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触れるな危険


 なんだか妙な勘違いをされているなと感じつつ、一回戦の混戦は無事勝ち抜くことが出来た。

 アレが手を回し、俺に恥をかかせるために一回戦の相手が俺を狙ってフルボッコにする可能性も考えていたが、どうやら杞憂で済んだようだ。

 確か不正を無くすためにアッシュが尽力したという話だし、単純に力が及ばなかっただけかもしれないが。


勝者(ブーディカ)となったか……さすがクロさん……ほ、ほれ。勝利者に配られる魔力を回復する水である、ぞ……」

「……うん、ありがとう。俺は魔力消費はほとんどしていないし、アプリコットが飲めばいいぞ」

「い、いやそれでは(ノット)公平(イコール)になってしまう……ふぅ……」


 俺が勝利者待機場所に行くための通路を歩いていると、アプリコットが疲れたような面持ちで勝者に配られる魔力を一定量回復する水を渡してきた。

 渡してきてくれたのはありがたいが、水は明らかに俺よりアプリコットの方が必要だと思う。

 開始前に参加者から「記念参加か」と馬鹿にされたり、観客に「格好だけは決まっているな!」とか言われたりして、反論も兼ね見せつけるために大技を連続で出したのだ。魔力も切れて回復に時間がかかるのも仕様が無い。

 とはいえもう少しすれば回復もするだろう。今疲れているのは単純に体力不足なだけだろうし。


「しかし、気をつけた方が良いぞ。今の御前試合(クルセード)でシャトルーズに目を付けられたかもしない」

「……まぁその時は大人しく手合わせするよ」

「次の試合は確か――」


 アプリコットの言葉に少々不安になりつつも、次の自分の出番まで会話をして時間を潰していようかと思うと、闘技場内が歓声に包まれたのを感じた。

 何事かと思いつつ、その歓声が色めきだっている事を感じ取ることができた。恐らくは殿下かメアリーさん辺りが出場したのだろう。


「ところで、アプリコットはなんで待機部屋に居ずにここにいるんだ?」


 内容も気にはなるが、わざわざ進んで知ろうとするほどのことでもない。

 話題替えをしようと、貰った魔力回復の水を一口飲み少し気になった事を聞いてみた。水を渡すくらいならば待機室でもできるだろうし、通路で待つ必要もない。……いや、アプリコットならば勝者に対して言葉を掛けるために通路で待機して、意味深な事を告げて去る、位の事はしそうだけれども。

 ともかく、勝者は闘技場の勝者用待機室へと移動し、次の試合を見ながら次の試合へと調整をするのが基本だ。今渡された水のような回復する飲み物や場所もあるので、通路に居る利点は無いはずだけれど。


「……待機室が異世界だったのだ」


 俺の疑問に対しアプリコットは少し答え辛そうに、どこか遠くを見る目で答えを返した。

 だが異世界? どういう意味だろう。

 まさか俺が居た元の世界が広がっているという訳でもあるまい。疑問は湧いたが、アプリコットはそれ以上は見た方が早いとでも言いたげに、無言で杖で扉の方を差ししめたので扉の方へと向かう。

 開けさせるという事は危険性が無いという事だろうが、異世界とはどういう意味だろう。実際に異世界に来るという体験したことがある俺にとっては単純な事では――


「メアリーだ、メアリーが戦っているぞ!」

「なんということなの、ヴァーミリオン殿下との戦いで消耗しているはずなのに疲れを見せていないなんて!」

「それでいて麗しいなんて彼女は完璧か!」

「馬鹿野郎! 完璧だと彼女がこれ以上成長しないという事だろうが! 彼女の上を信じなくてどうする!」

「確かに! だが、これ以上成長すれば俺達は彼女の威光に耐えきれるのか!?」

「耐えなくてどうするのよ! 私達も成長しなければメアリーに失礼というモノでしょう!?」

「成程、ならば俺は彼女に耐えられるように精進していこう!」

「ma\yq@!tkd@9s6ud@juv@7w@rb@rmksdw38yw@eb4d@7uet!」

「ああ、そうだな!」

「/3lーxyf@yx@ーe!」

「ばんざーい!」


 俺は扉をそっと閉じた。

 シキの領主として四年近くやってきたから分かる事がある。あれは触れてはならない世界である、と。

 アプリコットの方を見ると「言ったでしょ?」みたいな表情をしていたので、俺は黙って同意を示す頷きをした。しばらく無言の時が流れ、俺は待機室とは違う通路の先を見やりながら提案をした。


「飲み物、買いに行くか」

「そうだな。関係者に一言だけは告げておこう」


 俺達は今見たモノを無かった事にし、飲み物を買いに一旦離れることにした。

 戻った頃には収まっている事を願おう。






(「さて、彼も勝った事ですし、待機室ならばまた会えると思ったのですが……何故彼が居ないのでしょう。……まさか私を避けているのでしょうか。ふふ、面白いですね。彼は私を焦らすのが上手いようです。これも彼の作戦ならば、私も彼への対応を考え直さなければなりませんね……!」)



その頃のクリームヒルト

「あはは……違うんです先生、私は魔力回復の水を材料にした道具を閃いて錬金魔法を使用しただけなんです。そしてちょっと失敗しただけなんです。決して爆弾を暴発させた訳じゃないんです信じてくださいごめんさない気をつけます」


途中謎語翻訳


ma\yq@!tkd@9s6ud@juv@7w@rb@rmksdw38yw@eb4d@7uet!

 ↓

勿論だ! 彼女と同じ学び舎で過ごす者として歩んでいこうじゃないか!


/3lーxyf@yx@ーe!

 ↓ 

メアリーさん万歳!


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