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追放された悪役令嬢と転生男爵のスローで不思議な結婚生活   作者: ヒーター
25章:ちょっと違うメンバーのシキでの小話
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お見合い後の戦闘_1


 スカイさんとスマルト君のお見合いは大きな問題も無く(ブライさんは考えないものとする)、サプライズ花火も大いに喜んで貰えた。

 花火鑑賞はスマルト君がスカイさんに「花火よりスカイさんの方が綺麗です!」的な事を言おうとしたのだが、言う前にスカイさんが手を握って、より良い所で見ようと引っ張っていったせいでタイミングを逃して言えずじまいだった様だ。言えなかった事に対して自分の不甲斐なさに落ち込みはしたが、手は握れたし、花火を見て喜ぶスカイさんを見れたのでスマルト君的には満足だったようである。

 と、言うのをこっそり様子を見ていたアッシュから聞いた。様子を聞いたのは俺の方ではあったが、そんなことまで言っていいのかと問うと、


『はは、上手く言えなかったのを“アッシュ兄様のように大事な所で言えなかった”などと言う弟の事は包み隠さず言いますよ、はは』


 と、答えてくれた。要するに意趣返しである。

 「子供か!」と言いたかったが、大人びているので忘れてしまっていたが、よく考えればアッシュは俺とかと違って純正な十六歳だ。子供っぽい面があるのも無理ないかもしれない。というかそういった面を見せてくれた方が親しみを持てるかもしれないな。

 とにもかくにも、お見合いも後はスマルト君達オースティン家の方々を見送る、という行為を以って終了する。シニストラ家の皆さんや学園組はもう少し居るが、残りは消化試合に近く、だが最後まで油断しない、という程度のものである。

 あるはずなのだが……


「どぅりゃあ! スカイさんから教わった剣術閃光!!」

「良い踏み込みですよ、スマルト君! ですがもっと素早くしないとクロを捕えられません!」

「はい、スカイさん!」


 何故か今の俺は、スマルト君に稽古をつけている。

 スマルト君としては決闘の模擬戦なのかもしれないが、どちらにしろ俺はスマルト君と戦っているのである。


――なんでこうなったんだっけ。


 確か今朝は花火の後始末に早起きをし、打ち上げの場所や打ちあがった後の場所などをヴァイオレットさんと共に見に行った(グレイ達はすやすやと眠ってたので眠らせておいた)。

 すると思ったよりも片付いており、もしや神父様が夜にこっそりと……? と思ったのだが、どうやらオーキッドが花火の打ち上げ後の事も考えて時間経過と共に影の中へと消えていく仕組みを黒魔術で作っていたらしく、片付ける必要がある物はほとんど消え去った後のようであった。……黒魔術凄いな。

 なので教会組やその他希望者の皆とさっと片付けをし、予定より早く戻った。朝食まで時間があったので書類仕事でもしようかと思っていると、朝早くからスカイさんとスマルト君が庭先で鍛錬をしているのを見た。どうやら別れる間際に少しでも思い出を、という事でやっていたらしのだが、俺に気付くなり、


『よし、鍛錬の成果を見せるのですスマルト君! オースティン家へと帰る前に一矢報いるのですよ!』

『分かりました、スカイさん! クロ様、模擬戦をお願いします!』


 と、俺に勝負を吹っかけて来たのである。


――うん、思い返しても良く分からんわ。


 まぁスマルト君は勘違いとはいえ俺に勝つために最初挑んで来たし、負けん気が強いのは知っている。決闘でもほとんどなにも出来なかった状況だったし、そのまま終わるのが嫌だったのだろう。

 そしてその気持ちがつい漏れ出てしまい、スカイさんがそれ見て稽古をつけていた、という所だろうか。……可能性としてはそれが高いが、だとしてもなにやってんだ、という感じではある。


「一歩の踏む瞬間に足裏に一点集中する力を込めて――踏み込み突き!」


 しかしスマルト君も前と比べると動きは良くなっている。これが短いとは言え鍛錬の成果ならばたいしたものだ。あるいは好きな相手の前で張り切っているだけかもしれないが、あまり向いていない武器でここまで動けるのなら充分と言える。

 スカイさんが教えるのが上手いと言うのもあるかもしれないが、スマルト君自身に基礎戦闘の動きの素質はあった、という事か。


「そうです、良いですよスマルト君! やはり私の目に狂いはなかったです!」


 スカイさんも楽しそうだ。教えるのが喜ばしいのか、教えた事を実践して成長する姿が嬉しいのか。ともかくスマルト君の動きを見て楽しそうにしている。


「ありがとうございます、スカイさん! もっと見ていてくださいね!」


 そしてスカイさんが嬉しそうにするのを見て、スマルト君も嬉しそうにし、もっと頑張っていく。まさに相乗効果、互いの利益が一致している状態である。

 ……なんというか、結構相性が良いのかもしれないな、この二人。今は恋人関係というより師弟や先輩後輩関係のようだが、それでも今後も良い関係を築けそうと思える姿である。

 頑張るスマルト君に、それを応援するスカイさん。スカイさんの応援をもっと引き出すためにも、もっと良い動きをして俺に一矢報いたいスマルト君。

 そしてなによりも成長している姿を見せて、好きな相手に格好つけたいのだろうが……


「クロ殿、がんばれー」


 だが残念だったな、スマルト君。君にだけ格好つけさせはしないぞ!

 俺とて愛する相手の前で格好つけたいものなんでな! 油断を一切せずに全力行かせて貰うぞ!

 え、子供相手に本気を出す方がみっともない? なにを言うか、本気の相手に本気を出さない方が失礼であるというのは先日の決闘でも示したし、俺は全力を以って見られている事を意識しつつ大人の余裕を見せたいんだ。要するに「相手を慮り本気を出しつつ、外から見ている分には余裕を崩していない」的な事を思われたい。

 その行為自体が大人げないと言われる気もするが、ヴァイオレットさんに見られている以上は俺だって意識せざるを得ないんだ。正直めっちゃ緊張している。なにせ騎士団の時のような本気で叩けば良い場面と違って対応が難しい場面だからね、今回。下手すればヴァイオレットさんでけでなく、シアンとかに「子供相手になにを……」って感じになる。


――それはそれとして格好つけるために頑張るがな!


 まぁ結局ヴァイオレットさんの前で格好つける事に変わりはないが。

 少しでも良い姿を見せたいからな!


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