意志もあり、その意義を引き下げた。


そして、現在に至った。桜ヶ丘の生徒たちはヴァージニア教国の騎士団の一部隊に伴って結界都市の外にある平原にベースキャンプを作っていた。教師陣の能力が生徒たちに遅れるため、戦闘に出すのは生徒中心になっていて、今回の先頭訓練も出ていたのは生徒のみであった。実際の戦闘することで生徒たちはもう制服ではなくそれぞれの職業(ジョブ)に合う装備、鎧やロープなどを着ていた。もちろん、それぞれ武器も持っていた。


キャンプが出来上がった後、騎士団のアダムは生徒たちを集めて予定を話した。


「これから、魔物との戦闘訓練を行う。さすがにこの数で全員一緒なのは無理があるので四~六人のパーティーに分けて別行動しよう。皆の者、お互いと話し合い、自分に合うパーティーを結成してくれ。それぞれのパーティーに騎士団の二人を指導者としてつける」

「おお、パーティーか」

「おい、一緒にやろうぜ」

「馬鹿、俺もお前もタンクタイプじゃねえか」

「私、真くんと一緒がいい」

「あ、ずるい。私も」


パーティーという言葉を聞いて生徒たちはワイワイ話していた。その中に、一人、いや二人が意味が分からず顔をしていた生徒がいた。富士村と原田。富士村は普段の制服ズボンや靴以外に変わったのは学ランを外してTシャツの上に胸当てを着ていただけだった。そして、いつも持っていた竹刀袋がなく、その代わりに腰には一本の剣を持っていた。一方原田は富士村と同じで未だに制服のズボンと靴を着ていて、違ったのは上部に鎧と、学生帽の代わりにヘルメットを着ていた。左の腕には盾、右手は棍棒を持っていた。騒いでいる生徒たちの横に二人は何をするか理解できなくて富士村が質問することにした。


「すまぬ。パーティーとは何だ?」

「...以外だ。フジムラ殿とハラダ殿は知らないのか?」

「知らねえワケじゃねえが、メリケンの言葉だろう。宴みてえに楽しく馬鹿騒ぐってゆう意味だとそう覚えたが」

「メリケン...?」


((((いや、お前らそれは違わないけどこの場合は全然違うだろ!!!っていうか言葉選びが古っ!!!))))


生徒たちは心の中につっこんだ。彼らがこういう人だと分かってもこのために時間を無駄にするのはばかばかしいと思った谷川は助け船を出した。


「強一君、仁君、パーティーとは小隊、あるいは小人数の戦闘組という意味ですよ」

「なるほど。こっちではパーティーとはそういう意味か」

「いいえ、まあ、説明するのも面倒くさいしそれでいいわ」

「?組を作ってそれぞれ別行動というなら結成された組の数と組員をまとめる方がいいだろう。風華」

「ええ、分かったわ」


そして、谷川のリードで桜ヶ丘の生徒たちは次々とパーティーを組んで、それを富士村がまとめてた。それで富士村と谷川はどの生徒がどこの組なのか、全部何組あるかを把握出来た。だが、その結果、富士村と谷川、そして彼らの働きをただ横で見てた原田も未だにどの組にも入ってなかった。


「さて、私たちはどうしましょう?」

「適当にまだ四、五人の組に入ればいいだろう。っていうか何でお前はのんびりしてたんだよ」

「別にいいだろ。どこに入ってもやるこたぁ変わんねぇし。つうってもオレはネコたちのところに行くんだけどな」

「だったら最初からそう言え」

「まあまあ。それじゃ私は…」

「谷川会長!」


三人の会話に入り込もうとした者が谷川の名を呼んだ。勇者の真。彼の後ろに彼のパーティーメンバーも彼についていた。女子三人と男子一人。真を含めて五人パーティーと見えた。女子の中には楓がいて、他の男子は幸二であった。


「はい、どうしました?」

「谷川会長にお願いがあります。どうか俺たちのパーティーに入ってください」

「私が?」

「はい。会長と一緒なら、俺、どんな敵でも勝てる気がします。それに、会長から学びたいことがたくさんあります。そのために、隣り合わせで戦うほうが良いと思いますので、どうか」

「そうね...」

「へえ...、風華に目ぇつけて誘うったあユウシャ様も目が利くねえ」

「何よその言い方!?まるで勇斗君が会長を口説いてるじゃないですか!?」

「ちょっと香奈...!」


真のパーティーメンバーの一人、香奈(かな)と言う少女が原田の言葉に食って掛かった。楓が止めようとしたが、彼女はそれを追い払った。


「違うか?」

「違うわよ!勇斗君は勇者の使命を果たすために有力な仲間を選んでいる!つまりあたしたちは勇斗君が勇者の役目を全うするために必要な仲間!会長もそのために選べられた!わかった!?」

「使命、ねぇ…つれがそう言ってるが、ユウシャ様のご自身はどうだい?」

「もちろん、香奈の言う通りです。俺は本気で勇者としてこの世界の人たちを助けたい。でも、やはり一人ではやれることは限られています。だから、会長の力が必要です。この世界の全ての敵、魔王と魔物を排除するため。皆が安心して暮らせるため」

「…言うからにぁ筋を通すんだな」

「何よ、ステータスが低いのくせに生意気。番長だがなんだが知らないがこっちでは勇斗君がナンバーワンだからね。アンタたちは勇斗君の言うことを聞けばいいの」

「香奈!それはさすがに先輩たちに失礼だよ!」

「いいぜ、山下妹。確かに喧嘩番長が得意の喧嘩に勝てねぇじゃあ話になんねぇ。だがよ、嬢ちゃん、あまりそゆうこと言わないほうがいいぜ。強い者が正義だと認めた同然だからな」

「フン、負け惜しみ?カッコ悪いわね」

「はは、返す言葉もねぇしオレぁ引き下がってもらうわ」


言うだけ言った後、原田はおとなしく引き下がった。


「もう満足か?」

「そのまま返すぜ。ったく、テメェで聞けっつうの。口下手な風紀委員長は世話ねぇぜ」

「フン」

「仁君…」

「悪ぃな、風華。オメェの話に割り込んでしちまった」

「いいよ。それよりどうしようかな?」

「ちょっと、会長も何悩んでいるのよ。勇斗君がわざわざ誘いに来たんだからあんな奴らほっといてこっち来なさいよ」

「香奈!」

「やれやれ、せっかちな嬢ちゃんだな。見る限り、他の連中も同意見らしいが、山下妹、苦労してんなあ」

「……会長、自分からもお願いします。今はこのパーティーを中心にして行動するのが良いと思う。そこに会長が加えれば」

「幸二君……」

「…風華」

「強一君?」


富士村は谷川の目を見ながら彼女に言葉を放った。


「あいつらについて行ってやってくれ」


"勇者一行の行動を管理してくれ"、という意味を含めて富士村は谷川に頼み込んだ。それを感じ取った谷川は二つ返事をした。


「そうね。分かったわ。それでは、真くん、これからはよろしくお願いします」

「は、はい!よろしくお願いします!それと、これからは仲間になるんで、タメ口で喋りませんか?呼び方も、勇斗と呼んでください。俺も、もしよかったら風華さんと呼びたいです」

「フフ、いいわ。よろしくね、勇斗君」


そんなやり取りを見た原田がつぶやいた。


「あれ、やっぱ口説いてんじゃねぇか?」

「嫉妬か?」

「バカ言え」

「ならさっさと行くぞ」

「へいへい」

「あれ、教一君も仁君と同じチームに?」

「ああ。コイツを含めてもそこはただ四人組だからな。数のバランスを考えたらその方がいい。それに、山田もいる」

「そうか。そういえばあそこに後衛しかなかったんだね。でも、何かずるいね」

「不本意だ」

「誰が好き好んでこんな堅物といてぇんだよ」


富士村と原田はほぼ同時に言った。そして、これもまたほぼ同時に、谷川に背中を向け無言で山田のところに歩き出した。谷川は微笑みしながら彼らの背中を見送っていた。


「原田さん!待ってたッス!」

「富士村先輩、原田先輩、よろしくお願いします」

「二人ともよろしくね!」


自分の組のところに来た富士村と原田、彼らを待っていたのは猫田、山田、そして小林先生であった。三人とも鎧やプロテクターみたいなものを着ずローブを着て杖を持っていた。谷川が言ったとおり、三人には前衛がなかった。山田は召喚師、猫田は術者、そして小林先生は神官であった。なぜ、その三人が組んでいたというと、猫田は最初から原田と組むつもりで彼を待っていたが最近原田が山田を気にかけていて山田が新しい手下と勘違いし猫田が山田を誘った。山田は山田で、親しい友人がなく、目立つな能力スキルもなく、猫田以外誰も彼を誘ってなかったので猫田の誘いを了承した。その後の二人はただ原田を待っていたが、除き者なってしまったと勘違いした小林先生が彼らの組に入ることにした。小林先生は生徒と同じ能力を見せた数少ない教師であった。特に、治療の能力スキルは桜ヶ丘の者の中に一番かもしれなかったと思えた。だから、実は彼女を自分のパーティーに入れたい輩が多々いて、彼女が山田たちのところにいることが納得できなかった。それを気づいた山田は原田が来る前にそわそわしていた。


「野郎だけだと思ったが、美波ちゃんが一緒でよかったわ。マジで救いの女神だわ」

「原田さん、ひどいッスよ!しかとしないでくだせえ」

「ちょっと原田君!美波ちゃんと呼んではダメです!!小林先生でしょう!」

「オレと美波ちゃんの仲だろう。いいじゃねえか」

「だから勘違いさせる言い方はやめてください!もう!」

「...聞いてねえッスか」

「やれやれ」

「あはは」


富士村、原田、山田、猫田、小林先生。こうして五人は一つのパーティーになった。

しばらく後、アダムは全員がパーティーに入ったことを確認し、訓練予定の話を続いた。


「全員、パーティーを組んだか。ならば、訓練の内容を説明しよう。今各自のステータスにはパーティーの欄が追加されてその中にパーティーメンバーの名前が書かれているだろう。パーティーメンバー一人が魔物を倒すと、魔物から得たEPがパーティーメンバー全員に共有される。EPとはレベルアップに必要なエネルギーだ。魔物を倒すことで得られる。レベルアップすれば、ステータスが向上する。しかし、今の皆様のステータスでご自分で倒せる魔物もいる。この平原は教国の騎士団、戦闘系の訓練場所でもあるから、付きの騎士団員が皆様のステータスに十分戦えて効率的にEPを得られる魔物を見分けるので彼らの指導を聞いてください」


そこまで話して、アダムは話を区切って全員の反応を見ていた。特に困ってる者がいなかったので、アダムは最後に彼らに忠告した。


「では最後に、この平原の東側に小さな集落がある。その集落に近づけてはいけない。これを覚えていてほしい」

「何があるんですか?」

「あそこは神に抗う者、魔族の住まいだ。魔王同様、結界都市には入れないが、彼らは外でいくつかの集落を結成して暮らしている」

「魔族って、つまり魔王の手下ではないですか!?」

「いや、そうでもない。ただし、人間の味方とも言えない。だから、できるだけ彼の者に近づかないでほしい」


それぞれ、アダムの言葉を聞き、集落のことを違う形で飲み込んだ。危険だと心配になった者、今後の最初の目標として定めた者、触らぬ神に祟りしと構えた者。

それぞれ、受け入れ形が違ったが、今の所に集落に飛び込もうとする者がいなかった。それを確認したアダムは出撃合図を下した。


「貴殿らの武運を祈る。では、出撃!」

2019/11/19

幸二を勇者パーティーに加えることにしました

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