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日常

作者: あろう

空に広がる薄青が夜明けを知らせている。なんてことはない、自然と目が覚めた。火曜10時6分。7時にセットした目覚ましは自分の役割を忘れて、いまだに枕元で眠っている。仕方ないやつだ。階下に降りても誰もいない、渇いた目をしたイッヌだけがこっちを見ている。おはよう。昨日も着たシワーシワーの洋服を身につけて、卓上に用意された朝食を尻目に家を出る。駅前の立ち食い蕎麦屋でブランチとは名ばかりの410円のかき揚げそばを食う。立ち食い蕎麦屋のサラリーマンを見下す自分が嫌いだ。コンビニコーヒーのMカップにLを無理やり注ぐ自分が嫌いだ。大学の講義を切ってしまう自分が嫌いだ。バイトもせずに親のすねをかじり続ける自分が嫌いだ。探険部は好きだ。自分が薄れるから、自分以上のクズがいっぱいいるから、なんとなく気があうから。活動を通して自分を正当化することができる。家に帰っても誰も迎えてくれない。きっと寝ているのだろう。イッヌだけは気だるそうにしながらも自らの尻尾を床に叩きつけている。ただいま。可愛い。もう10歳。後何年一緒に居られるのだろうか。そんなことを思うと嫌になる程感じてきた明日も、今度こそは愛せるかもしれない。

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