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薄茶達の所感(:淡黄)


View.クリームヒルト



 今日は黒兄の結婚式だ。

 前世から女友達は多くとも、浮いた話が無かった黒兄。黒兄本人があの、前世で私達を産んだ女の影響でそういう事を避けているというのもあっただろうけど、それがなくても黒兄はそういう方面の浮いた話は少なかっただろうなと思う。外見も悪くは無く、中身もコミュニケーション能力は高い方でも、自己評価の低い黒兄は自分から行く事が少ないからだ。というか恋愛に夢見ている感があるので、どう……潔癖さがあって、付き合うならば最期まで一緒に居られる人を選びたい、という重さを有していたのも原因だとは思うが。

 けれどそんな過去の女性関連への忌避感とかなんやらひっくるめ、結婚し、見ているこっちが恥ずかしくなるようなラブラブ夫婦ぶりを見せ始めた。何度「はよ結婚しろ。あ、もうしてるね」と思った事か。


――私もティー君とああなるのかなー


 私と黒兄は今世では血の繋がりは無い。前世でも私達を産んだ女と同じ血しか血の繋がりは無い。けれど私と黒兄は、前世では私の数少ない友人に、今世ではヴァイオレットちゃんとかに「兄妹だと何処と無く感じる」と言われる程度には似ている部分がある。ならば私もあのように「ヒャッハー、空気を吸うようにイチャつくぜ!」とかになるんだろうか。想像つかない。


「という訳でそこん所どう思うかな、ベージュさんにベージュちゃん」


 想像がつかないので、第三者から話を聞いてみた。聞く相手は激しい愛を物理的に行うベージュさん夫妻。なんとなく私の考える愛で、私の恋愛と方向性が似通っていると思ったためだ。


「まさか私達に聞くとは……」

「私達の愛の紡ぎ愛を邪魔しても聞きたいことなのか……?」

「あはは。――黒兄達の結婚式だというのに、朝から激しく愛し合おうとしてたのは誰だっけ?」

『はい、ごめんなさい』


 あと、ついでを言うと早朝に私がテンションが上がって落ち着くためにうろついていたら、結婚式ということで「今日は私達の結婚式を思い出して(ころ)し合おう!」と盛り上がっているベージュさん夫妻を見て、これは止めないとマズイと思ったというのもある。反省を促すついでにちょっと思ったことを聞いたのである。


「(彼女、領主さんの妹と聞いてはいたが、間違いなく妹だと分かるな、我が(つま))」

「(ええ、圧が間違いなく領主様と同程度……いえ、同種のものでしたね、我が(おっと))」

「(というか動きと見ている所が違う。なんだ、日本(NIHON)という国は化け物の巣窟か)」

「(世界を渡ってもなお自我を持ち続けるような精神ですし、彼女らが特別なのでは?)」


 しかしこのなにやら目で会話しているほど仲の良い二人に聞いても大丈夫なのだろうか。

 詳細は聞いていないがこの二人は半天使と半悪魔とかいう凄い存在らしい。一般的な種族のどれにも当てはまらない、ヴァルハラみたいな所から遣わされたという伝説上の希少種である。

 ちなみにだがその遣わす大元とされているトウメイちゃんに聞いた所、どちらも「なにそれ知らない……」との解答が得られているので、正直彼らがどんな種族かはよく分かっていない。黒兄もよく分かっていない。多分シキの皆も分かっていない。なら別に良いやとなっている。それで良いのだろうか。


「さて、貴殿が問いたいのは自分がどのような愛を紡ぐか、であったな」


 っと、彼らの種族とか今更どうでも良い。私が知りたいのは、物騒とはいえ愛し合っているのは確かなこの二人から見た私の評価だ。別に聞いた所でなにかある訳ではないし、結婚式を台無しにされるかもと思って気がついたら乱入していたからついでに聞いたに過ぎないのだが、折角だから聞いておこう。


「その前に問いたいのだが、私の記憶では貴殿は意中の相手との恋愛は否定していたように見えた。私達にはまだ早い、とな」

「私の記憶でもそうですね。恥ずかしがっていたような記憶がありますが、なにか進展でも?」


 普段はお互いしか見えていない感じなのに、結構見ているんだねこの夫婦。というかあまりシキで接点無い相手にも私はそういう印象を持たれていたのか……と、それよりもその感想は過去の物だ。キチンと今の私を言っておかないと。


「あはは、私はティー君――彼が好き。認めた方が楽なんだよ。なにせ自分の気持ちに正直で居られるからね。あと、そもそも両想いなんだから、その幸せを味わうのに認めないのはなにか違わない? と思っただけだね」


 外見も中身も、どちらも私は彼が大好きだ。この感情が好きでも恋でも愛でもないのなら、私は一生――何度転生をしようとも好きも恋愛も理解出来ないだろうと断言出来る。それほど私は彼が大好きだ。これはもう胸を張って言える事である。


「ふむ、想い、考えは理解した。ではその上で私の考えを言わせて貰う」

「あはは、どうぞ!」

「既に貴殿は“ヒャッハー、空気を吸うようにイチャつくぜ!”状態だ」

「え、本当に? ……ベージュちゃん的には?」

「“はよ結婚しろ。今日乱入したら?”ですね」

「マジかー」


 どうやら私は黒兄とそう変わらないようである。



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